明日は太陽生命WSS入替戦、セブンズいろいろ

8月もお盆休みの時期が近づき、明日は山の日という祝日です。山の日がそもそも最近できた祝日でいまだに馴染みがないのと、この時期だっけという違和感はありますが、そんな祝日を利用して太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ(WSS)入替戦が行われます。日本協会HPのお知らせは、こちら

会場は静岡県のエコパスタジアム。関東と関西の間にあるからか、3月の大会のように入替戦はエコパで、という雰囲気。昨年は太陽生命WSSの会場にもなりましたが、2019年のワールドカップでも使われた素晴らしいスタジアムでプレーできるのは、女子ラグビー選手にとって素晴らしいことですね。今年のシリーズの下位5チームと入替戦出場に応募があった4チームを加えた9チームで争い、優勝したチームが来年度のシリーズにコアチームとして昇格します。各チームの大会登録メンバーも発表されました。

縦の列の3チームが同じ予選プールになり、11日に戦います

登録メンバーを見ると、先日のスペイン遠征で活躍したサクラ15メンバーも満を持して入っていますね。8月の暑い時期ですが、明日は初戦が14時から、そして12日のトーナメント戦が9時から行われ、決勝は16:14からと長い1日ですね。私もトーナメント戦は現地観戦の予定です。優勝予想は難しいですが、入替戦で勝ち上がるために大事なのは自分たちの戦略・戦術・スタイルをどれだけ貫けるか、というのが過去に経験したことのある自分が思うことです。ミスが生まれた時に周りがカバーできるか、周りが良い雰囲気を作れるか、リザーブのメンバーから声が出ているか、そういったところを見て、良いチームだなと思えるチームには勝ち運が転がり込んでくると思います。そういうチームはプレーする選手も気持ちよくプレーして、チャンスに活躍するんです。

圧倒的な優勝候補のチームはない中、トライゲッターのいるチームや、ゲームの流れを掴む、引き寄せる選手の活躍が大切なので、その点から観ればサクラ15の選手には注目。サクラ15の司令塔大塚選手が入ったRKUグレース、若くて伸び盛りの安尾選手、安藤選手が加わったBRAVE LOUVE、代表の中ではベテラン風な小林選手、津久井選手、それに日体大OB選手を中心に復帰組もいる横河武蔵野Artemi-StarsのTOP3が大会の中心になるかと思います。予選プールで余裕を持って戦い、トーナメント戦で試合ごとに調子を上げれるチームが優勝するかと。昇格の1枠を争う緊張感を楽しめるような、そんな戦いに注目したいです。

入替戦以外でも様々なカテゴリーでセブンズが行われています

先月は菅平で全国高校セブンズが行われ、佐賀工業が初優勝。日本一を目指した母校の茗溪学園は準決勝で佐賀工業に惜敗し、3位でした。この試合はLIVEで観れましたが、前半リードして折り返すも全体的にはアタックの機会をあまり作れず、DFでも反則を取られる場面が目立って、勝利への流れを掴めませんでした。ほかの試合映像は今だチェックできておらず・・・

そして男子セブンズ代表は東京北区のナショナルトレーニングセンター(NTC)で合宿を行っています。日本協会HPの合宿レポートは、こちら。NTCの隣のJISSは私の数年前の職場でしたので、レポートの写真を見ると懐かしくなります。男子は中国で行われるアジア大会でのインメダル、そしてアジアセブンズシリーズを経て11月に北九州で行われるパリ五輪予選での優勝がターゲットでしょうか。最近は良い結果が出ていない中で、どうなるか。

そして女子セブンズ代表、サクラセブンズの候補選手はカナダに遠征して、8日に帰国していいますね。日本協会HPの合宿レポートは、こちら。現地では週末にワールドシリーズでも戦い近い実力のカナダ、強豪のオーストラリア、そして同じアジアの香港の代表チームと練習試合を戦っています。今回の合宿で新たに加わった選手、復帰した選手のトライアルも行われたでしょう。男子と同じく、アジア大会、パリ五輪予選に向けて新しい選手が加わることがチームにとっての刺激にもなりますし、次の合宿メンバーが楽しみですね。

そして来月開幕するフランスラグビーW杯の関連イベントとして、U15の女子セブンズチームが現地で行われる国際トーナメント大会に参加します。日本協会HPのお知らせはこちら、公募から選ばれた選手が8月30日に日本を出発し、トーナメントや交流プログラムなどに参加して、来月10日に帰国します。代表には様々なカテゴリーがありますが、U15の日本チームというのは男女通じて初めてではないでしょうか。試合の結果はそんなに気にせずにこの国際経験を将来の日本代表、サクラ入りに繋げてくれると期待しましょう。

国内最終戦でフィジーに負け、後半の戦いは良かった

先週は花園ラグビー場でトンガに勝利した日本代表、今日は秩父宮ラグビー場でフィジーと対戦し、12-35で敗れました。選手入場時のフィジーの赤と黒のスタイルには驚かされました。来月に開幕するフランスW杯を前に国内での最終戦でしたが、前半の早い時間帯でラピース選手が危険なタックルでTMO判定の結果、レッドカードで退場。試合の残り70分以上を1人少ない14人で戦う状況になり、前半は終始プレッシャーを受けている印象で、日本の良いところを探すのが大変なくらい、フィジーの仕上がりが良かった。特に接点では激しくファイトして、日本はいい形で前に出れなかったですね。日本0-21フィジーというスコア通り、日本は得点チャンスが作れずでした。

そんな苦しい状況で迎えた後半に日本は一気にフロントローとSHの4人が交代、そこからゲームの流れが一気に変わりました。開始からSH流選手が積極的にボールを捌いて、自陣からもアタックを仕掛けます。1人少ない中でFWの選手を当ててラックにすると、流選手が素早く捌いて、BKは外のスペースに動かしてマシレワ、ナイカブラの両WTBが走る場面が増えました。その中で松島、長田がそれぞれ個人技でいいランニングを見せます。課題だったスクラムも後半は修正し、クイックで安定した球出しが出来て、日本の良いプレーが増えました。

今日一番会場が盛り上がったのはこの長田選手が抜け出した場面では

後半のフィジーは日本のミスを一気にトライに結び付けますがTMO判定の結果、ノートライになる場面もありました。終盤には疲れも見えてくると満員の観客の声援を受ける日本が2トライを奪って追い上げ、後半だけでいえば日本12-14フィジーと、トライ数は2本ずつでした。前半を見る限り、大差がつく可能性もありましたが、ハーフタイムに修正して後半は非常に良かったと思います。それでもフィジーの強さを感じさせる試合でしたし、ラピース選手の退場がなくても厳しい戦いにはなったと思います。

https://twitter.com/jsports_rugby/status/1687807692801269760

W杯に向けて勝利という結果は得られませんでしたし、仕上がるにはまだ時間がかかるとも感じました。ここから15日の大会登録メンバー発表、国外でのイタリアとのテストマッチが予定されています。W杯本大会に向けて、ここから一気に仕上げて、2019年の時のように素晴らしい試合を見せてくれるのを期待します。

土曜はサモアに惜敗、日曜はカレッジセブンズで日体大が2連覇

先週末は地上波(日テレ)で日本代表とサモア代表の試合が放送されたので、フルで観ました。立ち上がりは良くて先制トライも奪いましたが、スクラムでうまく対応できずに、押されたり、反則を取られたりでサモアのペースに。そして前半30分過ぎのTMO判定によるリーチ選手の退場が痛かったですね。最後は逆転を狙って敵陣で攻めるも反則があって、22-24とサモア代表が勝利。コロナ禍が過ぎ去ってから強豪国との試合も増えましたが、なかなか日本代表の勝利が見れないのは本当に悔しいところです。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1682658604208504833
https://www.youtube.com/watch?v=NZJPwUbo_f0

試合直後から色々な記事が出ていて、選手スタッフのコメントもありましたし、昨日のNHKサンデースポーツでも元プロ野球選手の内川さんが五郎丸歩さんと一緒に観戦している様子が放送されていました。山中選手のロングキックに驚いていましたね。山中選手は相手のキックへの対応もしっかりしていて、本当に安定したプレーが良かったと感じました。キックチャージからトライを与えた場面もありましたが、あれはラック横のFWの選手がブロックできるポジショニングをしていなかったのもあります。この場面もですが、後半の日本はPGでリード直後にミスが出てあっさりサモアに逆転されたのはよろしくなかったですね。結果的に決勝点になったサモアの3トライ目も、PGを決めた後のキックオフレシーブでノッコンして、スクラムを与えてしまったところからでした。

W杯で戦うサモア相手にホームで負けるという結果は残念ですが、試合時間の半分以上を14人で戦うというのは貴重な経験だったと思います。良くなかったところはスクラムの対応の遅れだったり、反則の多さだったり、はっきりしているので、次に控えるトンガ、フィジーとのテストマッチに向けて、良くしていけばと思います。そして後輩のSH福田健太選手もテストマッチメンバーに選ばれるべく奮闘していると思います。JAPANのジャージを着た姿が見たい。頑張れ、応援しているぞ、福田!

立正大学で行われた学生7s大会、日体大がフェニックスに勝利して連覇達成

太陽生命WSSで活躍した松田選手などがSDSに選ばれていなくても強さは健在でした

日本協会HPにある大会情報のリンクは、こちら。来月に行われる太陽生命WSS入替戦2023に出場するチームも多く参加していますね。その中でコアチーム残留を決めたチームを上回る3位に入ったBRAVE LOUVEはサクラ15のスペイン遠征に参加した安藤選手、安尾選手が戻ってきて、調子を上げてきたようですね。試合映像は見れていませんが、Twitterでの速報を見たりすると、後半に大逆転する試合が目立ちました。決勝に進出した日体大もフェニックスも準決勝では、前半にリードを許すも後半にトライを重ねて逆転勝利という展開でした。

太陽生命WSSでは外国人選手が勝負を決めるような活躍を見せる場面が多い中で、学生というカテゴリーチーム間の実力差は少ないのかもしれませんね。その中で日体大はどの試合も相手を2トライ以下に抑えるなど、粘り強いDFが強みだったのかもしれません。そんな日体大の背景が、ラグビー部部長の松瀬さんのブログにも書かれているのでぜひ。改めて連覇を達成した日本体育大学の皆様、おめでとうございます!近いうちにRUGBY JAPAN 365の方でも大会レポートが上がると思うので、楽しみにします。

U20日本代表は3連覇を目指すフランスに大敗

昨日の夜はYoutubeでLIVE中継されていたU20チャンピオンシップの日本とフランスの試合を観ていました。このU20チャンピオンシップという世界大会は4年に1度開催のW杯の次に位置づけされている大会で、サッカーでいえばU23代表が参加するオリンピックのような位置づけでしょうか。ここ3年はコロナ禍で開催が中止されていましたが毎年開催されるため、強豪国でもユース世代の強化はかなり力を入れていると思われます。フランスは2018年大会、2019年大会を連覇するなど、今年フランスで開催されるW杯に向けて、ユース世代の強化を進めていて、今年の大会でも優勝候補ではないでしょうか。

そんなフランスを相手に、2019年にワールドラグビーU20トロフィーという下部大会で優勝して今回昇格したU20日本代表は開始10分で3連続トライを奪われるなど、力の差を見せつけられるような試合で12-75と大敗。ラグビーリパブリックの記事はこちら
「U20世界選手権で日本は黒星発進 前王者フランスに75失点大敗」

試合前のU20JAPAN、この世代はコロナ禍で海外遠征もできない世代でした

私はWorld RugbyのYoutubeチャンネルでのLIVE中継で見ていましたが、チャット欄は日本のファンのコメントが多かったですね。その中にはネガティブというか、非難的な見方で、嫌な気持ちになるようなコメントも出てきますよね、正直なところ(苦笑) 個人的には「トンガ人留学生が~」とか「帝京だったら~」とか、試合と関係ないことコメントするなと。あとは「やっぱりプロと大学生の対決だから力の差はあるよね」みたいな、わかりきった感出してくるもの。

はっきり言って、プレー環境から生じる力の差は試合を観ていて感じます。フランスの選手は日本のDFを突破して前に出ると捕まっても余裕をもってオフロードで繋ぐ場面も多くありました。日本代表は懸命にファイトするもフィジカルでは劣勢、大きく強く速いフランス選手とのバトルは厳しいもので、スコア通りの力の差を感じました。

https://twitter.com/WorldRugby/status/1672607606093799424
後半のフランスの1トライ場面、自陣から抜け出すと一気に走り切りました

U20日本代表が奪ったトライは前後半共に1つずつ。ともに起点はG前ラインアウトからでした。中盤からアタックを仕掛ける場面もありましたが、フランスのDFを突破する場面は少なく、G前から自陣まで戻される場面もありました。それでも全員で声を掛け合って、必死に我慢強くプレーできていたと思います。試合直後のインタビューで大町キャプテンが話した「僕らのラグビーは最後まで諦めない、タフな精神を持ち続けるのが持ち味。結果として負けてしまったが、あと4試合ある。そこへ向けてしっかり準備していきたい」という言葉を信じて、応援します。この後戦うウェールズ、ニュージーランドも1点差の接戦で、厳しい戦いになると思います。

他の予選プールの試合スコアはこちら
写真はJRFUのFacebookから、試合後のハドルでしょうか。勝って笑う姿が見たい

次は中4日で29日にウェールズとの試合です。どうしてもフィジカルで劣勢になるとは思いますが、その中で攻守にどういったプレーを見せるのか。チームの成長も楽しみにしたいと思います。頑張れJAPAN。

明日12日からワールドセブンズシリーズフランス大会

前回のブログ更新からしばらく空きました。GWの大型連休は金沢を旅行したり、実家に帰省して5日は母校で行われた小学生ラグビー大会、茗溪カップのお手伝いに行ってきました。茨城県内外の16チームの高学年が集まっての大会、天気も良く、私もレフリーをカップ戦の3位決定戦含めて4試合担当、楽しく過ごしました(ラグビーボールを触ったのが1年半ぶりかも)。

フランス大会の組合せ、男女ともに予選で勝利し8強入りを目指します

男女の予選プール組合せ、女子はイギリス、フィジー、スペイン、男子はサモア、オーストラリア、アイルランドと。

女子はこのトゥールーズ大会がシリーズ最終戦、現在総合9位の日本は10位のスペインとは4P差、11位のブラジルとは13P差です。予選プールでスペインに勝利し、8強進出を果たして欲しいですね。大会公式サイトのスケジュールはこちら、日本の初戦は明日夕方5:22からイギリスと、10:30からフィジーとです(LIVEでは見れないな、残念)。男子は明日7:23からオーストラリア戦、この試合が男子の開幕戦になります。同じく公式サイトのスケジュールはこちら。そのあと深夜0:26からサモア戦になります。降格濃厚な状況の中で8強入りを果たすには、初日の強豪との2試合、どちらかに勝利しないといけません。厳しい戦いになるとは思いますが、良い戦いを期待しています。

サクラセブンズのフランス遠征レポートはこちら、現地ではライバルであるカナダとの合同練習も行っています。今回の遠征メンバーには前回から中村選手が復帰、そして大竹選手が久しぶりの遠征メンバー入りしています。大竹選手は昨年の太陽生命WSSでも活躍しましたが、そのあと怪我などもあって、久しぶりのワールドセブンズシリーズではないでしょうか。ダイナミックなランはサクラセブンズの切り札になるかもしれませんし、原選手、水谷選手らフェニックスコンビでの活躍を期待しています。他のメンバーを見ても、去年から入替戦、W杯、そしてワールドセブンズシリーズを戦い抜いてきたメンバーばかりで、大きな怪我の離脱などなく、良いコンディションで調整してきたと思います。初日の2試合、特にフィジーとは大差がついてしまう試合が続いていると思うので、ここで良いアタックを見せることで良い雰囲気になると思います。頑張れサクラセブンズ!

サクラフィフティーンも明日12日から合宿、そして来週から海外遠征

そして女子15人制強化・TID合同合宿も始まります。協会HPの発表は、こちら。このFWタイトファイブを中心とした合宿は何回か行われてきました。そして17日からはカザフスタンに遠征するそうです。Asia RugbyのHPにあるカレンダーをチェックしたところ、アジアラグビー女子チャンピオンシップ(ARWC)は23日に日本VS中国、香港VSカザフスタンが行われ、28日にFinalが行われるそうです(日本協会はなぜ発表していないんだろう)。この2試合が秋の新たな国際大会のカテゴリーを決めるのでしっかり勝ってもらいましょう。またAsia Rugbyの別記事ですが、秋の国際大会でアジア1位が入るであろうDivision2は、南アフリカケープタウンで10月に3試合行われるようです。色々調べると、情報がUpdateされていますね。

来週末から太陽生命WSSも熊谷から開幕しますが、まずは日本代表の応援をしていきましょう。頑張れ日本、頑張れサクラ!