サクラ7sはシドニー大会8位、強化は次のステージへ

この週末はシドニー大会が行われて女子日本代表サクラセブンズは予選プールを1勝2敗、全体8位で決勝トーナメントに進むとNZ、フィジー、英国に敗れて8位で終えました。総合順位は8位のままですが、勝ち点は21になりました。また男子は強豪相手に勝利が近い試合もありましたがこの大会で1勝も出来ず、先週のハミルトン大会と同様15位タイで終わりました。男子はシリーズ5大会を終えて勝ち点はわずか6、コアチーム残留に向けてはかなり厳しいですね。

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全体8位も勝利はPNGからのみ、苦しい試合の多かったシドニー大会

日本協会HPにあるシドニー大会の試合結果とコメントは、こちら。前回のハミルトン大会の6位を超えるチャレンジでしたが、なかなか勝利を掴めない大会でした。予選プールは1勝2敗、招待参加のパプアニューギニア(PNG)に狙い通りの大量得点で55-0で勝利し得失点差で+21。また別のプールでは3チームが2勝1敗で並んだ結果、別のプールで1勝2敗だったブラジルの‐4を上回り、全体8位で通過しました。日本は狙い通りのベスト8進出でしたね。

2日目は予選とトーナメントでそれぞれNZと戦いましたが、12-27、0-33の敗戦。それでも相手のキックオフを分析、狙ってくるライン際の位置で1人リフトでボールをキャッチしたり、ATでもプレーの継続、DFでも簡単にトライを許さず、数年前とは試合内容が異なってきた印象です。そして3日目は5位~8位決定戦に進み、2試合とも映像見ることが出来ました。フィジーにはW杯で負けてからのサクラセブンズの成長を見せつけるような試合を期待していましたが、7-40で完敗。そして7位決定戦はイギリスに5-21と敗れてしまいました。

大会後の大谷選手、水谷選手のコメントに「今大会は自分たちの思うようにいかない時間も多くありました」「自分たちのこだわりを発揮できず、たくさんの課題が残る大会」とありました。勝負の3日目の2試合、今取り組んでいるサクラ7sのスタイルがなかなか発揮できない試合でした。DFでは素早く前に出てプレッシャーをかける、仕掛けて倒すイメージだと思いますが、フィジーもイギリスも早めに仕掛けてタックラーとの1対1をずらしたり、立って繋ごうとしたりした結果、DFでボールを奪えない展開に。フィジー戦は1対1で倒せず、2人で倒しにいく、もしくはオフロードで繋がれて追いかける。そうなってくると、DFで前に出続けることが難しくなるのかなと。ハーフタイムでは鈴木HCから「DFもっと前に出よう」みたいな指示がありましたね。この部分はチームでより拘るところ、試合中に劣勢になっても「それでも前に出る」といったベースを高めるところかなと。

アタックではワイドにボールを動かして前に出るところは、この大会でもだいぶ出来ていたと思います。ただ相手のDFもなかなか崩れない。日本より個々が強く早い強豪国と戦っているので、もしかしたら日本のATは守りやすいのかもしれません。そんな中、イギリス戦で須田選手がDFの裏に蹴って再獲得したトライはチームとして狙った形ではありませんが、個人の判断で生まれたGoodトライでした。前回大会の中村選手の独走トライもですが、今後は個人の判断や力で局面を打開するようなトライが出来るようになることが必要になりますね。

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ハミルトン大会、シドニー大会で念願の8強入りを果たし、サクラ7sの強化は次のステージに入った印象です。世界トップ10入りから、更に上のレベルの強豪国に勝てるようになるには、今のスタイルを継続しつつ、精度や強度を高められるかどうか。日本対策をしてくる相手をどう崩してトライを奪うか。そして個々の力を高めて、ゲームの流れを掴むようなインパクトあるプレーを出せる選手が増えないと厳しいかなと。それでもこれまで本当にいい流れで目に見える結果を出して、強化は進んできているので、次回のシリーズ大会は3月のバンクーバーなので、ポジティブなチャレンジを続けていけると思います。頑張れサクラセブンズ!

サクラ7s、ワールドシリーズ過去最高の6位を達成

昨日は鈴鹿で全国女子選手権の観戦に行きましたが、試合を見ながらTwitterでサクラセブンズの試合経過を確認したり、最終戦のイギリス戦をLIVEで見たり、隣で一緒に見ていた知り合いの保護者が苦笑いしていました。そして最後は追い上げ届かず、惜しくも敗戦とはなりましたが改めて過去最高の6位という結果、本当におめでとうございます!

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梶木選手、安定の高いパフォーマンスでした。急にヘッドキャップ変わりましたね、なんでだろう。

昨日の全国女子選手権について、RUGBY JAPAN 365の方に写真と試合経過のレポートがさっそくあがっていました。とりあえず2試合目のレポートのリンク、貼っておきますね
 ⇒ 2冠まであと1勝!全員で「攻めたぎる」
鈴鹿の個人的な観戦レポートはまた改めて。今日は引き続きサクラセブンズの振り返りを。

日本協会HPのハミルトン大会2日目の結果お知らせは、こちら
試合結果は、VSニュージーランド●12-43、VSフランス○19-12、VSイギリス●10-14
フランス戦の試合経過を見ると、前半4分に内海選手が先制、そのあと逆転を許すも、後半4分に平野選手、6分に須田選手がトライを奪っての逆転勝利でした。日本協会HPの遠征レポートは、LIVE中継のなかったフランス戦の写真をたくさん載せていますね。

イギリス戦については、グランドとスマホを同時に見ながらでした。前半開始から敵陣に攻め込んで、外の原選手がボールを貰って大外を走るもタッチライン際で止められていました。その後、イギリスが日本のDF裏に大きくキックを蹴ってチェイスして、スクラムのチャンスを作り、そこから外に展開して走り切り先制トライ。日本は粘り強く守るも、ホーンがなってから1分過ぎに奪われた2トライ目が厳しかった。そこからよく2トライを返したなと思います。

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前半最後に奪われたトライが大きかったですが、強豪相手にも後半に追い上げる底力が見られました

この梶木選手の1トライ目の場面も、自陣からワイドに球を動かし、素早いサポートで相手にジャッカルを許さず、アタックを継続して敵陣へ。そこからループプレーを入れてDFを引き付けて大外の梶木選手という流れでした。今のサクラセブンズはこういったアタックがハマっていますね。ただ外に回して走るとかではなく、クイックセットして常にDFに仕掛けていく。キャリアーがつかまりそうなときには近くの選手が素早くサポートに走って孤立させない(ここでオフロードパスをするか倒れてラックにするかの判断が絶妙)。そして仕掛けられない時はいったんペースを落として、DFとの間合いを取ってリセットする。その動きの質が、大会を重ねるごとに良くなっている印象です。

DFでは3~4人がセットした状態から前に出るスピード、左右の選手との連携が良いですね。相手ATとの1対1では正直分が悪いですが、横との連携が取れていると焦って飛び込んでタックルミスすることがありません。相手を見て冷静に対応できている。結果、トーナメント初戦のNZ戦以外は相手を4トライ以下に抑えています。この試合はターンオーバーされてからの速攻だったり、スーパーエースのウッドマン選手に弾かれたりで、トライを与えてしまいました。この辺りは今後の課題ですが、2日目にこういう戦いができた経験は大きいですね。

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大会後の代表選手コメント、どれも感謝と達成感が伝わりますね

今のサクラセブンズの強さって何だろうな、と考えてみましたが、個人的には「当たり前のことを当たり前に出来るようになってきた」という印象です。「何それ~」と思われそうですが、スピードもフィジカルも上の強豪相手に、それが出来るようになってきたっていう意味です。チームの戦術理解と共有が出来ていて、練習で取り組んできていることをしっかりパフォーマンスで出せている結果、慌てたりプレッシャーを受けてのミスが少ない。

中村選手(プレイングコーチ)が「自分たちでもまだ強くなっている実感が持てていないのが現状」とコメントしていますが、試合を見ているファンの方々は、以前と比べて画面の前で「あぁ~」とか「うわぁ~」とか言いながら頭を抱えるようなことはあまりないのではないでしょうか。それくらい今のサクラセブンズの戦いは安定感を感じる一方で、この戦いぶりを見て強豪国も日本を意識してくるでしょう。例えば日本の素早いDFに対しての対策として、自陣から大きなキックが増えるかもしれませんね。トライ後のキックオフの攻防も激しくなると思います。なので次の大会は真価を求められる、新たなレベルに進めるかのチャレンジです。

今週末のシドニー大会に向けて、6位はかなりのアドバンテージ

最後に次のシドニー大会に向けて。シリーズ大会HPにある女子順位表を見ると、日本は今回勝ち点10を加えてトータル15点、これはスペインと並んで全体8位。ちなみに1つ上の7位はフィジーですが、トータル26点。この11点の差は常に8強入り出来るチームとそうでないチームの差です。太陽生命WSSでも総合の上位3,4チームとそれ以外の中位以下で勝ち点が大きく離れるのも同じようなものですね。

シドニー大会の組合せはまだ発表されていませんが、ハミルトン大会で6位になったことで、予選プールの中に招待参加含め、ランク下位の国が入る可能性が高いです。今のサクラセブンズの力をしっかり出して、下位の国から確実に1勝し、上位国から勝利を目指して競った展開に持ち込めば、連続で8強入りする可能性は十分にあります。女子のシリーズは全部で7大会、ちょうど真ん中の4大会目は、コアチーム残留に向けても大きな大会です。

そんな今週末のシドニー大会、サクラセブンズの更なる活躍を期待して、楽しみにしたいと思います。頑張れ日本、頑張れサクラセブンズ!

サクラ7sは9年ぶりの8強入り、NZ戦速報

昨日21日の行われたNZハミルトン大会初日、日本は豪州、フランスに敗れるも三戦目のカナダに17-7で勝利し1勝2敗。得失点差で3位チームの上位に入り、これまで何度も挑んでは成しえなかった8強入りを9年ぶりに果たしました。これまでは予選プールで1試合勝つも得失点差で全体9位扱いというのが何回かありました。3試合ともに見事な戦いぶり、あっぱれ。

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サクラセブンズ、W杯や五輪含めてもこのトーナメントに進出するのに約9年かかりました

私は2戦目のフランス戦をほぼまるまる、3戦目のカナダ戦の後半残り4分ほどを観ましたが、本当に良い戦いでした。具体的にはチームの意図するアタックが見えて、攻守ともによく連携している結果、反則も少なく、マイボールの時間が増えているところです。フランス戦では相手のDF間に走りこんでパスを受ける選手、いわゆる切りにいくプレーが何度もあり、DFをずらして優位な体制になれば、常にオフロードパスからのラインブレイクを狙っていました。故にサポートに走る選手の寄りも早いですね。DFでもランナーに対して内と外の選手で連携し、ラインブレイクされる前から素早くカバーに戻るアクション、簡単に独走を許さず、しつこく食らいついていました。故に失点も減りました。

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中村選手のトライ、このシーンの前は仏DFの圧力を受けて、前に出れず自陣22mに押し込まれた中で、ラック前のDFがいないのを見ての素晴らしい判断と走りでした

カナダ戦は5-7とリードされた状態から見ましたが、敵陣に攻め込むと素早く球を動かして、最後は須田選手のキレキレなステップで逆転トライ。その後のキックオフでも再獲得し、残り2分で3トライ目を奪い、リードを広げます。相手のアタックにも慌てず対応し、反則を奪うとスクラムを選択、しっかりボールをキープしてホーンがなってから蹴り出す見事な試合でした。東京五輪の時は負けられないケニア戦をリードして迎えた最後、反則からスクラムを選択して、逃げ切りを図るも、押し込まれて逆転された悔しい試合がありました。今のサクラセブンズは自分たちの戦いがどの相手にも通じる、そんな自信が感じられますね。鈴木HC、平野キャプテン体制になって1年少しでしょうか、本当に鍛え上げられているんだなと感じます。

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須田選手の逆転トライ、このシーンの前も徐々に敵陣に攻めこんでフェイズを重ねて、カナダDFを振り回していました

カップトーナメント初戦はホスト国NZと対戦、

そして22日、早朝に行われたNZとの試合は、12-43で負け。日本の戦いぶりは悪くなかったと思います。アタックでしっかり継続して攻め込む場面もありましたし、前半相手が1人少ない場面でG前まで迫り、スクラムから平野選手が持ち込んでトライも奪いました。後半も自陣でアタックし、相手の反則からクイックで仕掛けると、原選手が中央を抜け出して走り切りました。課題のキックオフも梶木選手が中村選手を1人リフトしたり、それに対応してNZが次は逆サイドに蹴るも小笹選手がタップしてキープ。良い準備、良いパフォーマンスは感じられる戦いでした。後半に交代出場した選手も堂々とした動きで良いパフォーマンスでした。

一方でNZのアタックはやはり強力で止められず、最後は連続トライを許して点差が離れました。アタックでターンオーバーされて、DFが整えられない状況から一気に独走トライされる場面もありました。実力の差は感じる一方、決勝トーナメントに進んでタフな試合の中で、さ良いチャレンジを重ねて欲しいですね。

負けたので11:12から、アイルランドに負けたフランスが相手ですね。今日はこれから全国女子選手権の観戦に行ってきます。鈴鹿の試合は11:30からなので、現地からスマホで見れるかな。サクラセブンズの活躍は今日プレーする選手たちにも刺激になっているでしょう。女子ラグビー、盛り上げていきましょう。

週末はNZセブンズと全国女子選手権

1月も半ばを過ぎました。クリスマス前後の冷え込みから年明けは比較的暖かい日が続いていましたが、この週末から徐々にかなり冷え込むみたいですね。日曜は鈴鹿で観戦予定ですが、先日の関西大会の観戦はかなり冷え込んでいたので、しっかり防寒対策していきます。

10年以上も日本代表で活躍した女子ラグビー界のレジェンドが引退、お疲れ様でした

まず昨日、アルカスクイーン熊谷の鈴木選手が引退会見を行いました。10代から日本代表に選ばれ、日本協会が代表強化に注力し始めた頃から10年以上も日本代表でプレーしてきました。私は2014年にTKMが合同チームで15人制の大会に出場した時に、ちょっと話したことある程度ですが、女子ラグビー界では一目置く存在でした。ラグビーマガジンの解体新書に掲載されたこともあったと思います。これからも女子ラグビー界をサポートしていくようなので、まずは現役生活お疲れ様でした。鈴木選手に限らず、年度末が近づいて競技生活から離れる選手の話も聞こえてきます。引退後もラグビーと長く関わってほしいですね。

セブンズは男女ともに明日の予選プールが厳しい組み合わせ

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そして明日からNZのハミルトンでワールドセブンズシリーズが行われます。時差的に初戦は日本時間の早朝から昼過ぎまで。夜に観戦することが多いので不思議な感じです。日本代表はコアチーム残留に向けて上位進出、具体的にはベスト8進出を目指しますが、組み合わせを見るとなかなか厳しいですね…女子は豪州、フランス、カナダと同じプールで明日3試合。試合を重ねる疲労度も考えると、強豪を相手にどう戦うかが、いかに日本のスタイルでのプレー時間を増やしていくか。次の大会も来週末に控えています。

日本協会HPに遠征レポートが掲載されています、こちら現地ではNZチームとの合同トレーニングも行っていました(両チームとも赤いウェアで見づらいですが)。年明けの合宿から調整してきたサクラセブンズが強豪相手に食らいつけるか、どの試合も注目です。ハミルトン大会のライブ速報のリンク、一応貼っておきます ⇒ https://www.world.rugby/sevens-series/stage/2109/match

全国女子選手権は面白い2試合になりそう

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明後日22日は鈴鹿で全国女子選手権が行われます。去年は新型コロナ感染による出場辞退などがありましたが、今年は大丈夫そうですね。日本協会HPの当日情報は、こちら。今期の関東の2チームの試合は直接見れていないんですよね。関西の試合は先日の鈴鹿で直接見ましたし、ほかの試合も関西協会のYoutubeで見れます。日体大、フェニックスともに相手を分析して挑んでくるでしょう、それに対して関西の2チームは前回の公式戦から1か月空きもあり、苦戦するんじゃないかと予想しています。

それでも2年前に瑞穂ラグビー場で行われた決勝のような試合もあります、当時のブログはこちらこの2試合の活躍が日本代表入りに繋がるとも思うので、選手の皆様にはベストパフォーマンスを見せてほしいです。当日は寒すぎないように。大学ラグビーが終わり、リーグワンも毎週が注目ですが、女子ラグビーも盛り上げていって欲しい。そのうちサクラフィフティーンの活動も再開するんじゃないかと思います。

花園女子エキシビションと代表HC続投のはなし

昨日27日に全国高校ラグビー、花園が開幕しました。開会式後には高校女子の選抜メンバーがあつまる東西対抗戦が3年ぶりに行われました。この3年、女子は何で行われないのかという声もSNSではよく見ましたし、何より花園でプレーする機会を逃した大学生ラガールの子たちも少なくないわけで、まずは無事に開催できたことに感謝です。

高校女子トップレベルの高まりを実感した花園エキシビション

試合に出場予定だったメンバーは内容は事前に日本協会HPで発表されていました、こちら。また試合内容についてはRUGBY JAPAN 365さんのサイトで大友信彦さんが白熱が伝わる写真と共に素早く試合レポートを上げているのでリンク貼っておきます ⇒ 「3年ぶりの開催「花園U18女子15人制」レポート」

試合結果は西軍が7-0で東軍に勝利、前述のリンクの最後にこれまでの通算成績がありますが、西軍は2018年に続き連勝。その前の2017年は東軍がその年のW杯で活躍したSH津久井萌をはじめ、今年のW杯でも活躍した加藤幸子らトッププレーヤーが集まって、西軍から4トライを奪い24-0で勝利しました(この年の西軍にものちの日本代表が多くいたと思いますが、ここでは割愛)。3年ぶりの試合は開始早々のキックの攻防から、レベルの高さを感じさせました。私が2015年に花園で見た女子のエキシビションはキックは飛ばないのが前提、長いパスを放る選手も少なく、いかにショートパスでを繋いでアタックを継続するか。確か先制トライは東軍のNo8鈴木彩夏(2017年のW杯でも活躍)が敵陣中央のスクラムから持ち出してそのまま30mくらい独走して奪ったと思います。ひたむきなタックルは変わりませんが、極端に言えば、敵陣でずっと攻め続けてようやくトライを奪った後は、お返しのキックオフから今度は守り続けるみたいな、アタックディフェンスの延長みたいな試合だったと思います。

クボタスピアーズの岸岡選手もこんな驚いた呟きを上げるくらい、女子は素晴らしいプレーばかりでした。

岸岡選手の呟きを紹介しましたが、女子ユースの強化としては以前からセブンズユースアカデミーの取り組みはありました。セブンズユースはこの前NZで行われた国際大会に出場し、初優勝を成し遂げてきました。協会HPの遠征レポートは、こちら。それに加えてこの1,2年で日本協会の「Strong Girls」発掘プロジェクトだったり、強化の新たな試みが増えたこと。また高校のチーム数、選手数が増えて、男子と一緒に練習するようなチームも増えてきていること、ラグビーの環境が恵まれてきたことがレベルアップの理由かなと思います。全国各地の高校女子ラグビー関係者の努力、熱量に感謝ですね。

個別に活躍した選手を挙げると長くなるので書きませんが、3年生以外でも活躍が目立った選手もいて、今後もこの花園エキシビションは本当にレベルの高い試合が見れると思います。なので協会の関係者はどうかプレー時間を20分ハーフから伸ばしてほしいと思います。現場的な視点で見ると、選抜された選手をすべて出場させたい一方、試合の勝敗もある以上は、流れ的に選手交代がしにくいところはあるのかなと。高校女子トップレベルの選手たちであれば、30分ハーフでも十分に良いプレーを見せてくれると思います。

女子日本代表HCはレスリーの2024年3月末までの続投が発表

そして女子日本代表サクラフィフティーンの新たな体制について、先日の報道の通りW杯でも指揮したレスリーHCに続投を要請、そして契約更新の発表が日本協会HPでもありました、こちら。W杯を終えた後、以前のブログにもいろいろと書きましたがレスリー体制の継続について、個人的には否定的な部分があり例えば戦術など試合でのパフォーマンスに関することですね。一方で国際的なコネクション、選手の海外へのチャレンジのサポートなど協会関係者のコメントにもあるように評価すべき点もあります。来年秋の新たな国際大会「WXV」に向けての強化というところでは妥当な判断です。

ただラグビー女子日本代表の強化を考えたときに、あくまで個人的な意見ですが、何か新しい人材を招き入れる必要がある段階にきているんじゃないかなと思っています。上手く説明はしにくいのですが、強化システムを作れる人、もしくは戦術の立案、落とし込みに特化した人を登用できないと似たような結果になると感じています。これは外に見えにくい部分でもあるので、ゆえに上手く言えないところもありますが・・・まあ難しい(苦笑)

現場で観戦した関東大会、関西大会の戦いを見ても、選手の数は増えて全体のレベルは年々上がっているなと感じています。一方で世界のレベルも高まる中で、日本代表というハイパフォーマンスなところの強化にも今後は一層高いレベルが求められていくと思います。よく課題として国内のゲーム数についての話がありますが、国内のゲーム数が増えるのと代表強化は直接繋がらないのが個人的な意見です(選手の試合経験が増えるのはもちろんプラスですが)。年明け1月には関東大会の最終日、そして全国女子選手権がありますし、そこでのパフォーマンスを観ながら、また改めて整理したいなと思います。