釜石メモリアルマッチのはなし

9日から岩手県釜石市に行ってきました。10日に行われる釜石シーウェイブスとクボタスピアーズのW杯1周年記念試合が行われると決まった頃から、一度は釜石市を訪れてみたいと思い、今回は応援も兼ねて遂に実現することが出来ました。

JR釜石駅を出て目の前は新日鉄釜石の製鉄所「鉄と魚とラグビーの町 釜石へ」と迎えられました
釜石市がラグビーW杯開催都市の招致から実現するまでのストーリーはこちらの動画で

宿泊したホテルは港から数百mほどの距離でしたが、近くを散歩すると建物の壁に津波の到達点を示すものがありました。軽く頭の上、3m以上はありましたかね。それだけの津波が来たことを想像するのは難しかったです。会場の鵜住居復興スタジアムに向かう途中では仮説住宅を見たり、高い堤防を見たりするたびに、様々なことを思います。

会場の周りには食事のブースや海上自衛隊のブース、クボタのトラクターが展示されているブース、オーストラリアのブースなど様々なブースがありました。当日はマラソン大会も行われており、鵜住居復興スタジアムが多くの人が集まっていました。

クボタのトラクターを前に昨年のW杯にも出場し、今はクボタスピアーズに所属しているNZのライアン・クロッティ選手(左)と豪州のバーナード・フォーリー選手(右)が記念撮影をしていました
バックスタンドの脇には大きなモザイクアートが飾られていました

メモリアルマッチは序盤から強力FWがトライを重ねたクボタが大勝

両チーム入場時にはW杯さながらに大きな太鼓が用意されるなど素晴らしいオープニングでした

雨が心配される中、13:30にキックオフされたメモリアルマッチは開始早々に攻め込んだクボタがゴール前のラックサイドを攻め込んで先生のトライ。その後も相手の反則から敵陣深くでのラインアウトでモールを押し込んだり、G前のペナルティーから大外の選手にキックパスをしてインゴールに飛び込むなど、得点を重ねました。クボタは昨年日本一になった早稲田大学の10番岸岡選手など1年目、2年目の若手が多く出場しましたが、釜石相手に堂々とした戦いを見せていました。個々の動きの良さが印象的でしたね。釜石は厳しい戦いでしたが、後半に2トライを返すなどホームでの声援を受けて、奮闘しました。

赤いジャージを着た釜石は紺のクボタを相手に終始厳しい展開でしたが、チャレンジしていました

試合はYoutubeでライブ配信もされていたので、ここで観れます。また当日の記事もYahooで見つけましたので紹介します ⇒ 「釜石は特別な場所」W杯戦士のクボタ・ラブスカフニ感慨「ここで久しぶりにラグビーできてうれしい」

今回は本当に短い滞在になりました。天気も釜石市に来たときからずっと曇りで、当日も試合途中から雨が降ってきて、バタバタしてしまいました。もっと地元の店を訪ねて買い物したり、美味しいものを食べたりしたいですね。どうやらトップリーグも開催されるようなので、また機会があれば訪れたいと思います。今回は乗れなかったJR釜石線にも乗って、のんびり旅したいものですね。

ラグビー関係の書籍2冊の感想

もともと本を読むことは好きなほうですが、買って手元において満足してしまうところもよくあります(苦笑) そんな私が先日、購入した2冊ですがもともと興味があったお二人だったので、あっという間に読み終えることが出来ました!その前に前回のオンラインコーチングの話題の続きで動画を紹介しておきます。

オンラインコーチングをする上でのポイントを10分少しでまとめた動画、コーチ側がどこにフォーカスするべきか、質を高めるやり方を知るのは大事ですね。お時間あるときに是非!

強化委員長の藤井雄一郎さん、トレーナーの佐藤義人さんの本は面白い

2冊とも読みやすい、日本代表の話題も多いのであっという間に読み終えました!

まずは左側、エディーJAPANの2015年W杯のときに選手の治療を任されたアスレチックトレーナーの佐藤義人さんの著書です、Aamazonでのリンクはこちら。きっかけはそもそも時間つぶしに書店で見かけてぱらぱらと立ち読みしましたが、これは面白そうだと購入しました。佐藤さんは日テレのニュースZERO、毎日放送の情熱大陸にも出演していましたね。ニュースZEROでは嵐の櫻井君を治療して、動作を改善して、桜井君が驚愕した映像が話題になりましたし、この本を読んで情熱大陸の録画を見直しました。

内容はストレッチの本ですが、ストレッチの紹介のページはそんなに多くなく、佐藤トレーナーの経歴や怪我、治療に対する考えを伝えるといった内容です。信じられないような驚く内容もありますが治療が成功して当初の予定より劇的に早く復帰した選手がいるのですから、素晴らしいですよね。ゴッドハンド、マジックハンドといわれる所以がわかりますし、これを読んでトレーナーを志す人も多いんじゃないかなと。あと私はこの本を読んでから、足の指と体の後ろ側の筋肉にもっと意識するようになりました。

もちろんストレッチの紹介もしないとなので、代表的な「壁ペタ背中反らし」のやり方がわかる動画を紹介しますね。

藤井さんの著書は昨年のW杯で活躍した日本代表の裏話といった内容です

楽天ブックスのリンクはこちら。著者の藤井雄一郎さんはラグビー日本代表の強化委員長として、W杯での日本代表のベスト8進出の活躍を導いた一人です。また代表HCのジェイミーさんともサニックスの選手の頃からの仲で、ジェイミーさんも藤井さんを凄く頼りにしていたのが伝わってくる話ばかりの内容でした。故に面白いです。何かを達成した理由が明かされるような、明るい話題の裏側のストーリーにとても興味のある私です。著書の中でも、スタッフを更迭した話も書かれていたり、藤井さんが日本代表のためにどう行動してきたのかが書かれていますね。

そもそもはW杯が終了した後、ジェイミーとの契約更新について書かれたネット記事を読んで、面白かったのを覚えています。探してみたらありました⇒「(前編)ジョセフHC再契約の裏側」。もちろんそんな裏側話だけでなく、ラグビー日本代表が何を大切にチーム作りを進めたか。流行語大賞にもなった【ONE TEAM】という言葉についても、改めて学びました。世間では流行語のように使われていますが、日本代表がどういう思いを込めて【ONE TEAM】というキーワードを掲げたかは、もっと多くの方に知って欲しいですね。

最近はラグビーの著書を読んでいなかったので、楽しく読ませてもらいました。4,5年前はエディーさんに関する本や2015年のW杯での代表チームについて書かれた本がたくさん出版されていて、私の部屋の本棚にもいくつかあります。今回の2冊を読んで、自分のパフォーマンスのアップと、次回のW杯に向けての楽しみを増やしていこうと思います!

オンラインコーチングを考える

約1ヶ月ぶりのブログ更新になります。何回か更新しようかなというつもりが、明日にしようかと思って結局は更新せず・・・久しぶりに書き始めたら、ブログサイトの投稿フォーマットが更新されていて書き慣れず苦戦してます...今回は春からのコロナ禍で最近、多くの話題を集めるオンラインでのコーチングについてです。

代表カテゴリーでオンラインキャンプが実施されています

前回のブログでも女子日本代表のサクラフィフティーンもオンラインキャンプを話題にしていました。代表チームは延期されているW杯アジア予選に向けて、なかなか日本各地から選手を集めることができない状況。その中でFWとBKに分かれて4日間のキャンプを行いました。今後の更なる強化に繋げるために、スキルや戦術の理解力の向上の他にも様々な取り組みを行ったようで、参加した選手も久しぶりの再会を楽しみながら、課題に取り組んでいたようです。

そして先週末、高校生のTIDユースキャンプ(Bigman & Fastman Camp)が行われました。日本協会HPのレポートはこちら。今回は全国から選ばれた選手に加えて、自己推薦枠で18名の高校生が参加しています。オンラインも初の試みですが、スタッフもU20JAPANの水間さん、高校JAPANの品川さん、両監督もいて豪華なこと。レポートを読んでいてもそれぞれのコーチが選手の意識を劇的に変える取り組みにチャレンジし、それに選手が貪欲に取り組んでいるのが伝わりました。取材しているジャーナリストの方々の記事にも刺激と学びがたくさんあったようです。

2年前からB&Fキャンプを担当している野澤武史さんの「君達はすでに日本代表へのレールの上に乗っている」という言葉、読んでいる私もい少し興奮しました。選手も聞いてから明らかに気持ちのスイッチが変わったでしょう。コーチングスタッフも画面の前の選手に対して、どのような言葉を投げかけるか、ぶつけるか。実際に見えない選手に対してどう上手く声かけるか、きちんとした準備をして臨まないと出来ませんね。

Yahooにもこのキャンプについての記事があったので、紹介しますね。
「自己推薦枠?オンライン?日本ラグビーのユニークなタレント育成キャンプとは」

https://news.yahoo.co.jp/byline/taramasataka/20200827-00194781/

これからもオンラインのニーズが増えるのではないか

高校カテゴリーは年末の花園に向けて、各地で予選の日程が発表されています。先日、千葉県の予選日程が発表されましたが、無観客試合で行われるとか。保護者などチーム関係者には残念は発表ですが、この後の感染者数の減少によっては変更される可能性もありますね。女子も10月下旬に熊谷で行われている全国U18女子セブンズ大会が行われるかどうか検討中で9月に開催の有無が決まるそうです。最近は新規の感染者数が減る傾向が見られていますが、運営する側は直前まで調整が続くのは否めませんね。

その中でオンラインでコーチングを行う機会は続いていくと思います。それはグランドで指導するのとは違った機会で、行うコーチ側はかなり頭を悩ますと思います。それがコーチの成長を促す良い機会になるかもしれません。例えば動画を準備したり、解説に必要な図を用意したりすることで、頭の中を整理して、選手に明確に伝えられる可能性はあります。「ピンチをチャンスに」という言葉がありますが、選手・スタッフ共にこういう状況でこそ、どうするか工夫していくことが成長するチャンスになりますね。

オンラインでのコーチングのメリットもあるでしょう。先ほどの記事の中で、野澤武史さんも「今回は練習がなく『理解する』『明確にする』といった部分にフォーカスでき、インプットの質は従来より高かったかもしれません」と話していました。異なる環境の中でいかにメリットを見つけ、強みを生み出すかですね、今後もそういう柔軟な考えと行動を取れる人が求められていきそうですね。

まずは今の状況が少しずつ良くなり、試合が行われるようになり、観客が楽しくみれる試合が出来る、当たり前の日常に戻れるように願います。それぞれが感染防止に努めて、協力し合っていきましょう。

ドリブルデザイナーのYoutubeから足が速くなる動画を紹介

武漢肺炎の感染拡大防止のため、外出を控えて在宅する期間が続いていますね。週末、久しぶりに電車に乗りましたが、乗客は少なく。Youtubeにお世話になる時間が増えて、なんとなくロベルト・カルロスの凄まじいゴール集の動画を見て驚き笑いました。

そんな中でラグビー関係でも驚いたり、役に立つ動画を紹介しようと考えたときに、以前に話題になった「足が速くなる」的な動画を見てみようと。今回はドリブルデザイナーの岡部さんのチャンネルから見つけてみました!

【◯秒早くなる!?】足速くなりたい人必見!!ボルトと共に世界を見た男とドリブルを進化させてみた!!

ビーチフラッグスの和田賢一さんとのコラボ、和田さんの速さは最初の10秒でわかります

詳しくは動画を見てもらうとして、「走るっていう英語はrunningとsprintがあります」という発言が面白い。24分ありますが、まずは最初の3分を見て、興味が湧いたら続きを見て欲しいですね。あとは16:10過ぎの動きの説明「一瞬だけ力を入れる」からのスプリント動画。さすが、説明がとてもわかりやすい。レッスンは家の前とかで試してみるのもありですね。

【奇跡の無料動画】必ず◯秒速くなる爆発的加速トレーニングを大公開!!

ラグビーのユース代表が大変お世話になっている里大輔さん。ラグマガでも紹介された「勝ちポジション」「ABC」「ガオ」を改めてお勉強できます

そしてスピードコーチの里大輔さん、私も以前に受講したことがありますがまず講義の話が面白い。動画は43分超えですが5:20過ぎや22:30過ぎの手本の動画とか凄いですね。前の動画は走るスピードに特化していますが、この動画の勝ちポジションはラグビーでも大事なところです。昨年の夏の菅平のTID合宿(Bigマン&FastマンCamp)を見学させてもらったときでもランニングセッションをやっていました。

おまけで身体操作のプロ、中野崇さんとのトレーニング動画。方向転換を早くする胸椎の動きは部屋でも出来るので興味ある人は是非。
https://www.youtube.com/watch?v=OjboX8SEGE0
もう1つおまけで、ラグビー界の最速選手といえば米国セブンズ代表のCarlin Isles、トレーニング動画があったので載せておきますが、注目は1:50過ぎのジャンプですね

それにしてもこういった勉強になる動画がYoutubeにはたくさんあって、探して無料で見れるのは羨ましいですね。20年前、自分が高校時代にはこういうわかりやすい説明付きの動画は見る機会なかったです。在宅でストレスたまっている中高生、上手くなる、鍛える手段は探せば見つかるほど多いので、頑張れ!

まさかのトップリーグ中止

仕事が終わりそうな夕方にネットでニュースを見たら、今季のトップリーグは全て中止(5月の日本選手権は実施予定)という報道を見てびっくりしました。1ヵ月後は観れるかと期待していたのにまさか終了とは。
TL公式サイトの2020大会中止のお知らせはこちら

https://www.youtube.com/watch?v=fVo9nJ7GCo4
1ヶ月前に行われていたのが今期のトップリーグ最後になるとは。神戸製鋼は東芝に57-0と大勝。今年はパナソニックと共に力の差を見せ付ける試合を多く見せていただけに残念です。

理由としてはやはり新型コロナウイルスの感染拡大防止ですね。ラグビージャーナリストの村上晃一さんもブログに書かれていたので紹介します。

 ⇒「ラグビートップリーグ2020、中止決定に思うこと
(抜粋) 日本も緊張感を緩めれば、また感染が拡大する可能性がある。ラグビーより命だ。ラグビー界も心をひとつにして、他者を思いやり、それぞれが行動する必要がある。

https://www.youtube.com/watch?v=zoDSE5bT4YY
昨年のW杯後の大きな期待、盛り上がりの中でグランドで観戦できたのはクボタと日野の試合のみ。もっと面白い試合がこれから観れただけに残念。

先日、トップリーグはコンプライアンスの問題含め、再開の見通しがはっきりしないためにトレーニング含めてチームとしての活動を休止しているチームが多いと知り合いから聞きました。こういう困難な時でこそ、スポーツの力を、ラグビーが持つ強さ、逞しさ、思いやりなどをグランドでファンに見せて欲しいと期待していました。それだけに残念、無念。

先週末には日本協会のHPのニュースでも世界各地で感染が拡大している影響を受けて、女子W杯予選の延期(アジアの開催時期は未定)、男子のU20の世界大会JWCの開催中止などの発表がありました。前回のブログでも書きましたが、JWCは今年イタリア開催だったので、予想通りといったところです。4月になってもこの自粛ムードは続きそうですが、学生のシーズンも始まっていますし、まずは国内での感染拡大を起こさないことですかね。

女子ラグビーのトップリーグ、太陽生命WSSの開催はどうなるか

この状況で気になるのは5月から始まる予定の太陽生命WSSですね。おそらく初戦から1ヶ月前、4月頭には何かしら発表があるのではと思います。こんな厳しい状況だからこそ自粛せず、女子ラグビーから盛り上げよう、という言い方は良くないと思いますが、少しでも盛り上げるきっかけ、良い発信が出来たらなと思います。東京五輪の開幕まであと4ヶ月ですが、延期になる可能性が日に日に増していますしね・・・協会HPの発表では4月頭の熊谷の合宿は中止になっていました

海外の試合を検索したところ、2週間ほど前にオーストラリアで行われているスーパーラグビーの国内女子リーグ「SUPER W」、レッズとワラタスの試合は最後まで大接戦でした。

先日、知り合いの女子選手と色々語り合う機会があり、オーストラリアで行われている「SUPER W」の話題についても聞いてみました。Youtubeでハイライトを見ているようで、レベル的にはワラタスが抜けているそうです。それ以外のチームはそんなに強くない、代表レベルのチームであれば十分に勝てるレベルだとか。なるほど、フルで試合は観れていませんが、確かにその通りかもとは感じました。

サクラフィフティーンは昨年11月にヨーロッパ遠征に行きましたが、個人的には南半球、例えばNZで州代表と中3日、4日で2週間少しの遠征で4試合戦うとか言うのが出来たら良いと感じています(実際の調整はかなり無理でしょうが・・・)。もしくは北米遠征で、カナダやアメリカのパワフルな女子相手に同様のスケジュールで試合ですね。W杯の日程に合わせた遠征も可能性としてはありかなと。アジア予選の日程が決まらない中で出来る事は限られます。セブンズのシーズンと重なる中、選手は調整も難しそうですね。

ラグビーだけでなく、日本のスポーツ界全体が1ヶ月前には想像もしていなかった厳しい状況です。先が見えない今でどれだけ踏ん張れるか。頑張ろう日本!