関東高校女子練習会のお手伝い

先週末、7日と8日に麗澤ラグビー場で関東高校女子の15人制の練習会が行われたので、お手伝いに行ってきました。高校生は事前健康チェックシートの提出を行い、研修寮に宿泊して2日間参加する選手、通いで1日のみ参加する選手がいました。新潟の開志国際は7日に埼玉に前泊して、8日に参加しました。移動時間は合わせて6時間半くらいだったとか・・・それくらい、15人制の試合をする機会は高校女子にとっては貴重なんですね。

そんな中で初日は女子日本代表のレスリーHC、二渡アシスタントコーチが視察に来ていました。レスリーHCから選手に直接お話しする機会もあり、選手はモチベーションが高まる良い機会だったと思います。レスリーHCは翌日に別の視察があり移動しましたが、二渡アシスタントコーチは2日目の試合も見学していました。

2日目の終わりに女子日本代表の二渡アシスタントコーチからコメントを頂きました

今回の練習会には同じ千葉県の国際武道大学女子ラグビー部の選手、スタッフもサポートで参加していて、高校生にはFWはスクラム、BKはキックなどスキルを中心とした練習と、合同でチームを組んでの試合形式が行われました。また2日目の試合形式の終了後には先生方スタッフが参加メンバーから優秀選手としてベスト15を選びました。

高校女子の課題はフロントローの人数、FWを集めた合宿などの機会を

2日目の試合形式には50数名の高校生が参加し、足りないポジションは国際武道大学の学生に入って貰いました。チーム編成を組む上でFWの人数、特にフロントローの選手が足りなかったです。どうしてもセブンズ中心になりがちな女子ラグビー、15人制の公式戦は夏のコベルコカップ、花園初日の東西対抗戦くらいしかありません。国内で15人制の単独チームを作れるのは島根県の石見智翠館くらいでしょう。

だからこそこうして高校女子を集めて練習する機会を少しでも多く作って欲しいなと願いますし、男子のように高校女子の日本代表を編成するようになれば、選手にとっても非常に良いかなと思います。この練習会は今月もう1回行われるそうなので、今回は不参加だった國學院栃木や関東学院六浦の選手なども参加してくれたら、よりレベルの高いプレーが見られると思います。

最後に熊谷ではサクラセブンズの候補合宿が行われていました、HPのレポートはこちら。女子の日本代表は15人制も含めてセレクションマッチを国内で開催して、ファンにプレーを見せる機会があればなと思います。それこそ熊谷で7人制、15人制共に紅白戦とか出来れば面白いですね。

NZではBlackFerns選出を目指してのトライアルマッチが行われました

先週末の全国U18女子セブンズまとめ

あっという間に10月も終わりに近づき、すっかり秋になりました。インフルエンザやコロナに感染しないよう、身体を冷やさないように防寒やうがい手洗いに注意しないとですね。

今年唯一の高校女子の全国大会、制したのは京都成章でした

2日間の大会は無観客で行われ、日本協会側がYoutubeでLIVE中継してくれました。日本協会主催の全国大会は2月に決勝が行われた全国女子ラグビー選手権以来でしょうか。選手、関係者の感染防止に努めた大会だったかなと思います。その中で全国から予選を勝ち抜いた12チームが集まり、優勝したのは京都成章でした。(東京中日スポーツ)「京都成章が3年でスピード優勝」

関東学院六浦と京都成章の決勝戦は3:57:00過ぎからです

カップ戦準決勝はどちらも接戦、強豪以外でも全体的にレベルの高さを感じました

女子ラグビーの取材でお世話人っている大友さんがRUGBY JAPAN 365のWebマガジンで記事をアップしています。

大会ギャラリーとトライ・得点ランキング

大会ドリームセブンとベストトライ、タックル(ドリーム7は有料記事)

私も大会の試合は数えるほどしか見れていませんが、それでもカップ戦に進出した石見智翠館、國學院栃木、京都成章、関東学院六浦以外のチームでも良いプレーがたくさん見られました。例えばボウル戦で優勝した北信越選抜、予選では福岡レディースと関東学院六浦と同じ厳しいプール戦でしたが、どの試合でもトライを奪うアタックを見せました。石川県で指導する金島さんのブログを紹介します「結果報告【第3回全国U18女子セブンズラグビーフットボール大会】

予選の動画では1:58:50過ぎ、PEARLSの選手が京都成章との試合で見せたタックルが印象的

それ以外でもトップチームが太陽生命女子セブンズで活躍している追手門学院やPEARLSもやはりパスやタックルなど全体のスキルが高い印象を受けました。トップチームと一緒に練習出来ているかはわかりませんが、上の世代のプレーを見て真似ることが出来る環境があれば、今後はさらに強化が進むと思うので楽しみです。

また女子セブンズ大会を終えて、活躍した選手を選抜したであろう女子セブンズユースアカデミーが11月1日にオンラインで行われます協会HPの記事はこちら。アカデミー生に加えて、候補生も多く選ばれていますが、身長170cmがある子もいて楽しみです。15人制の大会がない今年度ですが、若い世代を見つけ、育て、鍛えて、より多くの選手が日本代表に育つよう、継続してフォローしていきたいですね。

実はまだ3位決定戦や決勝戦を見れていないのですが、この大会が保護者も入れない、無観客だったのがやはり残念ですね。今の時点では観客数の制限をかけながら、LIVE中継も行うのが理想かもしれません。早くコロナが収束して、当たり前に観戦できる日が来て欲しいですね。

オンラインコーチングを考える

約1ヶ月ぶりのブログ更新になります。何回か更新しようかなというつもりが、明日にしようかと思って結局は更新せず・・・久しぶりに書き始めたら、ブログサイトの投稿フォーマットが更新されていて書き慣れず苦戦してます...今回は春からのコロナ禍で最近、多くの話題を集めるオンラインでのコーチングについてです。

代表カテゴリーでオンラインキャンプが実施されています

前回のブログでも女子日本代表のサクラフィフティーンもオンラインキャンプを話題にしていました。代表チームは延期されているW杯アジア予選に向けて、なかなか日本各地から選手を集めることができない状況。その中でFWとBKに分かれて4日間のキャンプを行いました。今後の更なる強化に繋げるために、スキルや戦術の理解力の向上の他にも様々な取り組みを行ったようで、参加した選手も久しぶりの再会を楽しみながら、課題に取り組んでいたようです。

そして先週末、高校生のTIDユースキャンプ(Bigman & Fastman Camp)が行われました。日本協会HPのレポートはこちら。今回は全国から選ばれた選手に加えて、自己推薦枠で18名の高校生が参加しています。オンラインも初の試みですが、スタッフもU20JAPANの水間さん、高校JAPANの品川さん、両監督もいて豪華なこと。レポートを読んでいてもそれぞれのコーチが選手の意識を劇的に変える取り組みにチャレンジし、それに選手が貪欲に取り組んでいるのが伝わりました。取材しているジャーナリストの方々の記事にも刺激と学びがたくさんあったようです。

2年前からB&Fキャンプを担当している野澤武史さんの「君達はすでに日本代表へのレールの上に乗っている」という言葉、読んでいる私もい少し興奮しました。選手も聞いてから明らかに気持ちのスイッチが変わったでしょう。コーチングスタッフも画面の前の選手に対して、どのような言葉を投げかけるか、ぶつけるか。実際に見えない選手に対してどう上手く声かけるか、きちんとした準備をして臨まないと出来ませんね。

Yahooにもこのキャンプについての記事があったので、紹介しますね。
「自己推薦枠?オンライン?日本ラグビーのユニークなタレント育成キャンプとは」

https://news.yahoo.co.jp/byline/taramasataka/20200827-00194781/

これからもオンラインのニーズが増えるのではないか

高校カテゴリーは年末の花園に向けて、各地で予選の日程が発表されています。先日、千葉県の予選日程が発表されましたが、無観客試合で行われるとか。保護者などチーム関係者には残念は発表ですが、この後の感染者数の減少によっては変更される可能性もありますね。女子も10月下旬に熊谷で行われている全国U18女子セブンズ大会が行われるかどうか検討中で9月に開催の有無が決まるそうです。最近は新規の感染者数が減る傾向が見られていますが、運営する側は直前まで調整が続くのは否めませんね。

その中でオンラインでコーチングを行う機会は続いていくと思います。それはグランドで指導するのとは違った機会で、行うコーチ側はかなり頭を悩ますと思います。それがコーチの成長を促す良い機会になるかもしれません。例えば動画を準備したり、解説に必要な図を用意したりすることで、頭の中を整理して、選手に明確に伝えられる可能性はあります。「ピンチをチャンスに」という言葉がありますが、選手・スタッフ共にこういう状況でこそ、どうするか工夫していくことが成長するチャンスになりますね。

オンラインでのコーチングのメリットもあるでしょう。先ほどの記事の中で、野澤武史さんも「今回は練習がなく『理解する』『明確にする』といった部分にフォーカスでき、インプットの質は従来より高かったかもしれません」と話していました。異なる環境の中でいかにメリットを見つけ、強みを生み出すかですね、今後もそういう柔軟な考えと行動を取れる人が求められていきそうですね。

まずは今の状況が少しずつ良くなり、試合が行われるようになり、観客が楽しくみれる試合が出来る、当たり前の日常に戻れるように願います。それぞれが感染防止に努めて、協力し合っていきましょう。

サクラ15活動再開と茗溪VS天理を見直してみた

前回のブログから3週間近く経ちました。新型コロナの拡大が続いてなかなか収まる様子が見えないなか、年末の全国ジュニア選抜大会の中止が決定昨年はセレクターを務める機会があり、非常に残念ですが、各地域での予選大会を考えると仕方ないとしか言えないですね。後輩たちも秋の東日本大会が行われるかはっきりしないみたいですし、中学生が活躍できる機会があればと願います。

サクラ15は27日からFWメンバーがオンラインキャンプを実施

そんな中で良いニュースは、女子日本代表サクラフィフティーンが延期になっているアジア予選の開催時期が未だ決まらない中で、活動を再開しました。オンラインキャンプのレポートも素早く更新されています

こういうやり方があるのか、と正直驚いています。Yahooでも記事がいくつかありますが、レスリーHCと南キャプテンのポジティブなコメントも良いですね。久しぶりの再開と共にオンラインでも充実しているようです。

ラグビー女子15人制日本代表候補の“リモート”合宿がスタート 南早紀主将「顔を見ながらできてうれしい」

香港、カザフスタンとのW杯アジア予選がはっきり決まらない中で、チームとしてこういう活動が出来るのは強みですね。この時期で頭も身体もとことん鍛えることで強豪国との差を縮めて欲しいと期待しています。サクラセブンズも来月辺りから活動再開ですかね。頑張れ女子ラグビー!!

平成になる直前、大先輩の伝説的な試合をフルで見れることに感謝

先週末にYoutubeにアップされた花園名勝負列伝、想像していたのとは違った試合でした

Youtubeにここ10年以内の花園の名勝負がありましたが、先週末に昭和の頃も含めた過去の名勝負の試合映像がアップされました。本当にありがたいですね。連休中の夜に大学の試合含めて、色々見てたらあっという間に時が過ぎていました。今回、あの3人飛ばしパスで有名な茗溪学園と天理の試合を初めてフルで見ました。

この時、両校優勝した3年生の代は、私より13こ上の学年。中高の頃はひどい雨でグランド練習を止めて、過去の名トライを集めた「トライ・トライ・トライ」というビデオを見た記憶があります。先輩方の名トライを見て、茗溪らしい展開ラグビーを学んだのもありますね。

https://youtu.be/nYueLoJ8_g0?t=1968
探してみたら見つけたので紹介、花園のトライ集は30分過ぎ辺りからです

天理との試合は華麗なアタックより、我慢のDFばかりの激戦でした

実際に見てみると前半開始早々に伝説の3人飛ばしパスから先制トライ、その後も自陣からSH深津さん、SO赤羽さんらを起点に天理DFを切り裂くように抜く展開、そしてまさかの敵陣10mライン付近からDGで追加点、と驚きばかりでした。

しかし怒涛のアタックはそれから見る機会はほとんどなく、試合終了近くまでは自陣で粘り強く守る時間ばかりでした。天理はエリア中盤からは大外のWTBやG前へのパントキックを多用し、茗溪のBK3はキックを追いかけては外に出して、ラインアウトになる映像が続きました。スクラムでは時折押し込みますが、ラインアウトは天理優勢でした。2人並んでのショートラインアウトからSHへの素早いトスは、今でも通用するスキルだと思いました。30年少し前のラグビーはスクラム、ラインアウトはじめ今とは違う部分がありますが、見ていて本当に手の汗握るような展開がずっと続きます。

後半途中、11-9とリードする中で天理が逆転の正面PGを狙う場面があるとは知らず。難しくはない位置でしたが、ボールはポストから逸れました。茗溪はFWのメンバーが本当に良く走っていました。FLの2名のタックルは凄かったですね。ピンチの場面を何とか粘り強く守り抜いたことで、試合終盤にはようやく敵陣に攻め込み、追加点は取れませんでしたが、逃げ切って勝利しました!

細かいことを書こうとすると、色々あるのですが、思っていたよりも長分になったので割愛。ただ以前に思っていた華麗な試合では決してなく泥臭いDFで何とか勝利した試合だったと気づきました(この天理戦の前はAシードの新田高校と戦っています)。そんなレジェンドの先輩方と今では3月のOB交流戦などで一緒にプレーする機会があったり、仕事帰りに飲む機会があったり、本当に貴重ですね。

今年は我慢の夏ですが、早く以前のようにグランドでラグビー観戦できる日が戻りますように。

横浜市女子セブンズ2日目を観戦

先週末の三連休はラグビーばかりの3日間

土曜は大学ラグビーの決勝が新国立で行われ、前評判を覆して早稲田大学が明治大学を破り優勝。日曜はトップリーグが各地で開幕。そしてその3日間、横浜の三ツ沢では横浜市女子セブンズが行われていて、私は最終日に応援に行ってきました。

https://www.youtube.com/watch?v=HmQNC4eFidc
決勝のハイライト、試合はLIVEで見れなかったのですが、前半終了時のスコアに驚きました。早稲田あっぱれ。
https://www.youtube.com/watch?v=NB4i0V8VjvQ
トップリーグ開幕戦、私が応援しているクボタスピアーズはパナソニックワイルドナイツに11-34で負けてしまいました。1:00過ぎの福岡選手の独走トライはあっぱれ。

横浜市女子セブンズ、高校の部は関東六浦が初優勝

閉会式後の記念写真、せんしさんのTwitterから拝借しました

今年の高校の部は全部で19チームが参加、今年は大阪のCrazy Girls Rugby Clubや京都の京都成章が参加するなど、新人戦の全国交流大会みたいな位置づけでしょうか。チーム数が増えて、カップ戦を勝ちあがれなかったそれぞれのチームの試合数は少なかったかもしれませんが、他の地域のチームの試合を見て、刺激を受けたチームも多かったと思います。

その中で今大会は関東学院六浦が優勝、決勝では同じ関東のライバル國學院栃木を相手に24-5で快勝しました。12日の予選ではARUKAS U18と山梨SHINESの合同チームを相手に60-5、カップトーナメントの初戦はCrazy Girlsに61-0とそれぞれ大勝、準決勝では石見智翠館C(卒業を控えた高校3年生)に14-5で勝利し、昨年秋に敗れた先輩のリベンジを果たすなど、強さを印象付けたような戦いでした。今年も昨年同様、粘り強いDFとハードなタックルを持ったチームになりそうですね。

準優勝した國學院栃木は準決勝で昨年優勝した福岡レディースに24-19で勝利、後半に追い上げると最後は昨年9月の全国U18セブンズ関東予選でも活躍した高橋選手が走りきって勝ち越しトライを奪っていました。今年の関東の高校女子もこの2チームが強豪ですね、これにBrave Louveや千葉ペガサスがどれだけくらいつけるかといったところです。

それ以外のチームでも、接点で上手にボールを繋いで攻め続ける福岡レディースを始め、石見智翠館、京都成章も敗れはしましたが、良いラグビーを見せていました。そういう結果から考えると、クラブチームから単独の高校チームの強化がより進んでいるのかもしれません。普段から部活動で一緒に練習できる機会が多いというのはやはりアドバンテージですね。今年のコベルコカップなどで高校女子がどういう戦い、スキル、フィジカルを見せてくれるのか非常に楽しみです。

関東学院六浦の監督、梅原先生のきれいな胴上げ。写真はせんしさんのTwitterから拝借。

代表はセブンズ、15人制ともに強化合宿が早速始まっています

最後に女子日本代表ですが、セブンズは5日からグアムで合宿、15人制は今日14日から土曜まで朝霞駐屯地で合宿を行っています。協会HPにあった女子15人制合宿の情報はこちら、追加召集の選手もいますね。ここ数年で本当にトップレベルの女子選手が増えました。まだまだ世界の強豪との差はあると思いますが、苦しいときでも頑張れるのが日本人の良さだと思うので、まずは個人個人が頑張って自分自身を鍛えて欲しいですね。強い個が集まってこそ世界と戦える、そこはセブンズも15人制も同じですね。