サクラ15のスペイン遠征、良いマッチメイクですね

女子日本代表サクラフィフティーンがスペインに遠征してテストマッチ2試合を行うことが発表されました。今日は遠征参加メンバー(スタッフ含む)も発表されました。協会HPのリンクは、こちら

先月のカザフスタン遠征メンバーを中心に新たな選手も加わりました

まず対戦相手のスペインについて、最新の世界ランクでは11位の日本に次ぐ12位です。昨年NZで開催されたW杯はヨーロッパ予選でスコットランド、イタリアに敗れて出場を逃しました。2017年大会では11位で終えた日本より上位の9位、セブンズではワールドセブンズシリーズでコアチームとして何年も参加し、女子ラグビーの強豪国の1つです。ヨーロッパは強豪国が6か国対抗で毎年テストマッチを重ねる中、スペインは入れず。そしてスペインは来月の22日にイタリアとのテストマッチを控え、勝利すると秋のWXVでは2部、負けると3部に入ります。ここでイタリアに勝って、秋のWXV2で強豪国とのテストマッチを重ねたい。そんなスペインとのマッチメイクはお互いにとってメリットがあり、良いマッチメイクだと感じています。協会関係者のスケジューリング、素晴らしいです。

そして遠征参加スタッフには、今回新たに女子日本代表のハイパフォーマンスアドバイザーに就任した元イングランド女子代表HCのサイモン・ミドルトン氏、また新たにスキルコーチが加わりました。W杯の後に「日本代表の課題はアタック力」という話をしましたが、今回実績のあるコーチが加わることで、サクラフィフティーンが大きく成長するのを期待しています。準備期間は多くないですが、大勝したカザフスタン戦の勢いをさらに増して、2試合とも勝利して欲しいですね。この辺の詳細は来月にでもまた書ければと思います。

スペインは4月1日に南アとマドリッドで戦い、20-35で敗れていました

そして今週末は太陽生命WSS花園大会、シリーズ最終戦ですね。ながとの全勝優勝なるか、それを阻止するチームは出てくるか。そしてPEARLSのサラ・ヒリニ選手がもし出場するなら、会場の空気が変わるかもしれませんね。天気が気になりますが、私も土日どちらか現地に観戦予定です。

鈴鹿大会の登録メンバー発表

6月も半ば、全国各地で梅雨入りしていますが、今週末は雨を避けられそうな天気ですね。太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ(WSS)2023も後半に向けて折り返し。今週末はPEARLSの地元、三重県鈴鹿市で大会が行われますが、2日前の今日は大会登録メンバーが発表されました。日本協会HPの大会当日情報は、こちら

2大会を終えての成績とシリーズポイントはこんな感じ

プールAから順番に見ていくと、前半2大会で連続優勝中のながとブルーエンジェルス(BA)は先日のサクラフィフティーンの試合にCTBで出場したパラキゆき選手がメンバー入り。地元開催のPEARLSはベテラン齊藤聖奈選手がメンバー入り。またファン含めて注目していたNZのサラ・ヒリニ選手は今回もメンバー外。追手門学院はこの大会もオール大学生でサクラセブンズの須田倫代選手の活躍に注目。そして熊谷大会では8強入りを果たしたアルテミスターズはサクラフィフティーンを支える津久井萌選手、そしてリハビリからいよいよ復帰の小林花奈子選手の活躍に注目です。このプールAはながとBAがこれまで同様、大量得点を狙う中で、他3チームがどんなチャレンジを見せるか、ちょっと楽しみです。

アルテミの津久井選手は3月のエコパでも活躍し、コアチーム昇格に貢献していました

続いてプールB。2大会連続準優勝の日本体育大学ラグビー部女子はこれまで大活躍の松田選手が外れ、サクラセブンズ入りした吉野舞祐選手がメンバー入り。半数以上が20歳以下の若いチームで鈴鹿大会では悲願の優勝を達成できるか。そしてそんな日体大と仲良しなのか、毎大会で戦っているYOKOHAMA TKMは元日本代表の鈴木彩夏選手がメンバー外。もしかしたらコンディション不良の選手が多くて、苦労している今シーズンかもしれませんが、まずは4強入りを果たせるか。日本経済大学、四国大学の学生2チームも何とか上位進出を果たしたいところですね。

大会2日目を素晴らしい戦いで盛り上げる日体大、鈴鹿でもベストパフォーマンスを見せられるか

そしてプールC。前回の秩父宮大会ではPEARLS、東京山九フェニックスを破って見事3位を果たしたナナイロプリズム福岡。鈴鹿大会でも勝負所で永田花菜選手が活躍を見せるか。PTSは前回1勝2敗で3チーム並ぶ中で得失点差で上回っての8強入り。この大会でもサクラセブンズの梶木選手がゲームをリードしてほしいですね。そしてコアチーム残留に向けてポイントを稼ぐためにも、この大会で8強入りを目指すBRAVE LOUVEとRKUグレース。このプールCの4チームの実力差は一番少ないかもしれませんし、得失点差の争いも注目です。

最後にプールD。2大会連続の4位に終わった昨年総合優勝の東京山九フェニックスは鈴鹿大会で優勝を果たせるか。まずはアルカス熊谷、チャレンジ、北海道バーバリアンズディアナとの3試合で大量得点を奪って予選全体1位を目指したいところで、注目はサクラセブンズの原わか花選手ですね。前回の秩父宮大会ではSHで出場していましたが、チームでの連携も深めて挑む鈴鹿では会場を盛り上げるようなプレーに期待。アルカス熊谷はサクラフィフティーンの主将長田いろは選手に注目、特に接点でボールに絡む活躍に期待です。そしてディアナにはサクラセブンズの三枝千晃選手がメンバー入り。チームを上位進出に導けるか、ボールを持った時の推進力に期待です。

サクラセブンズのトライゲッター原選手の快走が上位進出のカギになるかも
キャプテン長田選手の活躍はアルカスを上位進出に引き上げるか

私は鈴鹿大会はYoutubeチャンネルで観戦し、花園大会はどちらかで現地観戦を予定しています。ながとBAが連続優勝を果たすと、いよいよ何年かぶりのシーズン完全優勝が見えてきますが、鈴鹿ではどのチームが「ストップながと」を達成できるかも注目ですね。当日は会場でのイベント企画など、天気にも恵まれたらたくさんのファンが集まるのではないでしょうか。参加選手の活躍で会場をどんどん盛り上げてほしいですね。

秩父宮大会はながとが連続優勝、大変面白い2日目でした

この週末、秩父宮ラグビー場で行われた太陽生命WSS秩父宮大会、大会前は台風の影響による大雨、交通網への影響もあって、どうなるか心配でした。それでも1日目の途中からはしっかり晴れて、今日4日は2週間前の熊谷大会のように、良い天気で行われたようです。日本協会HPの試合結果のお知らせは、こちら。なお大会MVPはナディーン・ルース選手でした。

https://twitter.com/TS_Womens7/status/1665273866648788992
表彰式に上がった3チームはそれぞれ達成感を感じたのではないでしょうか

2日目は8強のカップトーナメントを中心にYoutubeで見ていました。まず準々決勝の初戦でナナイロプリズム福岡がPEARLSに22-14で勝利する番狂わせ。前半7-14のビハインドから、追い上げて残り1分から永田選手が自陣から仕掛けるとDFをスピードの強弱とハンドオフで振り切って逆転トライ、直後のキックオフでは永田選手が低く速いボールを蹴ると、PEARLSはキャッチミス、拾って繋いでダメ押しのトライを10秒もかからずに奪いました。永田選手はこの後の2試合でも活躍し、チームの3位入賞に導くMVP級の活躍だったと思います。

永田選手の巧みなランニングは24:20過ぎから

9位以下のトーナメントでは日本代表選手の活躍が目立ちました。追手門学院女子ラグビー部VENUSの須田選手はこの日もキレキレのステップ、安定したキックを見せていました。BRAVE LOUVEは先週のカザフスタン戦にも出場した安尾選手が細かいステップ、難しい位置からのキックを成功すれば、安藤選手はアタックでDFと駆け引きしながらランニングで仕掛けてトライチャンスを作りました。

決勝戦のカードは前回の熊谷大会と同じながとブルーエンジェルス(BA)と日本体育大学ラグビー部女子になりました。ともに準々決勝は快勝、準決勝では2点差で終盤の猛攻を逃げ切って勝利する厳しい試合でした。前回の熊谷大会では31-0とながとBAが快勝し、試合前もながとBA優位に進むと思っていました。開始2分で辻崎選手が先制トライを奪いましたが、その後は日体大が松田選手、大内田選手の連続トライで逆転して12-7とリードして折り返し。迎えた後半、ながとBAがギアを挙げて反撃し平野選手、ブルーニー選手、ナディーン選手の3連続トライで24-12とゲームをひっくり返しましたが、そこから試合終了までは劇的な展開でした。

東あかり選手がトライを奪って7点差に追い上げて、残り1分を切った状況からのキックオフ。10m過ぎに上手く蹴って日体大が競り勝ってキープするも、ながとのDFがキャリアーを絡んでスクラムのコールが出てからノータイムのホーン。このままながとが外に出して終わりとほとんどの人が思っていたでしょうが、スクラムから出したボールをノッコンして日体大が再びボールを獲得。相手の反則から攻めると9番向来選手が中央をブレイクして一気にG前まで迫ると、最後はラックサイドを新野選手が飛び込んでトライ。そして同点を狙うキックは難しい位置ではなかったですが、蹴られたボールは左のポストに当たり惜しくも失敗...24-22でながとBAが優勝を果たしました。

惜しくも敗れた日体大への観客の拍手はもしかしたらながとより大きかったかもしれません

前回の熊谷大会でのながとBAの戦いぶりから、今年のシリーズは「ストップながと」がテーマになるかと思っていましたが、準決勝と決勝ではともに2点差の試合になるなど、戦い方次第で大きく変わるセブンズの面白さを感じた今日の2日目でした。

シリーズ総合ポイントでは決勝に進出した2チームが大きく抜け出し、3位以下は混戦模様になりました。昨年度総合優勝の東京山九フェニックス、2大会連続でまさかの4位と厳しい状況になりました。しかしニア選手、原選手など爆発力を秘めたチーム、DFを修正して接点で激しく戦えれば、アタックの勢いもついてくのではないかと。他のチーム含め、上位争いはどんな戦いを見せてくれるか。2週間後の鈴鹿大会では予選プールでホームのPEARLSがながとBAと同じ予選プールAに入りましたし、今日のような白熱した戦いを期待しています。

https://twitter.com/TS_Womens7/status/1665240110063910912

サクラ15アジア制覇とWXVのはなし

28日日曜にカザフスタンで行われたAsia Rugby Women’s Championship(ARWC)で日本代表サクラフィフティーンは若いカザフスタン代表を相手に11トライを奪い、72-0で大勝。今回で5回目のアジア制覇だそうです。日本協会HPの試合後コメントは、こちら。レスリーHC、長田キャプテン、テストマッチ初出場、初キャップを獲得した若手選手らのコメントが掲載されています。

試合はAsia RugbyのYoutubeチャンネルなどでLIVE中継されました

今回のARWCでは当初23日に予定されていた中国とのテストマッチが相手の不参加により中止となり、香港に競り勝ったカザフスタンとの決勝戦に向けて短い準備期間とはいえ、しっかり調整出来たと思います。相手を分析したうえで、アタックではWTB/FBのDF時のポジションとキックケアが弱みと判断して、裏へのキックを有効に活用しました。自陣からのキックで50-22ルールを2回適応できたのはその1つでしょうし、外のスペースへのキックパスがきれいに決まったトライもありました。昨年のW杯、日本国内での大会でキッキングゲームの経験を重ねたことが、ほかのアジアのチームとの力の差をさらに拡げたと感じました。

一方でDFは前に出て接点でファイトするのは前提として、ダブルタックルでボールキャリアーを押し返して相手を押し下げる場面が何度もありました。長田キャプテンはFW周辺など接点近くでプレーをする姿が目立った印象です。カザフスタンの重たい選手の突進に下げられる場面もありましたが、全体的には相手より素早く動き、しっかり連携して強いファイトを繰り返して、カザフスタンは攻め手がなかったと思います。男子と同様、アジアでは圧倒的な強さを見せつけることが出来ました。そして先ほどのHPのコメントにも合った通り、秋のWXVに向けてのスタートとしては良かったと思います。出てきた課題を修正し、さらに強くなって挑めるように、まだまだこれからという意識でそれぞれが強く上手くなって欲しいです。

10月に行われるWXVについて改めて整理してみました

そして秋に開催される女子の新たな国際大会「WXV」について、あまりラグビー関係者には知られていないようです。確かに代表スケジュールだったり、大会参加の公式発表的なのは出ていないですよね。2年少し前のブログでも書いていましたが、各地域での大会の結果で参加チームも少しずつ決まってきたので、改めて整理してみました。World RugbyのWebサイトで公開された記事はこちら
⇒「活気に満ちたブランドロゴの公開とともに WXVの開催地と開催日程発表

この大会はWorld Rugbyが女子ラグビーの更なる成長を期待して毎年開催されます。少し前の男子のようにヨーロッパや南半球の主要国以外でもラグビーをより成長、拡大していこう。つまりはグローバル化といったところでしょうか。大事なポイントをいくつか挙げると
1.各地域での大会を予選と扱い、W杯の12チームより多い18チームが参加
2.WXV2は南アフリカ、ケープタウンで10月14、21、28日の週末に開催
3.大会はクロスプール方式(おそらく2プールに分けて別プールの3チームと試合)
4.WXV2で6位(最下位)になったチーム(地域代表枠)は来年WXV3に降格

そのため日本が掲げる最低限の目標としては「1勝してWXV2に残留すること」でしょうか。上記の写真の通り、日本、スコットランド、南アフリカが決定。残りの3チームですがまずオセアニア1位(おそらくフィジー)、パシフィック4シリーズの最下位(おそらく米国)、もう1チームはヨーロッパからですが、World RugbyのWebサイト記事によると、イタリアとスペインでプレーオフが行われるようです。プレーオフで負けた方がWXV3に入りますが、組合せを見る限り、WXV3はおそらくヨーロッパ2チームが圧勝するでしょう。

なのでWXV2に向けた日本の戦略としては、過去に勝利経験のある南アフリカ、フィジーには確実に勝利し、昨年のW杯で惜敗した米国やイタリア(おそらく)相手にどれだけ迫れるか、といったところです。まだ代表の活動予定もわからないので、何とも言えませんがW杯を経験した選手たちのリベンジしたいモチベーションは高いと思います。粘り強いDFで失点を極力抑えて戦い抜けば、最下位は回避できるでしょう。Youtubeなどで他の国の試合映像も見れると思いますが、出来れば夏かWXVの前にテストマッチを組めたら、最高ですね。太陽生命WSSの戦いを経て、代表に合流するメンバーも変わるでしょう。

駆け足でWXVについてまとめてみましたが、先日のARWCでも見れたようなプレーを強豪相手にどれだけ出来るか、昨年のW杯と同じくらいのチャレンジが待っています。個人的にはレスリーさんに加えて新たなコーチングスタッフ(特に攻撃を組み立てる方)が入って欲しいと願っています。まずは春のセブンズでアピールする選手がたくさん出てきて欲しいですね!

ARWCと熊谷大会で注目した日本人選手

先ほどカザフスタンで行われたアジア女子ラグビーチャンピオンシップ(ARWCでした)の試合、香港とカザフスタンの試合は点を取りあう展開でしたが、最終的にはスクラムで反則を奪うなどFWが強かったカザフスタンが27-23(HT17-16)で香港に勝利し、28日に行われる日本との決勝戦に進出しました。勝った方が10月に行われる新しい国際大会「WXV」のDivision2に進みます。日本としては絶対に勝って、秋の強豪相手のテストマッチに繋げないとです。

香港とカザフスタンの試合については、最初の20分くらい見た後は途切れ途切れで見ていましたが、日本としてはFWを中心としたセットプレーでしっかり戦えれば、ゲームの流れを掴めると思います。FWのファイトに勝ったら、日本のHBがテンポよく球を動かして攻めることが出来ますし、相手の反則も誘えると思います。サクラセブンズと同様、しっかり走り勝つ。後半に引き離すような展開に持ち込みたいですし、この相手に競ってしまうレベルでは秋に向けて厳しいとも思います。28日の試合は日本時間で18時から。日本の遠征メンバーは、こちらメンバーで最多キャップは津久井萌の22、次にラベマイまことの20などキャップ数2桁が合わせて10人。ノンキャップは7人でした。また遠征レポートは、こちら。テストマッチはどんなメンバーになるか、発表後に改めてブログで決勝戦に向けて整理できればと思います。

28日にLIVE配信予定なので通知オンにしました

熊谷大会で個人的に活躍が気になった日本人選手を紹介

前回のブログ、でも熊谷大会の振り返りをしましたが、ここではスタンドで観戦しながら「おおっ」と思った選手を書いていきます。近いうちに大友信彦さんが熊谷大会ベスト7を挙げると思うので、それも楽しみですね。

優勝したながとBAからは大会MVPを獲得したプルーニー・キヴィット選手の活躍は当然ですが、セブンズ代表経験もあるライチェルとアテザの姉妹が揃って活躍していました。2月の北九州の時は見れませんでしたが、今年の太陽生命WSSに向けてしっかり調整してきたんでしょう。この後のシリーズ大会でも活躍して、サクラセブンズにも再チャレンジして欲しい。

準優勝した日体大、大内田夏月、高橋夏未の2人がゲームメイカーとして、良い動きをしていました。2人とも走りながらしっかりボールを止めるキャッチのスキルが高く、そのあとの動きだしまでが滑らか。DFのタックルを避けるように間合いをしっかり保ちながら、前にスペースがあれば見逃さない。この後のシリーズ大会でも、日体大の勝負所の時間帯ではこの2人がチャンスを作りそうですね。

3位のPEARLSは土曜の予選で日体大に負けましたが、そこから調子を上げてきました。最終戦でもフェニックスを相手に前半2トライを奪った保井沙予選手がチームに勢いをつけました。初戦のナナイロとの試合でもノータイムのホーンがなった時点でリードを許す展開でしたが、そこからトライを奪いチームを救いました。WTBのオケロ選手に注目が集まりがちですし、これからはBlackFernsのサラ・ヒリニ選手が加わってどんな活躍を見せてくれるか楽しみですが、勝負所でトライを狙う保井選手の活躍にも注目です。

4位に終わった昨年総合優勝のフェニックス、司令塔役のナタリー・ライト選手のコントロールされたキック、そしてスーパーエースのニア・トレバー選手の爆走(準々決勝の追手門学院戦では自陣Gラインから100m独走トライ)は見応えありました。その間に挟まれた岡元涼葉選手もバランス役というわけではないですが、判断よいプレーで安定した活躍を常に見せていました。どんな相手でも安定して質の高いプレーを見せる選手は、コーチングスタッフ側からみると非常に頼もしいです。今後の代表入りに向けて、さらに尖った強みを身につけてアピールして欲しいですね。

4強以外のチームを見ると、追手門学院の小西春菜選手はサイズは小さいですが、細かいステップと切れのあるランニングで強気に仕掛けでボールを持った時に楽しみな選手でした。9位のナナイロからは中村選手、小笹選手などセブンズ代表経験選手の活躍が目立つ中、今後の代表入りが期待される大橋聖香選手も最終戦PTSを相手に2トライを奪いました。これからもチャンスには強気に仕掛けて欲しいですね。そして高校生主体のチャレンジチーム、タレントを感じさせる選手がたくさんいましたが、丸山希香選手は予選で勝利したルーヴ相手に2トライを奪う活躍を見せました。いい走りを次の大会でも見せて欲しいですね。

今年は16チームになりましたが、極端な得点差がつくような試合はなかったです(最大で41点差)。各チームがこのシリーズの戦いに向けて準備を重ねてきたのが感じられますね。次の秩父宮大会では、今回出場のなかった代表選手や海外選手も出場してくるでしょうし、楽しみです。