日本協会のHPやSNSで6日に行われる試合登録メンバーが発表されました。キャプテンは15番平山選手です。フィジー戦で活躍した鈴木選手、6番で先発出場予定ですね。2番公家選手はノンキャップですが、強みの正確なスローイングを見せてほしいです。そして10番はBRAVE LOUVEの安尾選手が入りました。まだ大学3年生ですがスキルの高い選手なので、外国人を相手にどんなプレーを見せてくれるか、期待です。
リザーブメンバーを見ても、私の知らない若い選手が何人か(苦笑)。日体大1年の向来選手が入っていないのは残念。そして22番に小西選手、23番に大塚選手が入りました。2019年のスコットランド戦勝利のキープレーヤーだった2人、交代出場でゲームの流れを変える選手なので、期待しています。対戦する豪州バーバリアンズの試合登録メンバーも発表されましたね。代表予備軍という噂はあり、個々のサイズ、パワーはフィジーよりもあるかと思います。日本も若い選手が多いですが、まずは接点でのファイトで受けに回らず、プレッシャーを逆に与えられるかがポイントですね。先日の反省を生かして、開始から積極的に仕掛けてゲームを動かしたいですね。試合映像、現地での放送もなさそうだから、見るのは難しいだろうな。
先日、女子日本代表の強化委員長でもある浅見さんのインタビュー記事をSNSで紹介しました。取材はサンスポの吉田宏さんでしょうか。6ページもあり、読みごたえがありました。
こちら ⇒ 「パリ五輪」&「世界8強」へ挑戦 ラグビー女子日本代表、強化責任者が語る勝負の1年。これを読んで「んんっ!?」と、気になったところを幾つか。
2017年W杯終了後に1年数か月、15人制代表の活動が行われない中で2019年になってレスリーさんが日本代表のヘッドコーチになりました。強化の仕方として、選手の増量、フィジカルの強化に積極的に取り組んできた印象です。FWの選手はこの数年で大きくなりましたし、先日のフィジー戦でもスクラムでは優位に経っていました。一方で「世界規格の戦術、スキルをチームに落とし込んできた」ってありましたが、ここの「世界規格」とは何なのかなと。
具体的には戦術的なアプローチというか、チームへの落とし込みはどう行われているのか。試合を見ていて、それを感じる部分(個人的には戦術=マイボール時のエリア獲得、アタック、トライを奪うオプションなど)があまりないのが、あくまで個人的な感想です。スキルは選手の頑張りもあって、キックを上手く使う選手も増えていますし、年々伸びています。一方で大学ラグビーやリーグワンのハイライトで見るような、おおっと唸るようなアタックからのトライがないんですよね。そういうチームのコンビネーション練習が出来ているのかどうか。そしてここの部分、得点力が世界規格を超えていかないと、10月のW杯で勝つのは難しいです。この遠征ではたくさんのスポットコーチが参加しているので、この後の2試合が楽しみです。
そして女子ラグビーの強化にワールドラグビーもアクションを起こしているのは嬉しいことですね。記事にもある「世界の上位チームをトップ6、ボトム6と捉える」というのは、実力を見ると確かにそうです。オーストラリア女子は日本戦の後、「パシフィック4」というシリーズでNZ、カナダ、米国とテストマッチが予定されていて、W杯に向けての強化策が凄いですね。強豪同士の試合が組まれる中、日本はテストマッチの機会を作れていません。もちろんアジアの他の国々の強化、普及にも繋げていけるか、今後の日本に求められる役割かと。
「15人制はトップ8が目標」という言葉もありましたが、2017年のW杯で戦った選手、スタッフも具体的に感じることが出来た印象です。正直、7人制よりも15人制のほうがベスト8進出への距離は近いかなと。個々のフィジカルを高めて、接点のファイトで強豪国と互角に戦えればチームとしての戦術、アタックを高めて勝てるんじゃないかと。まあ前回のW杯後に代表活動が1年以上も行われなかったのは、協会か代表チームの不手際(?)だと思いますが、開催が1年延期したので、今の強化をプラスに考えて、選手とスタッフの頑張りを応援します。
あとは15人制の試合機会をいかに増やすかにも触れています。これは選手の頑張りではどうにもならない部分なのですが、来年から始まる国際大会「WXV」への参加の他、国内でどう試合機会を作るか。この前、海外でプレーする選手と個人的なやり取りの中で、試合の回数を聞いたら現地でプレシーズンマッチを含めると10試合は余裕で超えていました。7人制もですが、国内の試合と国際試合の強度は明らかに違います。ただ代表強化だけでなく、女子選手の更なる普及、競技の継続に向けて、国内試合の充実も大事なので、仕組みを整えないとです。
そして記事の後半には7人制、サクラセブンズの強化についても触れています。あとは15人制の代表との兼ね合いについても「ハイブリッド」という表現を使っていますね。先日、NZ女子代表BlackFernsの代表スコッドが発表されましたが、セブンズで活躍していたRubi Tui(ルビ トゥイ)選手が選ばれていました。日本でも夏の代表候補合宿で新たな選手の招集がありそうですね。「選手層をさらに厚く」という言葉もありますが、5年前に比べたら本当に良い選手が増えました。良い選手をいかに国際レベルまで鍛えられるか、代表サイドに求められる役割であるとともに、所属チームの関係者とも上手く連携していけると良いですね。
長文になってしまいましたが、個人的に思うことをぼやいてみました。言うことは易しで、実際にやるのは大変難しいチャレンジです。選手の怪我などの不運もあるでしょう。ただ女子ラグビー全体が上手く回るような仕組みも浅見さんはじめ関係者の頑張りのおかげで、年々良くなっていると思います。大きな結果が出ると、周りの空気やサポートも変わるかもしれませんね。引き続き頑張りましょう。