フランス戦と関東大会の観戦記

前回のブログからW杯は予想通りNZがイングランドを破って2連覇、アジアセブンズは男子がまさかの7位に沈むも女子は中国相手にノータイムで逆転トライを奪っての優勝だったとか(試合映像が見れず)。そして昨日は深夜の日本代表VSフランス代表に、昼間は各地で花園予選の決勝が行われました。桐蔭学園、御所実業がそれぞれライバル校に敗れて予選敗退はSNSでも話題になっていましたね。今回はフランス戦と関東大会のフェニックスと横河武蔵野の試合を振り返ります。

世界2位を相手に奮闘したJAPAN、フランスは2022年のテストマッチ無敗

https://www.youtube.com/watch?v=_WTm_xAaQTU
しっかり準備をして挑んだフランス戦、前半21-3から奮闘するもフランスは余裕の戦いを見せ勝利

来年に行われるW杯でも日本代表の試合が行われるスタジアムでの試合、私はライブではなく地上波(日テレ)の録画放送で見ました。相手のフランスは世界ランクで1位のアイルランドに続く2位、来年のW杯の開催国で優勝候補でもあります。夏に日本で戦った時のフランス代表は主力選手は招集されず、若手主体とも言われていましたが、国立での2試合目は接戦となりました。そして迎えたフランスでのアウェー戦、現地の観客を驚かす場面はほとんどなく、接戦からフランスにプレッシャーを与えて勝利をもぎ取りたかったですが、逆に安定した力強いプレーを終始見せつけられて前半を21-3で終えると、後半は9番斎藤、11番フィフィタ選手がともに鮮やかなトライを奪うも35-17で敗れました。

Youtubeのコメントを見ていると、一部選手への批判的なコメントも見られました。前半は画面でもわかるほどの大雨で、キッキングゲームで優位に立つことがそのままゲームを優位に進める中、試合のいくつかの場面でボールをこぼす場面がありました。ただ戦犯扱いするほどのものではないのかなと個人的には感じています。それよりも先週のイングランド戦では劣勢だったスクラム、ブレイクダウンではある程度、ファイト出来ていたと思いました。ただ絶好調のフランスを相手に勝利をもぎ取る展開には持ち込めませんでした。前半に2トライを奪われ、逆転を狙う後半の開始から20分まではボールを持ってアタックする機会が増えて、ゲームをコントロールしていましたが、そこで7点しか奪えなかった。それくらいフランスのDF、接点の激しさが良かったですね。

関東大会第2節、横河武蔵野が後半に逆転してフェニックスに勝利

関東大会も各チームが2試合目を迎えましたがその中でも注目の1戦。ともに日本代表選手を多くかかける東京山九フェニックスと横河武蔵野アルテミスターズの試合は、フェニックスのキックオフから始まりました。開始から10分以上フェニックスが敵陣でアタック、それをアルテミスターズがDFで受ける展開。粘り強く守ってボールを奪うとSH津久井、SO林がキックを蹴ってエリアを中盤に戻す。そこからフェニックスはFB大黒田を起点にカウンターを仕掛けて、みたいな展開。大黒田はこの試合ではFBで先発出場でしたが、積極的にボールを貰い鋭い仕掛け、スペースへのラン、DF裏へのキックなど持ち味を発揮していました。またフェニックスは春のセブンズシーズンでも大活躍のニア・トレバー選手がWTBで出場。彼女がボールを持つと、アルテミスターズは複数で対応して走れず、捕まえてはボールに絡んで仕事をさせないよう徹底していて、思ったような活躍はできませんでした。

一方でアルテミは見ていて歯がゆい展開というか粘り強い守りから。アタックの起点でもあるラインアウトが安定せず、クリーンボールを出せない。そんな中でフェニックスは、敵陣22m内の相手ラインアウトがオーバーボールになってこぼれた球を拾ったBKが素早い反応でつないで13番岡元選手が先制トライ。アルテミスターズは徐々にスクラムで優位に立つも、ボールが転がってフェニに奪われたり、ラインアウトではスローワーとの連係ミスもあるのか、うまくいかずにストレスのたまる前半。それでも前半終了して、フェニ7-0アルテミと1T差。どちらかといえば、両チームともうまくいかないことの方が多かった前半ではないだろうか。

後半開始早々、アルテミが攻めるのをフェニックス12番古田選手がジャッカルし、9番野田選手がが裏へのキックで敵陣に入りチャンス。しかしそこからアルテミスターズがラインアウトをキープすると、CTB高木選手のキックパスが外のスペースに待ち構えていたWTB笹川にきれいにわたり、見事な走りでインゴールに飛び込み同点に。さらに自陣からアタックがどんどん繋がって、再び敵陣G前に攻め込むとフェニが反則。そこからスクラムを選択するとじわじわ押し込んで逆転トライ。後半開始の10分間で逆転に成功しました。後半はよりボールが動く展開になる中、フェニは後半17分過ぎにPGを狙うも失敗。それ以後も敵陣G前に攻め込んでチャンスを作るも得点できず。アルテミは危険なタックル(上から落とすようになってしまいアンラッキー?)でFWの2番の選手がシンビンになり、14人になるも粘り強い守りはほころびを見せず。さらに1人少ないスクラムでも交代選手が入ったタイミングでプレッシャーをかけてフェニックスから反則を奪いました。フェニックスは逆転を狙い激しいプレーを見せるも、様々な反則が重なり決定的なチャンスを作れず。そのままアルテミスターズ14-7フェニックスが最終スコア。一言でいえば、アルテミスターズの守り勝ちといった感じでした。

https://twitter.com/C39Rugby/status/1594306896324091904

振り返れば先日のW杯にも参加した日本代表選手が多い両チーム、それぞれ国内の試合では活躍が目立ちました。一方でW杯の代表に選ばれなかったアルテミの小西、櫻井の2人の活躍も非常に良かったです。フェニは2番に入った塩崎選手がスローイングでミスをせず、チャンスを作っていました。試合登録メンバーの顔ぶれを見ると、フェニックスがBKで優位に立つかなと思っていましたが、アルテミは強力FWがスクラムでプレッシャーをかけ、ゲームの流れを簡単に渡しませんでした。両チームともこれから試合を重ねる中で戦術の精度を上げて、さらに良くなって、チームとして成熟してくると思います。次の試合以降も楽しみですね。

またそのほかの試合では日体大がRKUグレースに、YOKOHAMA TKMオーバルズがRIAにそれぞれ勝利したので、今の時点で2勝なのは横河武蔵野、日体大、TKMの3チームです。これらのチームが戦う試合はきっと接戦になるでしょうし、今年の関東大会も盛り上がりそうです。そして関西大会も4チームで開幕しています。ここはPEARLSが圧勝で勝ち上がると思われますが、国内の15人制の試合の機会はまだまだ多くありません。参加する選手、スタッフの活躍に期待しています。

明日はイングランド戦、W杯決勝、アジアセブンズ韓国ラウンド

今週は秋らしく雨のない良い天気が続きました。皆既月食もありましたね。久しぶりにじっくり夜空を見上げた気がします。ラグビーの話題が多い週末、まずは深夜に日本代表とイングランド代表のテストマッチが行われます。先日の国立競技場でのAll Blacksとのテストマッチを超える観客8万人が集まる見込みとか、どんな戦いになるか。注目の試合メンバーはこちら。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1590675888244346881
先発にファンデンヒーファー選手が入り、リザーブには”ラピース”ラブスカフニ選手が復帰。

対戦するイングランドは先週アルゼンチン代表に敗れたものの、ヘッドコーチのエディーさんは全力で日本をたたきに来るでしょう。一方で、日本代表もしっかり分析したうえでアタックプランを準備していると思いますし、AllBlacks戦と同様に最後まで勝利を狙える試合展開に持ち込んでほしいですね。正直、勝つのは難しいとは思いますが、前後半の開始と終わりの10分間、しっかりゲームをコントロール出来るか。具体的にはアタックで前に出て敵陣で戦う、DFでは3フェイズ以内でトライを許さないようにしつこく体をぶつけられるかに注目です。

そしてラグビーW杯2021、女子の試合も明日が最終日、3位決定戦のカナダVSフランス、決勝戦のニュージーランドVSイングランドが行われます。大西将太郎さんが動画で決勝戦の注目ポイントを挙げていましたね。前回大会の決勝と同じ組合せ、その時も確か結構な点の取り合いになったと思います。サクラフィフティーンは現地で観戦しましたね。これまでの試合では大量得点を奪い、両WTBを中心に多くのトライを重ねてきて、おそらくどちらとも決勝の組合せはこうなると信じて予想をしてきたであろう両チーム。勝敗の予想ですが、開催国であるニュージーランド、BlackFerns有利かなと。準決勝で重量FWのフランスと戦っているのと、コーチはウェイン・スミスですから、対イングランドの秘策もあるんじゃないかと期待しています。試合展開としては接戦から最後は30点前後の奪い合いになって、キックの差でBlackFernsが逃げ切ると予想します。最近は予想は外してばかりですが、楽しみです。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1591002707552530432

そしてアジアセブンズ第2ラウンド、韓国大会。翌週にUAE大会を控え、総合優勝を狙うためには優勝が求められる今週末。サクラセブンズはSDSが合宿を行っていましたが、そこからの昇格はなく、末選手に変わってベテランの中村選手が復帰しました。明日の予選は3試合目のタイが危険ですが、相手のエースに気を付けて、しっかりボールを持てれば問題ないでしょう。サクラセブンズはここからワールドセブンズシリーズにも続くので、12名での遠征もコンディションによっては追加招集もあるかもですね。

今週末もラグビーの話題がたくさんですが、国内では大学ラグビーに高校ラグビーは各地で花園予選の決勝が行われます。面白い試合がたくさん見れるのを楽しみにしています。

明日は国立でABs戦とアジアセブンズの振り返り

10月も終わりに近づいてきましたが、今週は明日29日に行われる日本代表とニュージーランド代表All Blacks(ABs)とのテストマッチの話題が毎日のようにありました。日本に到着してすぐにABsの選手がラーメンを食べに行ったTweetが話題になっていましたね。それとABsの選手が千葉県内で小中学生向けにラグビークリニックも行っていました。コラムはこちら

https://twitter.com/Te_Nug/status/1584498490809335808
いま探してみたらいいねが4000を超えていました。歓迎されていますね。チッピングはタンパク質多め。

JSPORTSのコラムでは解説者の村上晃一さんがこのテストマッチに向けた日本代表のコラムを書いています、こちら「オールブラックスからどんなトライを奪うか? みんなで歴史の目撃者になろう」両チームの試合登録メンバーも載っていますが、日本の注目選手はやはり10番山沢拓也選手でしょう。10代の頃から将来は必ず日本代表で活躍すると期待されながら、怪我などのコンディション不良や司令塔というポジションの厳しいセレクションもあり、日本代表で見る機会はこれまで期待されていたほどではありませんでした。ラグビーファンはいよいよ来たかと待ち遠しいのではないでしょうか。

そしてABsは今回も豪華メンバーと言っていいでしょう。以前にコベルコスティーラーズでプレーしたレタリック選手も4番先発出場ですね。バレット3兄弟など遠征不参加の選手もいますが、それでもやはりABs、誰が出ても強力な感じがします。そんなABsに対してもリーチ選手は「勝ちに行く」と宣言していますし、明日の試合がどういう展開になるか。私は日本代表が勝つとは正直思っていませんが、開始15分の攻防、セットピースは見応えがありますし、何より国立には6万人を超える観客が集まる予定。どんな戦いになるか、楽しみしかない。

先週末のアジアセブンズシリーズ2022タイ大会の2日目を振り返る

こちらは準決勝の動画、男子は59:30辺りからUAE戦、女子は2:15:00辺りから香港戦

JRFUのHPにも2日目の結果とHCとキャプテンのコメントが掲載されています、こちら。対戦スコアもありますが、奪ったトライは多くて3トライ。ワールドセブンズシリーズを控え、世界を目指す男女セブンズ日本代表としては、アジアでの大会はしっかり勝ちたいところですが、タイ大会は両チームとも準優勝でした。新たな選手を加えてのシリーズ初戦、優勝を逃したとはいえ、そんなに悲観しなくても良いかなと思いました。準決勝については、男子は11番津岡選手の見事な走りから右手オフロードパスが決まってUAEから先制トライを奪って、逃げ切りました。女子は香港を相手に前半の14点のリードを守り切ったようなスコアですが、内容では素早い守りで香港にアタックの形を作らせず、圧倒していました。

そして決勝戦。香港を相手にキックオフからスタートしますが、香港の素早いアタックを止めれず1分で先制トライを許すとそのあとのレシーブでも上手くいかず、ターンオーバーからあっさり2トライ目を許す展開。その後のアタックではしっかり攻めて、最後は6番福士選手が相手DFとの1対1に勝ってコーナーに飛び込み1トライを返すも、そこからはキックオフでボールを奪われて速攻でトライをされる展開。結局、前半だけで5トライを奪われ勝敗はほぼ決まりました。後半開始からは香港の反則をどんどんクイックで攻めてインゴールに飛び込むも、相手が上手く絡んでノッコン。その後はこのタイ大会で代表デビューの丸尾選手が独走トライを奪うなど、後半は2トライを奪い、香港を上回りました。しかしスコアは19-36と前半の失点が響き完敗。香港は強くて速いランナーもいて、アジアの中でも少しレベルが違いましたが、この香港にしっかり勝つ実力がなければ、ワールドセブンズシリーズでの勝利も難しいですね。

そして女子はライバル中国との決勝戦。先発メンバー7人はチリのチャレンジ大会、南アフリカのW杯に遠征したメンバーが中心。試合開始から攻め込むと、1分過ぎに梶木選手がDFの間を突破して先制トライ。その後も攻守に良い動きを見せて、敵陣でプレッシャーをかけますが、外でゲインを許すと反則、そこからのクイックでランナーに振り切られて同点に追いつかれて前半終了。後半は両チームのエースがチャンスで一気に走り切ってインゴールに飛び込むなど一進一退の攻防。最後は3点差を追いかける中国が残り1分を切ってからの自陣中央スクラムで、日本のタックルを弾くとそこから一気に加速して日本のDFを振り切り逆転のトライ。17-21でトライ数は同数もゴール差で敗れました。日本の失トライはどれも敵陣でのDFから、わずかな隙やミスから中国に独走を許してしまいましたが、内容としては試合のほとんどを敵陣でプレーしていたと思います。そのわずかな隙や反則をなくせれば、次の大会ではさらに良い戦いが出来るかと思います。

次回のシリーズ大会ラウンド2は来月19日、20日に韓国で行われます。そしてラウンド2は翌週にUAEで。女子はさらに12月に入ってワールドセブンズシリーズのドバイ、ケープタウンと4週連続の大会。これ、かなりきついスケジュール。遠征メンバーも14名から増やすかもしれませんね。それでも更なる活躍に期待!!

W杯イタリア戦の振り返りと前回の続き

まず昨日のブログは長すぎたので、簡単に整理してみると
 ・日本の女子ラグビーの環境は年々、良くなっている
 ・日本代表は強くなっているが、国際大会では高い壁を感じてきた
 ・海外の強豪国と比べて15人制の経験値が足りないのは、当分変わらない
 ・昨年の英国遠征で出た課題は、W杯までに解決できなかった
というのが、自分が感じたこと。それとは別にTwitterで、女子の環境整備に関する呟きを見ました。「会長にはリーグワン各チームに女子チームへの投資を義務付けて頂きたい」とありましたが、個人的には賛同はしません。親企業の体力があるかどうかは全く関係ないです。チームの強化と、普及活動は別物なので。

女子ラグビーの普及と強化を含めて、男子チームとの協力はこれから自然と増えていきます。社会の流れがそうですし、お互い大小メリットはあるはず。私としてはそれを押し付けるのではなく、協力したいもの同士で良い形を作っていくことに価値があると思います。女子日本代表サクラフィフティーンは今日、NZから帰国したようです。改めてお疲れ様でした。開幕前のNZ戦から約1か月、出場の有無に関わらず、タフな遠征だったと思います。まずは心身共にリフレッシュして、秋冬のシーズンに向けてそれぞれ動き出して欲しいです。

粘り強いDFなど3試合で一番の奮闘を見せたサクラフィフティーン

最後に突き放されたものの、粘り強いDFで競った展開に持ち込んだ試合
https://twitter.com/rugbyworldcupjp/status/1584003135277703169
イタリア戦後の会場の様子、観客席とフィールドの間が長いね

さて土曜の試合の振り返り。改めて試合経過のレポート、試合後のコメントはRUGBY JAPAN 365さんのサイトがわかりやすくまとめられています、こちら。この試合はパブリックビューイングの会場で見ていました。一度もリードすることは出来ませんでしたが、後半途中で同点に追いつき、終盤まで6点差と逆転できる範囲内で試合を進めることが出来ました。開始15分のゲーム展開を見て、ベスト8進出よりもいかにこの試合に勝利するかにシフトしました。

ターニングポイントとなったのは後半、SHが阿部選手から津久井選手に交代して、ゲームが大きく動いたと思います。イタリアは日本の粘り強いDFに反則を連発した前半からハーフタイムを挟んだ後半、明らかにギアが変わりました。接点でのインパクト、周りの選手のフォロー、日本の選手のコメントにも出てくるモメンタム(勢い)が増しました。その中で津久井選手はテンポ良く捌きながら、相手のDFの裏へのキック、相手の反則からクイックで仕掛けるなど、チームを前に出すプレーを見せました。

日本のハーフタイムの指示はわかりませんが、勝つならアタックでどんどん仕掛けるしかない、というようなものはあったかなと。特にDFからATへの切換(トランジション?)で勝負したいところで、チームとして完遂出来なかった。残念だったのはそこでの仕掛けであっさりターンオーバーを許した場面があったこと。具体的にはペナルティーからのクイックでボールを継続できなかったり、タッチキックがインゴールを割ったり、ラインアウトが失敗したり。DFの時間が長いとATでの余裕が生まれず、どうしてももったいないミスが出てしまう。もしかしたらこの辺りを「経験値が足りない」という言葉に表しているのかもしれません。選手もミスをしたい訳ではないですし、積極性からのミスもありますしね。ただそれが勝敗に繋がるのも事実。この試合中の負担やストレスをいかにコントロールするか、今後の課題です。

今のラグビーの傾向の中で、体の小さい日本がDFで粘り勝ちするのはおそらく無理です。私も例えば花園で高校生が強豪校を相手に、必死のタックルで押し返すような試合を見せてくれると、凄く応援してしまうんですが、テストマッチではそうはいかないですね。南アフリカのような激しいフィジカルを持ち、DFで体を当てることに楽しさや快感を感じるなら別ですが(苦笑) そういう意味で、前回のブログでも触れましたがアタック力。これも課題です。

SNSで日本代表のファンのコメントを見ると「よく頑張った」とか「世界との差は少ない」とか見かけます。選手もそれを読んで勇気を貰っているのかもしれません。一方で、2017年W杯を11位で終わった時も似たような思いをしました、「世界8強への道のりはセブンズよりも近い」。2022年、サクラセブンズはW杯で過去最高の9位になりました。そしてサクラフィフティーンは勝ち点0で12位、奇しくも昨年の東京五輪のサクラセブンズと同じ順位。セブンズはパリ五輪まであと2年、15人制は次のW杯まであと3年です(開催地はイギリスだったっけ?)

最後に女子日本代表の今後として、来年秋に新たな国際大会が開催する予定で、3試合は行われるかと。大会のフォーマットを見ると日本はおそらくアジア1位扱い(もしアジア予選あれば勝ち抜く前提で)で2部に入り、予想される相手は、オセアニア1位のフィジー、アフリカ1位の南アフリカ、米国or豪州、ヨーロッパからはイタリア、ウェールズ、スコットランド、アイルランド辺りでしょうか。もし最下位になると3部に降格することになるので、それは絶対に避けたい。だからこそレビューを行い、早く新体制を作って発表するべき。タイミング的にはどうしても国内15人制シーズンの終了後、来年になるよな。個人的にはアタッキングラグビーを目指す、それが出来る指導者を選ぶべきです。今回も長くなりました、以上。

幾つかTwitterを見て物申す訳ではないけれど、自分の意見はこんな感じ

先週末は高校女子セブンズも男女セブンズもYoutubeなどで見れる試合がたくさんあり、それに加えてW杯イタリア戦もあり、結果は期待してものにならないのが多かった。それでもチームの成長とか、選手の頑張りとか必死さとか、伝わってくるものは多く、どのカテゴリーも頑張った選手、スタッフの皆様は本当にお疲れ様でした。

いちおう簡単に振り返ると全国U18女子セブンズは石見智翠館が3年ぶりの優勝、推しだった麗澤はプレート戦決勝で追手門学院に10-26で負けて全体6位、アジアセブンズシリーズラウンド1タイは男女日本セブンズ代表がそれぞれ準優勝、W杯イタリア戦は8-22で負けでした。イタリア戦のレポートはRUGBY JAPAN 365さんのサイトから「ディフェンス機能するも3連敗で大会終える」

全国U18女子はカップ戦がどれも接戦、セブンズはいかに3トライを取るかが大事ですね

Twitterを見て自分なりにこう考えている、捉えているのを書いてみた

ここからはいつもより少しラフに書きます。批判的に感じるような内容ももしかしたらあるかもしれません。1ファンとして、なんて都合よく言いません。これまでおよそ8年半、日本の女子ラグビーに関わり、現場を見たり、離れたところで見たり、聞いたり、調べたりした自分の意見。そういえば2014年にTKMでフルタイムのコーチとして女子ラグビーに関わる前は、女子ラグビーってほとんど見たことなかったな。2013年にスリランカに派遣された時も女子生徒に体験レベルでボール遊びしたくらいか。

日本の女子ラグビーの環境って恵まれているのかどうか。これは他の国と比べてね。正直、わからない(苦笑) ただ年々、良くなっているとは感じている。小学生のガールズで交流する機会だったり、試合する機会も、色々な関係者皆様のおかげで増えているんじゃないかな。

そして高校カテゴリーでも、全国U18女子セブンズには惜しくも進めなかったチームが全国各地にいて、そのまま大学カテゴリーでもラグビーを続ける選手は増えているんじゃないかな(これはあくまで感覚で、実数はわからない)。競技人口はサッカーとかバスケとかバレーとか国際大会でメダルを取るような他の競技と比べて決して多くないけれど、悪い環境ではないと思う。さっきもJRFUのHPにRacingGirls発掘プロジェクト実施のお知らせ、もアップされたし、それ以外でも自分が知らない色々な試みがあるんだと思う。あとは選手が個々にSNSなどで色々なアクションを起こせるのもあるよね。

だからこそ日本代表、サクラセブンズもサクラフィフティーンも強くなってきた。今のトップレベルの選手は10年前と比べると体も大きく、スピードもあり、違いが明らかだと(それはラグビーに限らずだけれども)。環境も良くなる中で、世界の舞台で結果を出そうとチャレンジすると、海外の強豪との高い壁を感じることばかりで、それでもと果敢にチャレンジをし続けてきた。だからセブンズも15人制もW杯で高い目標を掲げて、達成できなかったけれども、戦える実感(?)はそれぞれあったりなかったり。

で選手の環境に関する話が長くなったけれども、日本代表チームが目標とする結果を出せずに終わり、次に活かすための反省、そこからリスタート。このサイクルがなんか上手くいかないような印象。思い出すのは昨年の東京五輪、母国開催で強化に励んできた男女セブンズはそれぞれ11位、12位。ラグビーファン以外の一般の人々には何も残せなかった。そこから新体制になってのサクラセブンズの今の成長ぶりは、本当にあっぱれ。そして15人制ね。

そもそも前回2017年大会も予選プール3試合で3敗、全体では11位。ベスト8には届かなかったけれども、決して遠い距離でもないと選手、関係者の多くが感じた(JRFUのHPで2017W杯の試合記録を見ようとしたら掲載がないのはどうかと思う)。そこからおよそ1年半の間、代表活動が行われない中で、サクラセブンズのスポットコーチだったレスリーさんが代表ヘッドコーチに就任することが発表されて、そこから今回のW杯までのチャレンジがようやくスタート。2019年にはヨーロッパ遠征でスコットランドに逆転勝利、そして2022年には世界ランクで格上の豪州、アイルランドにそれぞれ勝利。W杯開幕前にはNZとの初対戦も行いました。あと今回のW杯に向けたラグビー女子日本代表応援サイトもできましたね。

本題に入るまでが長すぎた、すみません。W杯を終えてレスリーHCがオンラインで取材、コメントした記事が出ました「経験値足りなかった」ラグビー女子HCが総括。えーっとですね、確かにそうなんです。そこがメディアからの最初のタイトル、メッセージで届いてしまうのも致し方無い。でもね、それは前回も、これまでも同じく感じたわけ。はっきり言えば、今の日本の環境で、15人制の経験値が海外の強豪国と同じになることは当分ない。

前回大会の時はW杯予選やAsianNationsなどアジアの国とのテストマッチもあったけれど、今は行われていない。国内の大会も選手、チーム数が増えてきて、試合数も若干増えてはいるけれどもまだまだ。今回のW杯でも活躍した加藤選手、山本選手らが挑戦した英プレミアのような環境(リーグ戦を毎週のように戦い、プレシーズンも含めたら全部で20試合弱だったかな)は日本ではまだ整えられない。「経験値足りない」は戦う前の前提であり、戦った後の理由にしてはいけない。

ただ男子の代表も色々な強化を試みては挑んだW杯で20年間勝てなかった。そこを変えたのがエディーさんとそれに引っ張られた代表スタッフ、協会の関係者、ユースカテゴリーの指導者、そして何よりハードワークし続けた代表選手たちの頑張りね。結果を出すには、出るまで挑戦し続けるしかない。そこまで導けるかがHC含めたコーチングスタッフの力だと思う。

経験値以外の話をすると得点力。去年の秋のヨーロッパ遠征、3連敗で終えて振り返った時のブログがこちら「女子日本代表の英国遠征で感じた課題」。ここで書いた内容は読んで思い返して欲しい。前回2017年のW杯では予選3試合で7トライでしたが、今回は5トライ。また選手のコメントに「来年のワールドカップに向けては、セットピースを安定させること、精度を上げることや、攻撃のオプションを増やすことが重要になってくる」とありました。8月のアイルランド戦では5トライ奪いましたが、結局のところは抱いていた課題を大会までの期間では解決できなかった。そんなストレスを感じることが多かったです。

ダメだ、まとめるの下手すぎて長すぎた。改めて整理して書きます。あとブログを書いている間に、SNSを見直してたらレスリーHCと浅見さんのオンラインの大会総括会見の記事がJSPORTSのサイトにアップされたので、こちら「15人制はもっともっとやれる」

わかりやすい内容。それでも一言だけ、苦言を言いたい。「前回の大会を終えた後と大して変わらんわ。」立場のない自分と立場のある方の違い、当然ありますよね。すみません。今回は以上です。