リーグワン観戦、Div.2の上位争いは浦安DRが競り勝つ

17日日曜はパロマ瑞穂ラグビー場で行われた豊田自動織機シャトルズ愛知と浦安D-Rocksの試合を観戦に行きました。シャトルズのコーチングスタッフの古川さんは2013年に一緒にJICAのプログラムでスリランカに派遣されて、1月の試合後に撮った写真では「お互い当時と変わらんな~」なんて話をしました。

古川さんは私の3つ上ですが相変わらず若い

試合の方はお互いDiv.1を目指す者同士、激しいぶつかり合いとなりました。前半はシャトルズの反則からG前ラインアウトのチャンスを作ったD-Rocksが2トライを奪いリード。シャトルズも反撃のトライを狙い攻め込みますがD-RocksのDFを突破できず、それでもPGを2本決めて8点差で前半を折り返し。お互い外国人選手を中心に接点では激しい攻防でしたが、前半はD-Rocksの方が攻守にわたってシャトルズを上回っていたと思います。

前半ラストプレーのPG、シャトルズ10番元イングランド代表フレディー・バーンズ選手のキックは素晴らしかった

そして勝負の後半、先に得点を奪ったのはシャトルズ。D-Rocksのキックからのカウンター、逆サイドのタッチライン際へのキックパスが追いかけたWTBの選手の手に収まる見事なトライに会場は大盛り上がり。トライ後のキックは惜しくもポストに当たり失敗しますが、11-14と追い上げます。その次はD-Rocksがエリア中央の攻防からオフロードパスでWTBの選手がラインブレイクするとサポートの選手に上手く繋いで突き放すトライを奪い、結局この3トライ目が決勝点になりました。

シャトルズは正面のPGを決めて5点差にしますが反撃はここまで

改めてハイライトを見ると得点シーンばかりですが、お互い接点での攻防は激しかったですが、その中でホームのシャトルズの選手が見せるハードなタックル、ボールキャリアーへのしつこい絡みは見事で(モールパイルアップが3回くらいあったような)D-Rocksのアタックを何度もターンオーバーするなど、DFで奮闘した試合だったと思います。一方でアタックではキックカウンターからの1本のみなど、敵陣でのチャンスをトライに結び付けられなかったのが残念でした(もちろんシャトルズのATを防いだD-RocksのDFが見事だったのもあります)。

この2チームがDiv.1の下位チーム(おそらく近鉄ライナーズは三重ホンダヒート)との入替戦に進みますが、やはりアタックをもっと得点に繋げられないと厳しいかなと思います。スクラムではお互い反則を取られる場面もありましたが、ラインアウト含めたセットプレーでも互角に戦えれば入替戦は面白くなりますね。また機会が合えば応援に行きたいと思います。

リーグワン観戦、三重Hは開幕からの連敗を脱せず

10日日曜は鈴鹿で行われたリーグワン第9節、三重ホンダヒートとリコーブラックラムズ東京の試合を観戦してきました。昨シーズンは現地観戦できなかったリーグワン、今年は三重、愛知、静岡の東海エリアの試合を訪れていますが、ヒートの試合は今季4試合目(スピアーズ、サンゴリアス、ヴェルブリッツに続いて)になります。

入場時に貰うマッチデイプログラムには後輩の植村君が表紙でコメントしていました

今季、昇格した三重ホンダヒートは開幕からいまだに勝利なし。序盤のクボタスピアーズ東京ベイとの試合では完封負けでしたが、徐々にチームの仕上がりは上がってきていますし、先日のパロマ瑞穂でのトヨタヴェルブリッツとの試合でも戦える場面は増えていたと感じました。

選手入場時、スモークを出したり、観客はスティックバルーンをたたいて盛り上げていました

対してブラックラムズも厳しい試合が続いています。昨季王者のスピアーズとの試合は試合終了直前にリードを奪うも、そこからPGを決められてまさかの逆転負け。ヒート相手にしっかり勝ってリーグ後半戦に向けて勢いをつけたいと思います。試合開始から激しいぶつかり合いでしたが、先制はブラックラムズ。ヒートの反則からG前ラインアウトのチャンスを作るとモールは押し切れませんでしたが、そこから10番中楠選手がショートサイドに走り込んで先制トライ。その後もヒートがシンビンを出た直後、再びG前ラインアウトをきっかけに追加トライを奪います。

1人少ないヒートの反撃はワイドなアタックで12番クリントン・ノックス選手がライン際をブレイクして敵陣に入って攻め続けると最後はG前のラックから10番呉選手が抜け出してポスト下にトライ。1人少ない状況で5点差に追い上げたのですが、そこからハーフタイムまでの少ない時間、トライを奪った直後にトライをあっさり返されて、さらに終了間際にもトライを奪われたのが大きかったです。前半を終えて7-24とスコアが開いてしまいました。

ブラックラムズは前半終了間際に4トライ目を奪ったのが大きかった

後半は風上になったヒートが開始から積極的に攻めて、キックを交えたエリア争いでも優位に進めます。リーグ序盤では大外に展開した時のハンドリングエラーが目立ちましたが、この試合ではかなり前に出れていました。それでも時間が経つにつれて、ここぞという場面でミスも目立って得点に繋げられないのが悔しいところ。後半はブラックラムズを0点に抑えたものの、返したのはモールを押し込んだ1トライのみ。14-24で開幕からの連敗を止めれずでした。前半トライを返した直後に失点しなければ、初勝利を狙える展開に持ち込めたと思います。

ヒートはキャプテンの古田選手を怪我で欠いたり、チーム状況は厳しいかもしれませんが、試合内容は良くなってきていると思います。この試合、セットプレーは安定していたと思いますが、ATではいかにイージーなミスを減らせるか、DFではいかに反則を減らして相手のチャンスを少なくできるか、当たり前ですがそこの部分が改善できれば良いですね。ホンダは再来週24日にダイナボアーズ、来月21日にブレイブルーパスをホームで迎え撃ちますが、また現地観戦に行ければと思います。頑張れ三重ホンダヒート。

今更ですが、WXV2のスコットランド戦の振り返り

サーバー関係のバージョンの更新が出来ずにいて手間取っていましたが、無事に解決しました。11月に入り、高校ラグビーは各地で花園予選、大学ラグビーは全国選手権に向けて後半戦、そして社会人は各地域リーグやリーグワンのプレシーズンマッチが行われています。女子は今日4日に関東大会が始まり、昨年度日本一に輝いた東京山九フェニックスが勝利しました。先週のフランスW杯が終わり、これからは国内のラグビーに注目ですね。

ジェイミーJAPANのW杯シーズンの締めはこちらで。

スコットランド戦をYoutubeでチェックして見て簡単に振り返ります

まず先月南アフリカで行われたWXV2、日本の最終戦はスコットランドを相手に7-38で敗れ、6チーム中5位(1勝2敗で3チームが並びました)で終わりました。3戦全敗のサモア(オセアニア1位)が次回はWXV3に降格し、WXV3で1位のアイルランド(ヨーロッパ枠)が昇格してくるはずです。またトップのWXV1はイングランドが3戦全勝、昨年のW杯決勝でNZに敗れたリベンジを果たして優勝しました。ここは予想通りというか、世界ランク通りの実力差があるのかなと思います。大会公式サイトの試合結果(Standings)は、こちら

https://twitter.com/WorldRugby/status/1720713885529903450
2023年の女子の世界ベスト15、映像見るとどの選手も走りが凄い

そして日本とスコットランドとの試合レポートはRUGBY JAPAN 365のサイトに掲載されています、こちら ⇒ 「サクラフィフティーン2勝目ならず
試合の方は前半開始から自陣でのプレーが続き、スコットランドもFWがプレッシャーをかけてきましたがしっかりこらえました。先制トライの場面も自陣スクラムから今釘選手のキックで敵陣へ、相手のカウンターアタックを止めてカウンターラックで反則を奪い、津久井選手がクイックで仕掛けて繋ぎ、長田選手が先制トライ、という素晴らしい形でした。自分たちが目指すアタックのイメージが共有出来ているからこそ、ターンオーバーからのチャンスを活かせたと思います。しかし前半6分に奪ったこのトライとキックが日本唯一の得点でした。

その後も日本のアタックはスコットランドのDFをパスで揺さぶって前に出続けます。SH津久井選手、SO大塚選手がテンポよくボールを動かしますが、ほかの選手のポジショニングの速さ、特に裏へのキックに対して素早く下がり、広いスペースから大外まで球を動かすカウンターが良かったです。チーム内で相手より素早く動いて機先を制す、そんな拘り、スタンダードの高さを感じました。またエリア中盤では津久井選手や今釘選手のキックから敵陣22mに入るきっかけを作るなどこれまで以上に通用していましたが、スコットランドも僅かな隙をターンオーバーに繋げるなど拮抗した展開になりました。

前半残り10分を切ってからは自陣でDFする時間が増え、スコットランドのアタックも色々なオプションを用意していましたが、良く止めていた方だと思いました。残り2分を切って自陣G前のマイボールスクラムから脱出を図ろうとしましたが、No8に入った齋藤選手が持ち出したラックで相手の10番にしつこくからまれて反則を取られたのが痛かった。そこから最後はスクラムを何度も組まれてペナルティートライを奪われ、1番に入った加藤選手がシンビンに。相手スクラムでは押し込まれると加藤選手が横向きになっているように見えました、相手3人の強烈な押しに対して2番谷口選手3番佐高選手、永田選手の2人で受けるような感じだったのかもしれませんね。スコットランドはこのFW戦、セットプレーで優位だったが故に、慌てることなくゲームを進められたと思います。

ハーフタイムに出たスタッツではPossessionは日本38%、スコットランド62%に対して、Territoryは日本55%、スコットランド45%、そして反則は日本がスクラムでやられるなど10に対してスコットランドはわずか3。7-7のスコア以上に実はスコットランドがゲームを優位に進めていた印象です。

後半の日本は粘り強いDFを見せるもスコットランドのアタックを止めきれずに失点を重ねました

後半は風下になり、スコットランドの猛攻を受け、日本は5トライ31失点を奪われました。14人で迎えた開始のキックオフからの攻防で相手の13番が見事なランを見せ、ノーホイッスルトライを奪われたのは痛かったですね。14人でのDFは相当厳しくなると思いましたが、スコットランドのアタックはこの勝負所で皆が良い動きをしていました。その後もスコットランドが調子を上げて良いプレーを重ねる中で、後半の日本は圧力を受けてハンドリングエラーやサポートの遅れが目立ちましたね。これには前半で負傷交代した小林選手ほか、傷んでいる選手など意図していない部分が影響したのかもしれません。

そしてスコットランドのハーフタイムの修正力というか、日本に対応してきた後半のアグレッシブな戦いにそこまで力をつけたのかと正直驚きました。ほとんど反則もなく固いDFを見せ、アタックでも単純なプレーは少なかったです。対して日本は後半28分、相手のキックミスから敵陣22mラインアウトのチャンスを得て攻め続けますが、スコットランドの固いDFを突破しきれず、最後は外へのパスミスでボールがタッチラインを割りスコットランドボールに。後半のスコットランドのパフォーマンスはWXV2で同じく3戦全勝のイタリアを得失点差で上回って優勝した実力を証明していました。

WXV2の5位という結果だけでサクラフィフティーン(日本協会のサポート含め)に対して、批判的な見方もあるのかもしれません。ただ個人的には以前よりも強豪相手に通用した部分、やりたいラグビーを発揮できた部分が増えたし、トライも増えました。また改めて近いうちに振り返って整理できればと思います。国内合宿からイタリア、南アフリカへの遠征、選手の皆様、本当にお疲れ様でした。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1720283759579463765

アジア7sタイ大会は女子が優勝、W杯準々決勝は予想以上の激戦に

タイ大会は男女ともに決勝に進出、相手はともに香港でした

サクラセブンズの先発メンバーはFWにライチェル、田中、三枝でBKには原、須田、西、そして今回初キャプテンに選ばれた吉野の7人。今回はSHに原選手を起用する新しい形でした。前半はオフロードパスを多用して攻め込み田中選手、三枝選手がトライを奪って前半10-0。日本の連携の取れたDFは香港にラインブレイクを許さず、ほとんど敵陣でプレーしました。

日本が優位に試合を進める中、後半も自陣10mライン近くのスクラムからSHに入っている原選手が持ち出しすと追ってきたDFを振り切って約60mの独走トライ。その直後にも交代出場の水谷選手がショートパスに走りこんでラインブレイクしてトライ。香港に1トライ返されるも、最後はノータイムでも攻め続けて水谷選手が倒された後、すぐに起き上がって走るとおよそ40mを独走し、香港DFは追いつけずにダメ押しトライを奪って29-5と快勝。9月の韓国大会に続いて優勝し、交代で入った選手も活躍するなど、良い内容で来月のパリ五輪予選に向けて選手の底上げが出来ているのかなと。日本協会HPにある大会後のコメントは、こちら

続いて行われた男子の決勝、相手の香港はアジアでの最大のライバルと言ってよいでしょう。香港のキックオフから日本自陣でのプレーが続く中で、まずは香港が大外にいた選手が内側に切れ込むと日本のDFが捕まえられずにラインブレイクを許し40m独走の先制トライ、前半3分でした。その後、日本は香港DFの裏のスペースへ深く蹴りこんでチェイスするとG前で相手選手をタッチラインに押し出してチャンス。そこからG前でオフロードパスをもらった林選手がトライし7-7で同点。残り時間が1分を切る中で香港は自陣からキックを蹴って日本は自陣22mまで戻されてのアタック。外に蹴りださずにアタックを試みると倒されたところに4番松本選手がうまく走り込んでラインブレイクし一気に90m独走トライ。12-7とリードして前半を折り返します。

勝負の後半でしたが、日本はシンビンが出て1人減っている間に香港に2トライと2ゴールを決められて逆転を許します。そこから逆転を目指して残り2分、日本は自陣G前のスクラムから攻めるも敵陣まで進めず。さらに香港に再び攻め込まれてトライを許し12-26と逆転負けで準優勝に終わりました。男子は女子と比べてほかの国との力の差がほとんどなく、この決勝でもアタックでは香港のDFを上手く突破できず、DFでも相手ボールを奪うような機会はなく、内容的には劣勢は否めません。来月の五輪予選での優勝を目指す中で、どう強化を進めて挑んでいくのか引き続き注目ですね。

W杯フランス大会は準々決勝、IREとNZLの戦いは素晴らしかった

そして今日明日と行われるW杯フランス大会の準々決勝、予選プールを振り返ればプール1位はヨーロッパ勢の北半球、プール2位は豪州を倒して2007年大会以来の8強に進出したフィジーを含む南半球になり、北VS南の4試合となりました。土曜の2試合はアルゼンチン、ニュージーランドの南半球が勝利し、予選プールの負けから修正してトーナメントに向けて調子を上げてきたといったところでしょうか。

特に日本時間15日未明に行われた世界ランク1位のアイルランドとラグビー王国ニュージーランドの1戦は世界中で注目されていたと思います。W杯の歴史の中でいまだにベスト4進出を果たせていないアイルランドがテストマッチ17連勝中で迎えた準々決勝、いよいよ呪いみたいなものを敗れるかと自信を持って挑んだと思いますが、ニュージーランドが勝負強さを見せました。詳しい試合展開などはここでは書きません。ただ終盤に4点差を追いかけるアイルランドが見せた30フェイズ以上のアタックに、反則をせずに止め続けて最後はベテランの選手がジャッカルを決めてDFで勝ち切ったニュージーランド。言葉も出ないというか見逃さないように見守る、そんな凄まじい攻防で試合が終わった後も大喜びする選手はいない、徐々にお互いの健闘を称えあうような光景でした。

今もこのブログを更新している間にイングランドVSフィジーが始まり、そして4時からは開催国フランスVS前回王者南アフリカの激戦必至な戦い。アイルランドとNZの試合のような予想を超えてくるような激しい戦い(できればお互い規律も保って退場者が出ないように)に期待します。

今更ですが、サクラ7sのアジア大会決勝を振り返る

日曜に中国杭州アジア大会も閉幕しました、7人制ラグビー競技が終わって2週間も経ちましたし、女子の決勝の動画も見つけたのは先週ですが、後半は後回しに。結果は21-22で負けて悔しい銀メダルになりました。今回は試合経過をレポートする形で書きますが、前半終えて0-22では勝つのは難しい。だかそこから日本の追い上げは素晴らしかったです。

中国と日本の決勝は20:40過ぎから

日本の先発メンバーはFWに梶木、三枝、田中、BKに平野、須田、大谷、堤でした。前半開始は中国のキックオフ。日本はキープして自陣からアタックを試みますが大谷選手が仕掛けて22m内で捕まったところでサポートが遅れたところを中国が見逃さずにラックでターンオーバー。そこからのアタックで日本のDFは対応が遅れて中国の選手を倒せずに繋がれてしまいポスト下に先制トライを許します。

さらに次のキックオフでもこぼれた球が中国に転がり、一気に自陣22m内に攻め込まれます。中国は外に展開してゴールラインに迫るも堤選手と平野選手が捕まえて外に押し出し、G前の日本ボールラインアウトをしっかりキープ。裏へキックを蹴ってプレッシャーをかけるも中国の選手は無理に仕掛けずにほかの選手の戻りを待ってボールキープ。そこから継続してG前に攻め込むと外に展開した中国の選手が捕まえに来た日本の選手を個の力で振り切って裏に抜け出し連続トライ。12-0とリードします。

中国が流れを掴んだ中での3度目のキックオフはまたしてもこぼれた球がプレッシャーをかけた中国選手にきれいに収まって再び自陣22m内でのDFに。中国からボールを奪え返せずに最後は外のスペースに展開した中国がインゴールに飛び込んで3トライ目を奪い、優位に進めます。次のキックオフで日本はボールをキープしますが、自陣でのアタックで中国のタックルに倒れるとそのラックで日本が反則。中国はスクラムを選択し、アタックを継続してG前に迫るとラックサイドを攻め込み、サイズに勝る中国の選手が日本のタックルを押し返すようにインゴールに飛び込み4トライ目を奪いました。

前半はホームの中国がDFからチャンスを作って、一気に先制トライを奪ったことで流れを掴みました。日本は決して悪い入りだったとは思いませんが、キックオフレシーブをしっかり確保出来ずに、こぼれ球がきれいに中国のボールになったことで、これまでの戦いでも見せた素早いセットから連携して前に出て止めるDFが出来なかった。そして勢いに乗った中国のアタックがはまりました。東京五輪で戦った時の状況と似ているのかなと(その時はキックオフ直後の日本のアタックを鋭く前に出てタックルで倒し1分も経たずに先制トライ)。

日本は逆転を狙う後半開始のマイボールキックオフ、梶木選手がターンオーバーに成功するもパスが乱れたこぼれ球を蹴られて一気に自陣G前に。堤選手が戻ってアタックを試みますがラックで反則を取られて一転ピンチに。ここで中国に得点されると逆転はかなり厳しくなりますが、大谷選手が相手を押し返すタックルからラックで中国の反則。すぐに仕掛けて最後は三枝選手が40m走ってトライを返し、15mラインより外側の難しい位置のキックを須田選手が成功し、7-22。

次のキックオフでは中国がキープするも、日本のDFが中国のアタックを押し下げて22m内で大谷選手が強烈なタックル。そこからまたしても中国が反則し日本のチャンスに。逆転を狙いに攻め込む中でタックルに入った中国選手の頭が田中選手の顔にぶつかりTMOの結果、危険なタックルでレッドカード。日本はG前のアタックで走りこんだ中村選手がDFに捕まりながらもオフロードパスで平野選手につなぎポスト脇に飛び込んで2トライ目。すぐにキックも蹴りこんで14-22と一気に追い上げます。

SEPTEMBER 26, 2023 – Rugby : Women’s Final between China 22-21 Japan at Hangzhou Normal University Cangqian Athletics Field during the 2022 China Hangzhou Asian Games in Hangzhou, China. (Photo by AFLO SPORT)

キックオフを確保した中国は人数が1人少ないのもあり、タッチラインから15mラインの間に6人が並んでアタック。ボールキープを主としてアタックしますがラックに倒れるように入った選手が反則。そこを起点に堤選手、大谷選手が抜け出してG前に攻め込むと中国の反則から平野選手がクイックで仕掛けてポスト脇にトライし、ついに21-22と一点差に。

残り僅かでのキックオフは、中国が競り勝って後ろにタップしボールキープ。日本もボールの獲得を目指して必死にDFしますが、ノットロールアウェイの反則を取られ中国はスクラムを選択。中国が自陣からアタックする中でノータイムのホーンが鳴り、外に蹴りだして終了・・・と思われましたが、プレッシャーを受けて後ろに蹴ったボールがインゴールに入り、堤選手と中国の選手が追いかけます。最後はわずかの差で中国の選手が蹴りだして逃げ切り勝ち。よく見れば蹴ったボールが中国の選手の方に転がった分だけ、追いついた感じでした。

日本協会HPにある決勝戦後の鈴木HCと選手のコメントは、こちら。中村選手のコメントに「中国は組織としての戦略が非常に明確で、波を一気に持っていかれてしまいました。」とありますが、この決勝戦では打倒日本に向けてかなり戦略を練って準備してきたと感じましたし、最初のプレーがはまって先制トライを奪ったことで一気にまとまりを見せました。日本は中国の気迫に負けたというわけではないですが、前半に4トライも取られたのは予想外だったと思います。そして逆転を狙った後半の戦いは本来の力を見せてくれたと思います。

サクラセブンズは今週末のアジアシリーズのタイ大会に参加するメンバーも発表しました、こちら大橋選手、西選手の大学1年生コンビ、アジア大会はコンディション不良で外れた水谷選手ら若い選手が入っていますね。ほかのメンバーの顔ぶれを見る限り、11月のパリ五輪予選に向けてのセレクションも兼ねていると思うので、それぞれがベストパフォーマンスを見せて優勝して五輪予選に勢いをつけたいですね。頑張れサクラセブンズ!!