今更ですが、サクラ7sのアジア大会決勝を振り返る

日曜に中国杭州アジア大会も閉幕しました、7人制ラグビー競技が終わって2週間も経ちましたし、女子の決勝の動画も見つけたのは先週ですが、後半は後回しに。結果は21-22で負けて悔しい銀メダルになりました。今回は試合経過をレポートする形で書きますが、前半終えて0-22では勝つのは難しい。だかそこから日本の追い上げは素晴らしかったです。

中国と日本の決勝は20:40過ぎから

日本の先発メンバーはFWに梶木、三枝、田中、BKに平野、須田、大谷、堤でした。前半開始は中国のキックオフ。日本はキープして自陣からアタックを試みますが大谷選手が仕掛けて22m内で捕まったところでサポートが遅れたところを中国が見逃さずにラックでターンオーバー。そこからのアタックで日本のDFは対応が遅れて中国の選手を倒せずに繋がれてしまいポスト下に先制トライを許します。

さらに次のキックオフでもこぼれた球が中国に転がり、一気に自陣22m内に攻め込まれます。中国は外に展開してゴールラインに迫るも堤選手と平野選手が捕まえて外に押し出し、G前の日本ボールラインアウトをしっかりキープ。裏へキックを蹴ってプレッシャーをかけるも中国の選手は無理に仕掛けずにほかの選手の戻りを待ってボールキープ。そこから継続してG前に攻め込むと外に展開した中国の選手が捕まえに来た日本の選手を個の力で振り切って裏に抜け出し連続トライ。12-0とリードします。

中国が流れを掴んだ中での3度目のキックオフはまたしてもこぼれた球がプレッシャーをかけた中国選手にきれいに収まって再び自陣22m内でのDFに。中国からボールを奪え返せずに最後は外のスペースに展開した中国がインゴールに飛び込んで3トライ目を奪い、優位に進めます。次のキックオフで日本はボールをキープしますが、自陣でのアタックで中国のタックルに倒れるとそのラックで日本が反則。中国はスクラムを選択し、アタックを継続してG前に迫るとラックサイドを攻め込み、サイズに勝る中国の選手が日本のタックルを押し返すようにインゴールに飛び込み4トライ目を奪いました。

前半はホームの中国がDFからチャンスを作って、一気に先制トライを奪ったことで流れを掴みました。日本は決して悪い入りだったとは思いませんが、キックオフレシーブをしっかり確保出来ずに、こぼれ球がきれいに中国のボールになったことで、これまでの戦いでも見せた素早いセットから連携して前に出て止めるDFが出来なかった。そして勢いに乗った中国のアタックがはまりました。東京五輪で戦った時の状況と似ているのかなと(その時はキックオフ直後の日本のアタックを鋭く前に出てタックルで倒し1分も経たずに先制トライ)。

日本は逆転を狙う後半開始のマイボールキックオフ、梶木選手がターンオーバーに成功するもパスが乱れたこぼれ球を蹴られて一気に自陣G前に。堤選手が戻ってアタックを試みますがラックで反則を取られて一転ピンチに。ここで中国に得点されると逆転はかなり厳しくなりますが、大谷選手が相手を押し返すタックルからラックで中国の反則。すぐに仕掛けて最後は三枝選手が40m走ってトライを返し、15mラインより外側の難しい位置のキックを須田選手が成功し、7-22。

次のキックオフでは中国がキープするも、日本のDFが中国のアタックを押し下げて22m内で大谷選手が強烈なタックル。そこからまたしても中国が反則し日本のチャンスに。逆転を狙いに攻め込む中でタックルに入った中国選手の頭が田中選手の顔にぶつかりTMOの結果、危険なタックルでレッドカード。日本はG前のアタックで走りこんだ中村選手がDFに捕まりながらもオフロードパスで平野選手につなぎポスト脇に飛び込んで2トライ目。すぐにキックも蹴りこんで14-22と一気に追い上げます。

SEPTEMBER 26, 2023 – Rugby : Women’s Final between China 22-21 Japan at Hangzhou Normal University Cangqian Athletics Field during the 2022 China Hangzhou Asian Games in Hangzhou, China. (Photo by AFLO SPORT)

キックオフを確保した中国は人数が1人少ないのもあり、タッチラインから15mラインの間に6人が並んでアタック。ボールキープを主としてアタックしますがラックに倒れるように入った選手が反則。そこを起点に堤選手、大谷選手が抜け出してG前に攻め込むと中国の反則から平野選手がクイックで仕掛けてポスト脇にトライし、ついに21-22と一点差に。

残り僅かでのキックオフは、中国が競り勝って後ろにタップしボールキープ。日本もボールの獲得を目指して必死にDFしますが、ノットロールアウェイの反則を取られ中国はスクラムを選択。中国が自陣からアタックする中でノータイムのホーンが鳴り、外に蹴りだして終了・・・と思われましたが、プレッシャーを受けて後ろに蹴ったボールがインゴールに入り、堤選手と中国の選手が追いかけます。最後はわずかの差で中国の選手が蹴りだして逃げ切り勝ち。よく見れば蹴ったボールが中国の選手の方に転がった分だけ、追いついた感じでした。

日本協会HPにある決勝戦後の鈴木HCと選手のコメントは、こちら。中村選手のコメントに「中国は組織としての戦略が非常に明確で、波を一気に持っていかれてしまいました。」とありますが、この決勝戦では打倒日本に向けてかなり戦略を練って準備してきたと感じましたし、最初のプレーがはまって先制トライを奪ったことで一気にまとまりを見せました。日本は中国の気迫に負けたというわけではないですが、前半に4トライも取られたのは予想外だったと思います。そして逆転を狙った後半の戦いは本来の力を見せてくれたと思います。

サクラセブンズは今週末のアジアシリーズのタイ大会に参加するメンバーも発表しました、こちら大橋選手、西選手の大学1年生コンビ、アジア大会はコンディション不良で外れた水谷選手ら若い選手が入っていますね。ほかのメンバーの顔ぶれを見る限り、11月のパリ五輪予選に向けてのセレクションも兼ねていると思うので、それぞれがベストパフォーマンスを見せて優勝して五輪予選に勢いをつけたいですね。頑張れサクラセブンズ!!

激闘のアルゼンチン戦、本当に素晴らしい試合でした

昨日の夜に行われたW杯予選プール、日本の最終戦の相手は格上のアルゼンチン。これまでの対戦で勝利したのは1度のみ(勝利は1998年の秩父宮、平尾JAPANで村田選手と岩淵選手のHBにTVの前で興奮しながら見ました)。前半を1点差で折り返して勝負の後半、突き放されても追い上げて接戦になりましたが、最後に突き放されて27-39の負け。それでも奪ったトライはどれも素晴らしいものでした。得点など試合経過のレポートはRUGBY JAPAN 365で。試合後の選手のコメントもどれも勝ちたい気持ちが伝わってきました。

World RugbyのYoutubeチャンネルからハイライト3分少しです

もう著名な方々が試合の振り返りコメントをSNSで出したり、試合後のジェイミーHCや選手のコメントもたくさん出ていますね。日本協会HPの試合経過は、こちら振り返れば勝てるチャンスもあると感じましたが、日本がリードする展開はなかったです。そして後半に追い上げた直後のキックオフからアルゼンチンにすぐにトライを返された(56分にJPNレメキDGの直後、58分ARGトライ/65分にJPNナイカブラトライの直後、68分ARGトライ)。ここが勝負の肝だったと思います。得点した後のキックオフで相手の気迫の籠ったアタックを何とか止めて、連続得点につなげられるか。

このW杯では振り返れば強豪を相手に、後半の大事な時間帯で得点を奪って勝負を決める流れを掴み切れませんでした。日本協会HPにある2戦目のイングランド戦の試合経過を見れば、12-13の1点差に追い上げてからイングランドに3T3Gを許して12-34で負け。サモア戦の試合経過を相手の11番がレッドカードを受けて退場になってから25-8とリードを拡げるも、そこから2T2Gを奪われて25-22で逃げ切り勝利。勝負所に関しては試合翌日の藤井雄一郎ナショナルチームディレクターがオンライン会見でもこう話していました。

やっぱり勝負所で取ったらすぐに取られるという、頑張らないといけないときに頑張れなかったのが昨日の敗因やと思うが、選手は頑張っていると思うが、勝負の力を入れないといけないところは経験を積んでいかないと、その部分は埋まっていかない。チーム内での競争も含めて選手層を厚くしていかないといけない。

本当に強度の高い試合を重ねることで得られる経験かもしれません。4年前はSUPER RUGBYにサンウルブズが参戦することで、日本代表で戦う選手の経験を底上げしました。アルゼンチンはサンウルブズと同様に、コロナ禍でSUPER RUGBYからは離れましたが、選手の大半はヨーロッパのリーグに移籍してタフな試合経験を重ねたようです。そこは本当に選手、スタッフの頑張りでは補いきれない、強化体制や仕組みのところですね。その辺はSNSでいろいろ見れると思います。

https://twitter.com/jsports_rugby/status/1711146252212318488
試合後のリーチマイケル選手のコメント、この大会でのパフォーマンスは素晴らしかったですね

いずれにせよ、日本代表の選手、スタッフは本当に頑張ったと思いますし、アルゼンチン戦の戦いも本当に勝つための準備を重ねてきたと感じさせてくれる戦いでした。後輩の福田はリザーブに入るも出ることなく終わり、悔しい思いもあるでしょうが、チームのために頑張っていました(今回の代表チームでは試合に出られないノンメンバーを柱と呼んでいました)。スタッフでロッカールームでは試合前の姫野キャプテンの隣で通訳をしていたジョシュも本当にお疲れ様でした。

男子のW杯の戦いは2大会連続の決勝トーナメント進出を果たすことなく終えましたが、女子は金曜にWXV2の初戦が、セブンズ代表はタイでのアジアシリーズが控えています。引き続き日本代表の活躍に期待しましょう!

サクラ15がイタリアに初勝利、世界ランク10位に

30日深夜に行われたラグビー女子日本代表とイタリア女子代表のテストマッチ、前半に4トライを奪った日本が後半のイタリアの追い上げを振り切って25-24(前半22-7)で勝利。去年のW杯予選プールでのリベンジを果たしました。あっぱれ!!そしてWorld RugbyのWebサイトに掲載されている最新の世界ランクでアイルランドを抜いて10位にUPしました、こちら

試合のレポートについては今回もラグビー専門Webマガジン「RUGBY JAPAN 365」の記事を載せておきます ⇒ 「アウェイの地でイタリアに初勝利!」
また試合後のレスリーHCや選手のコメントは日本協会HPに掲載されています、こちら。レスリーHCからも「両チームともに若い選手たちが出場していた」というコメントがありましたが、南アフリカで開催されるWXV2に向けてお互い試したい部分もあったのだと思います。それでも見事な戦いぶりを見せてくれました。

日本のアタックが過去最高の出来と言えるくらいはまった前半

試合の前に「サクラ15が目指す戦い方を感じられるような試合を期待」をポストしましたが、前半の内容はそれがしっかり感じられました。今のサクラ15のアタックは両FLがそれぞれワイド(タッチラインから10m辺りかな)にポジショニングし、外のスペースで数的優位を作ろうとしています。この試合では久しぶりにスタメン出場したSO山本実選手、いつも攻守にハイパフォーマンスを見せるSH津久井萌選手の2人がテンポよくボールを動かし、FWBK全員が良く走って早めにポジショニングし仕掛けるサクラのアタックがイタリアDFのプレッシャーをかわして、何度も前進しました。

2016年のW杯予選からHBを組んでいる山本、津久井のアタックはサクラ15を引っ張りました

キックオフから敵陣でプレッシャーをかけるもラインブレイクを許し、そこから前半7分にイタリアに先制トライを奪われたものの、前半13分、21分、33分、41分と連続トライを奪いました。スタッツ(統計)がないのでわかりませんが、前半の日本のパス回数はかなり高かったと思います。キックも上手く使いながら、イタリアに敵陣でのアタックの機会を上手く作らせませんでした。イタリアは最初のキックオフレシーブからキックを蹴らずにボールを動かして攻めてきましたが、時間が経つにつれて思うような戦いが出来ずに焦りもあったでしょう。結果的には、前半最後にG前に攻め込んで取り切った7点が大きかったですね。

15点のリードをもって迎えた後半、YoutubeのLIVEのチャットにも「後半開始の10分で激しく来るイタリアに流れを渡さないように」と書きましたが、予想通りイタリアが個々に強気なアタックで粘る日本のタックルを引きずるように前に出始めると10分、16分と連続トライを奪って22-19の3点差になり、勝敗の行方は残り20数分で分からなくなりました。もちろん日本も流れを渡したくて渡したわけではないですが、もともと格上のイタリアが相手。昨年のW杯の試合のように後半はいよいよ本気を出してきたとみる方が良いかもしれません。そして日本が前半のようなアタックで前に出る機会がほとんど見られず、必死にDFする時間が増えました。接点でのフィジカルバトルで上回るのは厳しいなかで、こういう流れの中でも自分たちのアタックで前に出ていくスキル、メンタルがWXV2へ向けての課題、伸びしろですね。

ボールキャリー、タックルで持ち味を見せた向來選手はこれからさらに良い選手になりますね

個々の選手のパフォーマンスもこうした国際レベルの試合で安定したプレーを見せられる選手が増えてきたと感じています。事前の国内での合宿期間が長くなり、若い選手も含めてチームで良い準備が出来ているのでしょう。このイタリア戦では個人的なMVPとして攻守に激しい強気なプレーを最後まで見せた6番FL向來選手をあげました。また今年15人制の代表デビューした12番CTB弘津選手ら大学生の若手選手も良いパフォーマンスでした。そしてPR加藤選手、SO大塚選手、CTB小林選手ら経験の多い選手がリザーブにいたことで、後半の厳しい時間帯でも上手く戦えると信じていましたが、26分に大塚選手が決めたPGの3点追加により、イタリアの4トライ目のコンバージョンが外れ、1点リードで逃げ切り勝ちに繋がりました。

イタリアに勝利した勢いで南アフリカで開催されるWXV2に挑めるのは本当に良いですね。そして遠征メンバーも日本協会のHPで発表され、新たに東京フェニックスの柏木選手が招集されました。豪州でのスーパーラグビーで経験を積んだ柏木選手、代表に新たな勢いを与えるかもしれませんね。また先日のフィジーとの試合で代表デビューした日本体育大学の畑田選手も再招集。この大会期間の中でサクラ15のレベルもますます上がると期待できますし、良い結果を続けられたら今後は北米の米国、カナダとの試合機会も生まれるかもしれません。

結果を出し続けることがチームに良い流れ、自信を生み、強くなるのはサクラセブンズを見ていても感じます。「サクラ15が自信をもって、やりたいことをぶつけていく」そんな戦いがWXV2でも見れるよう、女子日本代表を応援しましょう!

セブンズ日本代表は男女ともに明日メダルに挑戦

ブログの更新が滞っているうちに杭州アジア大会が開幕し、7人制ラグビー競技も2日目が終了。金メダルが期待されている男女のセブンズ日本代表はこの2日間を全勝で男子は明日行われる香港との準決勝、女子はライバル中国との決勝にそれぞれ進出しました。

試合映像は見れていませんが、大谷選手のダイナミックな走りは今回も健在ですね

サクラセブンズに関していえば、以前のブログでこのアジア大会の登録メンバーはサクラセブンズ史上最強みたいな話をしましたが、これまでの4試合で奪われたトライは香港の1本だけ。スコアを並べると57-0、45-0、22-5、26-0と順調な印象。ライバル中国は準決勝の香港に33-0と快勝し、ホームの声援を力に調子を上げてきている印象です。明日の決勝戦は18:40から、19時には速報が出ると思います。前回のインドネシア大会での決勝はロースコアで最後までしびれるような展開だったと思います。今年は力の差を見せつけて連覇を果たしてほしいですね、頑張れ日本!

写真は前回大会での表彰式、明日も金メダルをぶら下げて欲しい

そして男子の方は、日本協会のHPでも結果が記載されています、こちらまた中国遠征レポートを見ると、ミーティングでの試合ジャージのプレゼンテーションではプレゼンターを柔道の井上康生さんが務めたそうです。これもアジア大会ならでは、ですね。これまでの3試合はスコアだけ見れば苦戦することなく勝ち上がっています。明日の2試合は接戦になると思いますが、男女のアベック優勝を果たして、ラグビーW杯フランス大会を戦う日本代表、そしてイタリア遠征中のサクラフィフティーンに勢いを与えたいですね。頑張れ日本!

サクラフィフティーンはWXV2に向けてまずはイタリア遠征に出発

国内でフィジーを相手に連勝した女子日本代表サクラフィフティーン、24日にイタリアに出発しました。協会HPでは遠征メンバーが発表されています、こちら。私が現地観戦できた福岡での1戦目で担架で運ばれて交代したベテラン櫻井選手が外れているのは残念。RUGBY JAPAN 365掲載の秩父宮でのフィジー戦の試合レポートはこちら ⇒ 「サクラフィフティーン、テストマッチ2連勝!長田いろはが苦しい時間帯で見せた「キャプテンズトライ」!」

https://www.youtube.com/watch?v=9N38rjlJjHs

ハイライトを見る限り、フィジーのオフロードパスにだいぶ苦戦していたようですし、フィジーも日本のDFから得点を奪うにはそこで勝負に来ていたはずです。36失点はテストマッチでは負けるスコアですが、それ以上に得点を奪って同じ相手に連勝できたのは良かったですね。課題を引き続き修正して、日本時間30日土曜の深夜2時からイタリアとのテストマッチ。サクラフィフティーンについては、今週中にまたブログで更新出来ればと思います。以上。

W杯第2戦目はノートライの負け、茗溪学園中学が全国優勝

昨日18日は未明4時からラグビーW杯の日本代表とイングランド代表との試合が行われました。前回大会で準優勝、過去に10試合戦っていまだに勝利したことのないイングランドを相手に後半途中まで良い戦いを見せて接戦に持ち込むも、トライを奪えずに終盤に突き放されて12-34で負けてしまいました。

この試合、前半は非常によく戦いました。相手に1トライを与えて9-13というスコアでしたが、昨年秋の試合ではスクラムでやられてゲームの流れを掴めませんでしたが、この試合では互角以上に組みました。相手のDFライン裏へのキックに対しても松島選手、マシレワ選手の負傷で急遽出場したレメキ選手らが良く対応してチャンスにするような場面もありました。ただ日本からのキックに対しては相手のFBスチュワート選手が196㎝の高さとジャンプでコンテストに勝っていましたね。日本が準備してきた戦いをしっかりフィールドで見せられたことが9-13というスコアにも表れたと思います。

一方で後半は徐々に疲れも出てしまい、終盤に攻め切ることが出来ずトライを奪われていました。これについては、前イングランド代表のエディーさんがWEB媒体の「THE ANSWER」で特別観戦記を投稿していました⇒「日本は前回W杯以来、最高の40分間だったが…」 両国とも指揮したエディー・ジョーンズが見た後半暗転の深層【特別観戦記】

エディーさんは記事の中で「メンタルフィットネス」という言葉を用いていました。精神的なタフさと持久力、日本は強豪イングランドを相手に最後までそこが持たなかったというところです。日本代表はこの10数年でW杯で決勝トーナメント進出を狙うくらいに強くなりましたが、それでも格上の強豪国に勝つには80分最後まで自分たちのラグビーをやり切らないと勝てない。それが2015年の南アフリカ戦だったり、2019年のアイルランド戦、スコットランド戦だったと思いますし、多くのファンもそれは感じているところだと思います。次のサモア戦、予選プール最終戦のアルゼンチン戦も、後半に勝負を決めるトライを奪えるかが注目ですね。

茗溪学園中学が全国優勝、単独での優勝は高校生含めて初ですね

私より25歳下の後輩たち、地元茨城で念願の単独優勝!! 写真はJRFUのHPから拝借

そしてこの3連休に水戸市で開催された太陽生命カップ2023、全国中学大会ですが中学校男子の部で茗溪学園中学が優勝しました。これは嬉しかったですね。第2回から水戸市での開催になった太陽生命カップ。地元茨城の茗溪は過去に10年前の第4回大会では決勝に進出しましたが、台風の接近に伴い決勝戦は中止となり、奈良の天理中学と両校優勝になりました。その後、第9回大会でも決勝に進出するも東海大仰星中等部が前回大会に続いて優勝。昨年は8チームを前期、後期の日程に分ける4チームのトーナメントで開催して優勝していましたが、今年は全国の予選を勝ち抜いた強豪8チームのトーナメントを勝ち抜いての優勝。やりました。

18日の朝に行われた大阪の東生野中学との決勝戦はこちらで見れます(うまくはめ込みできませんでした) ⇒https://www.youtube.com/watch?v=Layc9PQJI9o

去年も感じましたが、最近の中学生プレーヤーはサイズが大きい。この決勝戦までの戦いでも、初戦の宮崎の富島中、準決勝の京都の藤森中もFWには本当に大きくて強い選手がいて、茗溪はアタックで攻め込むもラックを作った際に接点のバトルでやられてターンオーバーを許す場面もありました。それでも茗溪学園伝統のハンドリングラグビーに加えて、相手DF裏のスペースへの鋭いキック、DFでは鋭いタックルで相手を倒し、前後半の40分しっかり走り勝つラグビーを見せていました。決勝戦では後半開始してG前のスクラムから東生野に逆転を許しますが、そのあとのアタックで攻め込んで再逆転したのが大きかったですね。両チームとも中学生らしい積極的なプレー、ミスも目立ちましたが、最後まで一進一退の攻防を見せていました。逆転を目指した東生野が自陣から攻めて、裏のスペースへキックを蹴って追いかけるも懸命に戻った茗溪の選手が外にボールを蹴りだして終了。14-12で見事な勝利でした。

茗溪にはいい走りを見せる選手もいたので、今後セブンズユースアカデミーに呼ばれたりするかな

ここ数年はなかなか母校に顔出す機会がなく、中学生の様子もあまりわからない中で、ラグビー部の先輩のご子息が活躍している縁で情報が入ってくるようになりました。決勝戦でも逆転に繋がるトライを奪った三森君のお父さんは私の6学年上、慶応義塾大学時代に学生日本一を達成した三森卓さん。ご子息は私がラグビーを始めた地元のラグビースクール、ツクバリアンズJr.の後輩でもありますね。中学生は秋冬に行われる東日本大会、そして茨城中学選抜として出場する全国ジュニア選抜大会もあるので、引き続き高校生とともに強くなって、冬にユースラグビーを盛り上げて欲しいと思います。

中学校の部の結果、秋田の将軍野中も素晴らしい戦いで5位ですね