関東U18女子セブンズは関東学院六浦が優勝、國學院栃木が逆転勝利で2位

先週末に麗澤ラグビー場で行われた高校女子の大会、10月に熊谷で行われる全国大会の関東予選になります。2日間、運営のお手伝いで参加しました。

開会式、クラブチームや高校など9チームが参加、暑熱対策として土曜の夕方と日曜の午前に試合は行われました

天気に恵まれた2日間、4試合を無失点で優勝した関東学院六浦

台風が関東地方に迫ってくる中で行われた大会は少しぱらつく程度の雨はありながらも、試合に大きな影響はありませんでした。その中で予選2試合で共に50得点以上を奪い1位通過、2日目の1位リーグでも國學院栃木、BraveLouveを相手に共に4トライを奪い、DFでは全て無失点で文句なしの優勝でした。関東協会HPの大会結果へのリンクはこちら。

3月に府中で行われた関東大会ではサニックスワールドユースへの出場権をかけて3チームが戦い、関東学院六浦が2試合とも後半のラストプレーで逆転勝利という劇的な優勝を遂げました。あれから約半年、更に実力をつけた関東学院六浦の勝因はなんと言っても無失点の堅いDFでした。試合を見ていても選手同士が声を掛け合い、キャリアーを見るタックラーが孤立せずに内側のDFとコネクトしてプレッシャーをかけていました。

象徴的だったのは最終戦のBraveLouve、勝てば優勝が決まる試合で六浦は試合を通じてほとんど敵陣でプレーしました。KOレシーブから展開して攻め込もうとするルーヴに対してライン際でタックルして押し出したり、内側に返した選手に狙い済まして激しいタックルを決めていました。そこからボールを奪うと、アタックが上手にボールを繋いでトライ。前半で試合を決めたような戦いでした。後半はルーヴも裏へのキックを使うもそこからボールを奪って有効なアタックをする機会は作れず、ベストゲームと言っていいような内容でした。そんな六浦ラグビー部の優勝報告のブログはこちら監督の梅原先生を胴上げしている写真が素晴らしい。

全国出場権をかけた熱戦は、國學院栃木が後半2トライで逆転勝利

2日間の試合結果、最終戦は勝ったほうが2位となり全国大会への出場を決める中で、1年生が活躍した國學院栃木が大逆転で勝利

六浦に敗れた國學院栃木とBraveLouveの争い、得失点差でルーヴが2点上回る中、國學院栃木はルーヴに勝利するしかありませんでしたが、前半を終えてルーヴが7-0でリード、ハーフタイムでは吉岡先生の檄が飛んでいました。勝負の後半で活躍したのが、1年生の高橋夏未。女子のセブンズユースアカデミーにも選ばれているキープレーヤーでしたが、予選で傷んでしまい朝は足を引きずっていたので、試合出場は難しいと正直思っていました。

しかし激しい攻防の後半半ばに、自陣中央付近でラックからボールを貰うと、内側の僅かなスペースに仕掛けて裏に抜け出しそのままポスト下に60m独走のトライで同点に追いつきます。そして残り1分をきって敵陣22mに攻め込むと、外でタックルを堪えて繋ぐとコーナーに飛び込んだのはまたしても高橋夏未。勝負どころで活躍するスター性を感じさせるようなプレー、コベルコカップでも北海道・関東チームで活躍していましたね。

そして國學院栃木で忘れてはいけない選手が、サクラセブンズの松田凜日。この大会では登録から外れていましたが、日曜は応援に来ている姿を見ました。現在アジアシリーズを戦うサクラセブンズの合宿メンバーには選出されていないので、リハビリ中かもしれませんが、来月の全国大会で出場するのであれば、間違いなく大きな戦力になるはずです。期待大ですね!

サクラフィフティーンは秋の遠征に向けて合宿とメンバー発表

最後に短く、日本協会のHPで合宿と参加メンバーが発表されました7月のオーストラリア遠征メンバーに加えて、コベルコで活躍した高校生3名をはじめ、怪我をしていた一昨年のW杯の代表キャプテン齋藤聖奈も選ばれています。明日12日から16日まで勝浦の国際武道大学で行われます。こちらも期待していきましょう。頑張れ日本!

サクラ15とWallaroosとBlackFerns

8月は週末は連続で菅平に上がっていましたが、今週末は実家に帰ってクラブチームの練習に参加したり、自宅で久しぶりにゆっくり過ごしていました。男子もW杯前に各地でテストマッチが行われていますが、女子もNZと豪州がテストマッチを行っていました。結果は2戦ともNZが快勝、力の差を見せ付けました。

世界ランク1位のBlackFernsが実力をしっかり見せ付けた2試合

オーストラリア協会のYoutubeから土曜にNZのイーデンパークで行われたテストマッチ、男子の前座で行われた試合は、BlackFernsが37-8でWallaroosに快勝しました。

第1戦は前の週に豪州のパースで行われて、NZ女子代表BlackFernsが47-10で大勝しました。いちおうYoutubeのハイライトはこちら。6月に米国で強豪国とテストマッチを重ねていたBlackFernsは、この試合でもG前のチャンスで簡単にトライを取っている様に見えました。2試合のハイライトを見てもトライ場面は、モールで押し込んだり、G前のペナルティーからクイックで外に展開して飛び込んだり、キックパスから繋いだり、豪州代表Wallaroosを相手にも高いスキルを発揮する強さがありました。

個人的には15番のWiniata選手は2年前に東京フェニックスでプレーした時にお世話したのと、10番のDemant選手の妹もまた東京フェニックスでプレーしていたので、BlackFernsを応援しています。男子と同様にタレント揃いのNZ、男子は世界ランクでウェールズに抜かれるみたいですが、女子はしばらく世界ランク1位をキープしそうです。

対してWallaroosは第2戦は1トライのみでしたが、前半に自陣22m前の左スクラムから用意したサインプレーで細かく繋ぎ、外の14番が内から追ってきたWiniata選手をハンドオフで弾き飛ばし、追いすがるDFを振りきって50m独走のトライを見せました。Wallaroosは現在世界ランク7位ですが1位のNZとの実力差はかなりありそうです。現在の世界ランクのリンクはこちら、ちなみに日本は16位です。

他の国の世界ランクと、日本は上位との実力差をどう埋めていくべきか

まず女子の世界ランキングについて、過去10年か何年かの大会の成績も反映されているようですが、男子ほどテストマッチが頻繁に行われていない以上、実際の実力はあまり反映されていないと思って良いでしょう。11位以下を順番に並べると、南アフリカ(W杯のアフリカ予選を突破て出場を決めたとか)、スコットランド(2年前のW杯不出場)、13位サモア(同じくW杯不出場、前々回の2014年は最終戦でカザフスタンに勝って11位)、14位オランダ、15位ポルトガル。そして17位にカザフスタン、18位ロシアとなって、アジアのライバル香港は21位になっています。

2017年のW杯では11位に終わった日本も実際はもう少し上だと思いますし、スコットランドや10位のアイルランドには勝てる可能性はありそうです。ただヨーロッパ勢は毎年、 6カ国対抗戦でテストマッチを重ねていますから、どう戦うかを明確にして準備しないと勝つのは難しいでしょうね。個人的には2021年のW杯までに世界ランクをあと3つか4つ上まで上げて欲しいとは願っています。

日本女子サクラ15と豪州女子Wallaroosのスコアを見ると
第1戦 Sakura15 ●5-34 Wallaroos(6T)
第2戦 Sakura15 ●3-46 Wallaroos(7T)


次にWallaroosとNZ女子BlackFernsのスコアを比較すると
第1戦 BlackFerns(8T) ○47-8 Wallaroos
第2戦 BlackFerns(5T) ○37-10 Wallaroos

そして先日、日本協会のHPでオーストラリア遠征を終えたレズリーHCからの総括コメントと、初代表でキャップを獲得した選手たちのコメントが掲載されました。個人的には「とても満足している」とか「現在の立ち位置を現実的に考える」という言葉を見て、随分とポジティブに捉えているんだなと感じました。個人的にはポジティブに捉えるよりもW杯までの残りおよそ2年という期間への不安や危機感のほうが強いです。先日の遠征に向けて、どういう準備をしてきたのかはわかりませんが、次のW杯までにこのレベルの相手と再び試合をする機会が作れるかと思うとかなり難しいと思います。その中で感じた実力差をどう捉え、代表選手、そして代表入りを狙う選手がここからどれだけ必死に差を埋めていくか注目ですね。

その中でNZに留学してチャレンジしている選手が少しずつ増えているのも事実です。数年前から高校生が夏休みに数週間の短期留学をしたり、故人で半年の留学しているのを聞くこともありました。例えば2年前のW杯でも活躍したアルテミスターズの津久井選手も3年前にNZ留学して実力を磨いていました(留学中のためコベルコカップには出場できず)。同じアルテミスターズの高野選手も今年3月からNZ留学していますね。サッカーの男女の日本代表のように、海外の高いレベルの中で過ごし、経験を積んだ選手が増えることは代表の強化にも繋がると思います。

またレズリーHCが先日のコベルコカップのときに菅平入りして、大会出場選手に1時間ほどのセッションを行っていました。こういう機会は高校生にとっても代表を身近に感じられて良いと思います。代表チームがどういう練習をしているか、どういうスキルを持った選手が求められているのか、どんどん発信して欲しいですね。代表チームの戦術、戦略などは試合を見ていないのでわかりませんが、いずれにせよ選手個々のフィジカルやスキルの差を埋めないことには上位国相手には勝てません。日本の女子ラグビー全体で上手く強化のシステムを作れればと思います。

秋にはまた強化合宿や海外遠征が予定されているかも知れませんし、引き続きサクラ7s含め、代表の動きについても発信していければと思います!

女子日本代表は第2戦に完敗、U20男子はJWRT優勝

1週間ぶりのブログ更新になります。週末は3ヶ月ぶりに帰ってきた両親に会いに行っていて、少し忙しかったですが、オーストラリアやブラジル、菅平高原から色々なカテゴリーのラグビーの結果が届いてきましたね。

オーストラリアとの再戦はノートライに終わり3-46の完敗

オーストラリアのトライばかりのハイライト、1トライ目のNo8の独走トライをはじめ、相手にやりたいようにやられてしまい、DFで粘れなかったサクラフィフティーン

19日金曜の夜に行われた女子日本代表サクラフィフティーンと、オーストラリア女子代表ワラルーズとのテストマッチ第2戦。第1戦からどう修正して挑むか注目していましたが、結果は残念ながら更に得点差が開いての完敗でした。日本協会のHPにある試合結果はこちら

前半にPGで先制を許すと4トライを奪われ24点差を追いかける展開になり、後半はオーストラリアも余裕を持ってプレーできたと思います。その中で後半25分まではトライを奪われていませんでしたが、26分、30分、33分と続けざまに3トライを許してしまいました。テストマッチは後半残り20分からが本当の勝負、などと以前に男子の代表試合でよく聞いた言葉ですが、この試合ではまさにその勝負の時間帯で、崩れてしまいました。

ハイライトを見る限り、前半の1、2トライ目は共に中盤で相手の大きいランナーにラインブレイクを許してしまったところからでした。1トライ目に関しては、ラック周りのDFが移動してセット仕切れなかったところを狙われたのと、2トライ目はセットしていたもののFWが並んでいたところに13番が上手く仕掛けて抜いていきました。そのあとの2トライは共にG前まで攻め込まれて、上手く外に展開されて飛び込まれたもの。後半の3トライはG前でパワーランナーを捕まえるも止めきれずに繋がれたり持ち込まれたりするようなトライでした。

テストマッチまでにどうDFの準備をしてきたのかわかりませんし、ハイライト以外の場面では粘れている場面もあると思います。それでもフィジカルに優れた相手にしっかりタックルに入れない、倒せない、接点での個々のファイトである程度は戦えないと勝利するのは難しいですね。実際、世界ランクで上の相手とのテストマッチ2試合で奪った得点は8点のみでした。このタフな経験を今後、選手各々、そして代表チームがどう活かしていくのかが大事ですね。

男子U20JAPANは終盤に逆転して見事優勝、来年の昇格を勝ち取りました

フル映像はありましたがハイライトはなく、後半終盤の逆転したシーンなどいくつかチェックしました。

まず日本協会のHPにある試合結果はこちら開始10分で2トライを奪い14点をリードするもそこからシンビン2人出してしまったりで、逆転を許すと後半は競った展開に。後半26分にG前スクラムを押し込んでペナルティートライを奪い取って1点差に詰め寄った直後。KOをキャッチして自陣からアタックするも22mライン上でノットリリースの反則。そこからG前ラインアウトになり、攻め込まれてラックから展開されてタッチラインから5mのところにトライを奪い返されて追い詰められるも、ライン際から狙ったゴールは外れて6点差で残り10分。そこからG前に攻め込みポスト下にトライを奪ってキックも成功して逆転、最後はラックを重ねてボールキープして、ノータイムを迎えて何とか勝利しました。

上記の動画の1:53:00辺りから後半のトライ場面を振り返り始めますが、日本がモールやスクラムを押し込んだり、ポルトガルはG前で一気にワイドに展開して飛び込んだり、私の想像していたトライの奪い方とは違った展開でした。本当に激戦だったと思いますが、勝利を手繰り寄せたのは強力なFWだったかもしれません。スクラムで常に優位だったのが、終盤の追いかける時間帯でも、強い気持ちを保ってファイトし続けられたのだと思いました。

何より良いチームだなと感じたのが、最後のトライの場面や試合終了直後にリザーブの選手がフィールドに入って一緒に喜んでいるシーンを見たからです。あまり見ない光景でしたが、間違いなくリザーブの選手も交代した選手も一緒に戦っている、素晴らしいチームだなと。

実は先日行われたJWCではスコットランドが最下位になり、来年はこの大会に降格してくることが決まっていました。今年昇格できないと来年はスコットランドに勝利しないと昇格できない。そんな中、遠い南米のブラジルでの大会で優勝し、来年のJWC昇格を勝ち取ったU20JAPAN、おめでとうございます!

最後に菅平で高校生の全国セブンズ大会、アシックスカップも行われていましたが、こちらは試合映像全く見れていません。母校の茗溪学園はプレート準優勝、カップ優勝は春の選抜大会を制覇した桐蔭学園が2冠を達成しました。以上。

サクラ15は初戦は6トライを奪われ負け、四国大学が太陽生命WSSコアチーム昇格!

先週末は金曜のトップリーグ観戦から、土曜は医学ラグビーの応援、関東高校女子の強化合宿、日曜はレフリーに打合せにと忙しく過ごしていました。

金曜はトップリーグで活躍する後輩の応援に。中学のころから見ていますが、今はサントリーの9番を着て、一緒に組む10番は元ワラビーズのマット・ギタウ。凄いですね。
試合はサントリーが日野に39-3で快勝、サントリーは攻守にアグレッシブでした。9番大越もチームの2トライ目を奪ったり、DFではフィールドを幅広く動き回るなど、大活躍でした。
筑波大医学チームは信州大医学チームとの対抗戦に28-14で勝利、ここ数年は勝てていなかったみたいで久しぶりの快勝、春シーズンの締め括りをよい形で終えました。

サクラフィフティーンは5-34でワラルーズに敗退、第2戦は金曜に

女子日本代表は13日にオーストラリア女子代表ワラルーズとのテストマッチに挑み、5-34で負けました。日本協会HPにある試合結果のお知らせはこちら初キャップの選手が多く、若いチームでしたが勝利を奪うことは出来ず。

トライ場面を中心に試合のハイライト動画を豪州ラグビー協会がUPしてくれました

試合経過を見ると前半9分に先制されるも、そこから粘り強く戦い39分に2トライ目を奪われるまでは5点差で競った展開に持ち込んでいました。後半開始の大事な時間帯で得点を奪い返せば接戦に持ち込めたかも知れませんが、開始3分で追加のトライを奪われて、そこからは相手にも余裕を持たれたのか3トライを奪われてしまいました。

試合のフル動画は見れていませんが、得点の取り合いでは世界ランキングでも格上の強豪相手には勝てないと思います。 勝つ展開に持ち込むとすれば まずは相手を2トライに抑えるのが前提で、そこからどう3トライを奪うのか。今回のハイライトを見るとG前でパワフルな選手にやられたり、そこでDFの人数を削られて外の広いスペースにボールを展開されてトライされていたりしてますね。女子ラグビーを見ていると、どのカテゴリーでもG前のラックやスクラムがトライの起点となっていることが多いです。エリア中盤から抜け出して繋いでトライを奪うような場面はあまりないです。それはスピードやパススキルが足りないのが原因かもしれません。もしG前5mでラックになったら、個人的にはBKに展開せず、時間をかけてでもラック周辺を攻め続けてトライを狙ったほうがよいのかなと。勝負に拘るなら。

そしてワラルーズとのテストマッチ第2戦は19日金曜に行われます。サクラフィフティーンとして以前に記者会見で「サクラウェーブ」というキーワードがありました。第2戦に向けてどういうプランを描いているのか気になりますが、更によい戦いを見せて欲しいと思います。

入替戦は追手門学院が残留、四国大学が昇格し、横河アルテミは1年で降格

関東高校女子のコベルコカップに向けた強化合宿があり、入替戦の応援には行けませんでしたが、創部3年目の四国大学女子ラグビー部が2日目の順位決定戦で日体大UNICORNSに勝利して、来年度のコアチーム昇格を決めました。RUGBYJAPAN365に掲載されている記事のリンクはこちら「四国大が初昇格。追手門が残留・アルテミが降格」

Youtubeで探してみたところ、順位決定戦の追手門とアルテミの試合がUPされていました。コアチーム同士の戦いは総合順位でも上回っている追手門がアルテミ相手に3トライを奪い快勝しました。

四国大学については、以前にリージョナル7sの関東大会を観戦に行った時にも書きました。その後リージョナル7sの関西大会でも優勝し、昇格を狙うチャレンジャーとして迎えた入替戦の初日。予選での大一番、横河アルテミとの対決は前半で2トライ2ゴールを奪われるも、そこから追い上げて最後のプレーで逆転したそうです。2日目の決勝では延長戦の末、追手門学院に敗れたものの、入替戦の主役は四国大学と言ってもよいでしょう。もちろん来年の太陽生命WSSに向けて、まだまだ力不足なところはあると思います。ただ伸び盛りの若いチームが加わること、そして四国という地域から国内最高峰のリーグに参戦するチームが出てきたことは嬉しいですね。

今週末は女子のテストマッチ以外でも高校男子のアシックスカップもあり、トップリーグカップの予選最終戦もあり、また忙しくなりそうです。ノーサイド・ゲームも話題を集め、ラグビーの話題ばかり。このまま9月のW杯まで突き進んでいきましょう。

ユニバの金メダル獲得と太陽生命WSSの成果を考える

まずは前回のブログでも書いていたクボタと三菱重工の試合の観戦レポートがクボタのHPに掲載されていたので、リンクはこちら。

そして日曜深夜に行われたユニバーシアードで男女日本代表が共に金メダルを獲得、そして本日、日本協会から東京オリンピックに向けた「第1次オリンピックスコッド」と「トレーニングスコッド」の発表がありました。会見とスコッドのメンバーについてRugbyRepublicの記事はこちら

まずはユニバ、男女共にチームの完成度が他の国よりも高かった日本

昨年のアジア大会では果たせなかった男女同時優勝、大学生を中心とした若い世代が大活躍しての金メダルでした。写真は日本協会のTwitterから拝借

Youtubeに決勝のハイライトがアップされていますが、男子も女子もボールを動かし続けるアタックで相手のDFを翻弄、DFでもしっかり連携して守り、相手のミスを誘ったり、ジャッカルして反則を誘ったりしていました。個々の強さ、速さが勝負を決めるセブンズですが、そこにチームの戦略、戦術をしっかり落とし込んで、チーム一丸となって戦った日本は金メダルにふさわしいチームでした。

トライシーンを中心にしたハイライト男子決勝は5:30~、女子決勝は15:45~、共に自分たちのスタイルを貫いて快勝、金メダル獲得という素晴らしい結果を持って帰国しました
男女のスタッフも混じっての記念写真、男子の鈴木貴士HC(前列右端)は7年前にクボタスピアーズで通訳をする機会を頂いたときにお世話になり、今回がHCとして初の大会。本当に嬉しい優勝です!

セブンズの経験値が高かった日本、女子は太陽生命WSSが実践の場に

最終日の準決勝、決勝はLIVE中継があったので見てみましたが、日本は男女ともに相手よりもセブンズ慣れしていました。男女共にアタックで孤立する場面はほぼなくフォローがしっかりついて、倒れる前に繋いでラックにせずにボールを動かしていこうという意図が見ながらわかりました。男子は準決勝のロシア戦、自陣G前でのDFでもタックルミスはほとんどなく、相手のミスも誘って前半を我慢するとハーフタイムの時点でロシアの選手はバテバテ、後半は2トライを奪っての完封勝利。決勝の南アフリカ戦も相手にリードを許すことなく、南アの2トライは共にDFの裏のスペースにキックを蹴ってスピードのある選手がトライを奪ったものの、DFは崩されませんでした。

女子は春になってSDSの召集は何回かありましたが、チームの本格的な指導は6月に入ってから。北海道のピリカモシリ7sの前に合宿を行い、大会で実戦を積んで、チーム作りを進めてきました。最終日は準決勝でロシア相手に、決勝では予選ではノータイムからトライを奪って勝利したフランス相手に、共に5トライを奪う圧勝で、暑さ関係なし、文句なしの強さを見せました。

ユニバーシアードという学生カテゴリーでは、大学ラグビーがさかんな日本は世界のトップレベルかもしれません。男女共に中学や高校でユースアカデミーに選出された選手が多く選ばれていたと思います。男子だと東芝の桑山選手や関東学院大学の川崎選手ですかね。女子だとすでにトップのフル代表を経験している選手が半数以上でした。協会HPにある選手団の名簿はこちら

そんな中、女子に限って言えば2014年から始まった太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ、今年で6年目を迎えましたが、ここで実戦経験を積んだ選手が多くいますね。例えば原わか花、黒木理帆は石見智翠館高校のときから大学生、社会人を相手に必死に喰らいつくかのように戦っていました。堤ほの花、永田花菜、長田いろはも高校は九州ですが当時からチャレンジチームの一員として参戦し、活躍していました。そういった実戦での経験値は、ユニバーシアードという大会では他の国に比べて明らかにアドバンテージがあったでしょう。勝負どころをわかっているというか、太陽生命WSSで見せている普段の実力をしっかり出して勝つべくして勝ったという印象ですね。

女子は半数以上のメンバーがアジアシリーズやワールドシリーズに参加したことのあるメンバー、キャプテンを務めた平野夢芽は高1のころから太陽生命WSSに参戦、セブンズに特化したイメージですね

ユニバーシアードで金メダルを獲得したとはいえ、男女共に次のワールドセブンズシリーズにはコアチームとして参戦出来ない状況です。それでも今回、こうしてよい結果を出せたことは今までのセブンズ強化のシステムによるものが大きいです。個々がしっかり戦い、相手をしっかり分析し、自分たちのペースを掴めれば、どんな国にもしっかり勝てる。そんなことを再確認できたような大会でした。ワールドシリーズに向けては、個々が更に強く速くなることがまず前提でしょうね。強豪国に限らずどの国もメンバーをある程度固定して年間計画で強化を進めていると思います。

ユニバーシアードのように圧倒できないのが、世界の強豪国が集まるワールド7sシリーズです。そして来年の東京オリンピックに向けて、強化スケジュールも本日発表されましたが、どうチャレンジしていくか。期待していきましょう。

9日に帰国した代表選手団は早速、取材攻めにあったみたいです。女子キャプテンを務めた平野夢芽はまだ19歳、大役お疲れ様でした。写真は日本協会のTwitterから拝借。

個人的には女子は代表選手を中心としたSDSでチャレンジチームとして来年の太陽生命WSSに参戦、オリンピックに向けて国内の競合と競い合って(もちろん圧勝して)、準備していくのもありだとは思いますが・・・協会はどう強化するのか注目。

オーストラリアに遠征中のサクラフィフティーンは13日にテストマッチ初戦

5日金曜に日本を飛び立ったサクラ15は現地のチームと合同練習、写真は日本協会のTwitterより拝借。

最後になかなか情報は拾えませんが、15人制のサクラフィフティーンも13日の豪州とのテストマッチに向けて準備中です。選手が入れ替わってどんな先発メンバーになるのかわかりませんが、フィジカルに優れたオーストラリア相手に、どんな戦い方をして、どう挑むのか。注目しています。頑張れニッポン!頑張れサクラ!!