全国U18女子セブンズ初日の話

このブログは年内で終えますが、残り1か月半は更新頑張ります。本日15日に熊谷ラグビー場Aグランドで行われた全国大会初日。さすがに全試合は見れませんでしたが、準決勝進出をかけた4試合を中心に書きます。先に結果を話すと明日の準決勝のカードは追手門学院VS関東学院六浦、京都成章VS福岡RFCになりました。日本協会HPにある試合結果のリストはこちら

杯でも試合が行われた熊谷のAグラウンドでプレーできる女子は幸せですね

準々決勝は全て完封勝利という驚き、やはり勝ち上がるにはDF大事

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1857270376583041362

まず改めて試合結果を見たら驚いたので、全試合のスコアを載せます。
追手門学院  14-0  佐賀工業
関東学院六浦 31-0  四日市メリノール
京都成章   36-0  石見智翠館(島根)
福岡RFC   22-0  麗澤(千葉)

男子の花園でも熱戦が続く準々決勝が一番面白いと聞いたことはありますが、今年の全国U18女子セブンズは勝者チームが実力を見せつけたような結果になりましたね。男子と比べると女子は選手の体格やスピードの差が大きくない中で、接点のバトルで求められるフィジカルや唖然後半の14分間で走り勝つフィットネス、それに交代選手も含めた試合メンバーの総合力で上回ることが勝敗に影響します(当たり前ですが)。

そこから見ると追手門学院は佐賀工業を相手に接点では相手のキャリアーに対してボールにしつこく絡みにいく場面が目立ちました。またタックル後も素早く起き上がって7人体制のDFラインを敷いていて、素晴らしいDFでした。14-0というスコア以上に、追手門学院がゲームを優位に進めて佐賀工業は終盤までトライチャンスを作れなかったですね。

次の試合は序盤にメリノールが攻めこんで、六浦はプレッシャーを受けていたと思います。それでも前半5分過ぎに自陣Gに近い中央スクラムからアタックし、外の1対1からオフロードで繋いで抜け出すとそのまま走り切り80m近くの独走トライ。そこからさらに前半7分、後半1分、4分と連続トライを奪って勝負を決めました。最後は山本キャプテンが目の前のDFの頭を超すショートパントを自らキャッチして40m近くを走り切りトライ、見事な個人技でした。また奪った5トライ全てが違う選手ということもあり、タレントある選手が揃っていますね。

4試合目の麗澤と福岡の試合は前半1分に福岡が先制トライ。その後も福岡が敵陣でアタックし、麗澤は粘り強いDFが続き5点差でハーフタイム。そこから勝負の後半で1分、3分と福岡が良い形で連続トライを奪ったのが大きかったです。ここでいう良い形というのはあまり時間をかけず、相手に良いDFをさせずにトライを奪うという意味で、例えばターンオーバーしてのアタックで一気にトライするなど、ゲームの流れに大きく影響を与えるような意味です。福岡のアタックは素早いというよりはじっくりDFのミスを探すようでした。6番の大内田選手を中心に左右に大きく展開して攻めてキャリアーは捕まっても簡単には倒れず、結果目立ったミスなく攻め疲れもなかったと思います。横綱相撲というか、プレーに余裕を感じましたね。

トーナメントを勝ち上がる上では、接戦の状況の中で得点に繋げられる個々の強みが必要になるときもありますが、失点に繋がるようなミスをしないタフなDFも必要です。今日の準々決勝では4試合全てが完封勝利というのを見ると、勝ち上がったチームはDF時のルールや決め事がしっかり決まっているのかもしれません。あとはチームDFにフォーカスした練習が出来る(それが出来るくらいの選手数がいる)んでしょうね。明日のDay2は順位ごとに分かれてのトーナメントになるので接戦が増えるでしょう。全ては見れませんが、楽しみです。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1857316319907213778
明日のトーナメントは今日の順位ごとに分かれるので、接戦が続きそうですね

今日のプレーを見ると、明日の準決勝はどれも接戦になりそう。追手門学院を除く3チームは4月のサニックスユースで戦っていますね。いまサニックスユースの大会HPを見たら、初日の予選プールでは六浦7-5福岡、2日目の決勝では成章10-7六浦、決勝で福岡17-7成章と、じゃんけんみたいな勝敗に。明日の準決勝は春に負けた成章が福岡へのリベンジを狙う形で熱い試合になりますね。そして六浦はどこからでもトライを狙えるチームですが、追手門学院はしつこいDFが出来るチームです。年末の花園での東西対抗戦もありますが、所属チームで戦う高校ラストの1日、ほかの順位トーナメントも含めて、ベストプレーを見せてほしいですね。

明日にアジアセブンズを控えたセブンズ日本代表の話

ここ数日の間に夕方からの冷え込みがぐっと強くなりましたね。夜はグランドにいたのですが、急にダッシュしたときに怪我をしないよう、気を付けてました。このブログ、年内で終了しますが、それまでに観戦記や代表の話など更新の頻度を増やしていけるよう頑張ります。今日は週末にタイで行われるアジアセブンズシリーズのお話です。

男子は代表経験の少ない若いメンバーで決勝まで勝ち上がれるか

リーグワン以外のチームからも選出されている男子、写真はJRFUのポストから拝借

まず男子ですが、これまでの2大会で3位、2位という結果でライバルの香港を追いかける状況です。このアジアセブンズシリーズの結果が来年に行われるであろう、ワールドセブンズシリーズへのチャレンジ大会への出場権にも影響すると思うので、タイ大会では韓国や中国に勝利して決勝まで進まないといけません。その中で選ばれた13名の登録メンバー、JRFUのHPにもUPされています。来日したり帰化した海外出身の選手がいないのはここ数年ではほとんど見たことがないですね(数年前のセブンズW杯アジア予選では海外出身の選手を多く選んで挑んでW杯出場を逃したこともありました)。

正直、名前と顔が一致しないメンバーばかりでセブンズ代表での大会出場数も全員が3以下とまるで生まれたばかりのような男子代表。12月に開幕を控えているリーグワンのチームからの協力(代表活動への理解や連携など)は十分に得ているとは言えません。それでも選ばれた選手は代表のプライドをしっかり見せてくれるはずです。三重ホンダヒート所属の植村選手は過去にもセブンズ代表経験があり、久しぶりのセブンズ代表復帰。彼が小学生の頃に指導したこともあり茗溪学園の後輩でもあるので、植村選手の強みである鋭いランに期待しています。

女子はパリ五輪に出場した4名が加わりライバル中国に勝てるか

スポ大出場を経てセブンズ代表に復帰したパリ五輪代表の4名、写真はJRFUのポストから拝借

そして女子ですが、これまでの2大会は東京、パリと五輪に向けて国際大会での経験を重ねてきた主力メンバーを休ませて、新しい若手メンバーを中心に挑みました。香港に延長戦の末負けることもありましたが、男子と同じく3位、2位という結果でライバル中国に惜敗という結果です。またタイ代表とも接戦になるなど、優勝を目指す中でタフな戦いを重ねてきたと思います。そこから10月上旬に佐賀で行われた国民スポーツ大会を挟み、熊谷、久留米での代表合宿を重ねてきました。

JRFUのHPで大会登録メンバー13名が発表されていますが、セブンズ代表キャップ数が1桁台が6名、パリ五輪に出場した選手が4名と見た感じはバランスの取れたメンバーになりました。一方で個人的に懸念しているのはこれまでサクラセブンズでFWを引っ張っていた梶木選手や三枝選手らの不在です。おそらくFWには大橋選手や秋田選手、もしかしたらユーティリティーの田中選手や辻崎も加わるかもしれませんね。BKにはオリンピアンの内海選手、大谷選手、堤選手が並ぶこともできますが、そこに谷山選手、迫田選手や代表復帰した永田選手が銅絡んでいけるかに注目しています。

そして女子は今月末から始まるワールドセブンズシリーズに向けての戦いが始まると言ってもいいでしょう。数日前にドバイ大会の予選プールの組分けも発表されました。今年のシリーズは中国も参戦しますし、このタイ大会でどれだけ成長して強さを見せてくれるか楽しみです。

https://twitter.com/SVNSSeries/status/1854535123317784795

2年目のWXVを振り返る

前回のブログが9月17日だったので、ちょうど1か月前でした。先月三重から都内に引っ越して環境が変わり、ブログの更新が滞っているうちに女子ラグビーの国際大会WXVが終わってしまいました。日本は南アフリカで開催されたWXV2に参戦し、3戦3敗の最下位で終わってしまいました。ここでは簡単に3つのカテゴリーについて振り返りたいと思います。WXVの公式サイトにある各カテゴリーの試合結果は、こちら。それと去年のWXVを振り返ったブログ

競争力のあるヨーロッパのレベルの高さを見せたWXV3

W杯の出場経験のあるスペインが3戦全勝、初出場のオランダも強豪サモアに引き分け

中立国のUAEの都市ドバイで開催されたWXV3は初戦でスペインがマダガスカルに83-0と大勝、そしてオランダがサモアを相手にリードして試合は進むも80分を過ぎたノータイムにサモアが同点のトライ。そしてポストから少し離れた位置から決まれば逆転勝利のコンバージョンをオランダが見事なチャージで防ぎ8-8の引き分け。そして第2節ではオセアニア対決でサモアがライバルフィジーに45-17と大勝。そんなフィジーも最終戦ではスペインを相手に接戦に持ち込み、後半37分に7点差をつけられるも、そこから攻め込んでノータイムにトライ。同点を狙ったキックは外れてしまいましたが、最後まで目の離せない面白い試合になりましたね。

アジア2位で初参加の香港は第2節のマダガスカルに6トライを奪って38-7で勝利したものの、フィジーとオランダには1PGの3点に抑えられてノートライ、失点は共に30を超えてしまいました。テストマッチの経験が多くない中で、WXV3でアジア以外の代表と戦った経験は来年以降の強化に繋がっていくはずです。アジア全体の強化も期待したいですね。

オーストラリアが実力を発揮するも接戦ばかりだったWXV2

ワラルーズが3試合全てで4トライのBPを獲得し3戦全勝、南アフリカの実力に驚かされました

WXV2は初戦で開催国の南アフリカが日本に31-24で勝利し大会を盛り上げると、次のオーストラリアに26-33、そしてイタリアに19-23と7点差以内の負けのBPを獲得しました。どの試合でも強力スクラムを見せて3試合全てでマイボールのキープ率が100%、押し込んだ相手の反則を含めると、試合への影響はかなりあったと思いますね。日本は3試合全てで得点差は一桁でしたが、WXV2の全9試合で最終スコアが7点差の試合が5試合、9点差の試合が2試合あり、接戦でスコアが拮抗した試合が多かったです。

その中で南アフリカのようにスクラムという強みを発揮したり、大外に強力なポイントゲッターのいるチームが勝利したと感じます。3位になったイタリアは3試合で奪ったトライは4しかありませんが、それでも接戦をものにする強さがあるのかなと。日本の試合はハイライトでしか見れていませんが、夏の国内テストマッチから見せていた粘り強いDFとエリアを進めるキックを有効に使えたと思います。一方で敵陣22m内に攻め込んだ場面で得点に繋げられなかったり、攻め込む中でのエラーだったり得点力不足が課題というコメントが目立ちました。今年は代表活動の期間がかなり長かったですが、負けた試合はどれも似たような展開で試合後のコメントも似ていたと感じます。コーチングスタッフがどう修正を試みて、選手がどれだけパフォーマンスで見せられたのかは、代表内できちんと振り返るべきかとは思います。

イングランドが予想通りの優勝、開催国カナダも健闘したWXV1

世界ランク1位のイングランドが3試合で131点を奪い優勝も最終戦はカナダが接戦に持ち込みました

WXV1は初戦でイングランドが米国を相手に61点を奪う大勝で始まりました。アイルランドが初戦NZを相手に前半を17-17で折り返し、接戦に持ち込むと残り1分でG前ラインアウトからラックを重ねて最後は左15mライン辺りに飛び込んで同点トライ、そして逆転のコンバージョンは外側のポストに当たるも入って29-27と逆転。再逆転を狙ったNZのキックオフはノット10mとなりアイルランドが番狂わせの勝利でした。アイルランドは最終戦の米国にも26-14で勝利。昨年は6か国対抗戦で最下位となりWXV3に回って圧勝したアイルランドが1年後にはWXV1で2位になる、凄いですね。

開催国のカナダが3位でしたが、最終戦はイングランドを相手に残り15分の時点で12-7とリードを奪う展開に。その後逆転されて2点差を追いかける状況でしたが、イングランドのアタックに対して反則が目立ってしまい、最後はダメ押しのトライを許して12-21でノータイムになりました。2年前のW杯王者のNZは1勝2敗の4位でした。もしかしたらW杯優勝と今年のパリ五輪での金メダルに向けて代表強化を進めてきた中で、今は世代交代の途中なのかもしれませんね。

最終戦の残り15分からはYoutubeで見れます、最後まで激しい接点が続くタフな試合ですね

どのカテゴリーでもヨーロッパ勢の活躍が目立ちましたが、去年、今年とWXVが開催されて同じ時期にこうして3つのカテゴリーでテストマッチが行われることで、予想していたよりも盛り上がったと思います(ファンとして見てる側ですが)。現地の雰囲気とかはわかりませんが、南アフリカのノリノリで踊りながら楽しんで応援している観客だったり、試合終了の瞬間に選手が歓喜に沸くシーンを見ていると、WXV開催に向けたWorldRugbyの試みはかなり成功したんじゃないかなと感じました。はっきりと決まってはいないものの、再来年も引き続き開催されると思いますし、日本開催があっても良いですね。

国内ではSAGAスポーツ大会が行われて、決勝まで圧勝続きで勝ち上がった山口を福岡が延長の末に中村選手が飛び込んで逆転勝利で終えるなど盛り上がりました。何かしら数日以内にブログを更新出来ればと思います。

土曜に行われたイタリア戦を振り返る

土曜に行われた日本代表サクラフィフティーンとイタリア代表のテストマッチ。日本にとっては来週に南アフリカで開幕するWXV2を控えた試合でしたが、格上のイタリア代表を相手に力の差を見せられて8-24で負けました。試合後のレスリーヘッドコーチ(HC)、長田キャプテン、出場した選手のコメントは、こちら。またWorldRugbyのWebサイトでの記事は、こちら ⇒「女子日本代表、WXV2前哨戦でイタリア代表に黒星、修正点確認で本大会へ

試合はイタリアラグビー協会のYoutubeでLIVE配信されました、ありがたい

試合はLIVEで見ましたが、まずホームチームのイタリアのパフォーマンスが良かったですね。日本の粘り強いDFにミスもありましたが、ボールキャリアーの接点での圧力は強く、日本のDFを押し込んでいました。前半の序盤は日本が攻め続けていましたが、終盤の10分で2トライを奪いましたし、最後のモールをきっかけに奪ったトライはTMOの結果で無効になったものの、FWは力強かったですね。

去年のWXV2のイタリア戦のハイライトを改めてみましたが、当時も良いアタックを見せていましたね

試合後の長田キャプテンのコメントにも「テンポよくスペースに運ばれて、コンタクトで前に出られずディフェンスが難しかった。ほかのチームに比べてイタリアは接点に入る際のフットワークが優れていて、個人的にやりづらく、結果的にディフェンスが受け身になった。」とありましたが、戦った選手も力の差を感じたのではないでしょうか。試合を見ていて先日のアメリカ戦のような勝てそうな雰囲気はなかったですね。

そんな厳しい試合でしたが、目立った活躍を見せていたのがFWでは永田選手。もともとはHOでしたが、この試合では右PRで出場し安定したスクラムを日本にもたらし、相手FW選手へのタックル回数も多く、そこから素早く起き上がってのセットなど、良い動きを見せていました。BKでは古田選手。ここ数試合のテストマッチでも活躍を見せていましたが、イタリア戦でも攻守に奮闘してチームをリードし、試合終盤の時間帯にもキックチェイスで素早く前に出てカウンターを狙うイタリア選手を捕まえていました。この試合はリザーブにいたBKがSHでこの日が代表デビュー戦の妹尾選手、キックとランに優れた松村選手の2名でしたが、前半途中にSOの山本選手が松村選手と交代。BKは試合前のプランとは違う形になったと思いますが、大きく崩れなかったのは古田選手の活躍もあったと思います。

WXV2に向けて、気になるのは得点力不足ですね。これまでのフィジーとのアウェー2試合、米国とのホーム2試合、そして今回のイタリア戦合わせて5試合で奪ったトライは10本(3,2,3,1,1)。試合を重ねてきましたが、トライ数は減っています。今回のイタリア戦は前回のエコパでのアメリカ戦に比べて、ボールをスペースに動かくという点ではよく修正されていたと思います。一方で敵陣22mに入ったときに得点まで繋げるようなプレーはまだ足りない。試合開始から敵陣に攻め込みましたが、トライは奪えず16分にようやくPGで先制という流れでは勝利に繋げるのは難しいと感じました。

WXVに向けて、レスリーHCは試合後のコメントで「私たちの1週間の努力、前半のプレーを反映した結果とはなリませんでした。しかしこれがWXVに向けてのモチベーションの源となることでしょう」と話していました。確かにそうですし、本番はWXVなのでポジティブに捉えるのもわかるんですが、大丈夫ですかと(苦笑) 以前からブログでも触れていますが、私個人はレスリーHCについて世間というか関係者が思う評価とは違っていると思います。またレスリーHCを支えるスタッフの体制も充実してきていると感じています。

サクラ15、海外遠征のメンバーにサクラ7sから2名選出

日本協会のHPで9月1日に7日土曜からイタリア、南アフリカへの遠征に参加する女子日本代表サクラフィフティーンのメンバー32名が発表されました、こちら。先月の米国代表とのテストマッチに向けたメンバーが中心の中、デベロップメント・スコッドという形でパリ五輪に出場した松田凜日、水谷咲良の2名が選ばれました。

2022年のニュージーランドW杯にも出場した松田選手はパリ五輪の後にも「来年のイングランドW杯出場を目指す」というコメントを見たので、コンディションに問題なければ呼ばれるだろうなと思っていましたが、水谷選手の招集はちょっと予想外でした。松田選手はBKですが、水谷選手はセブンズではFWで出場していますし、15人制ではおそらくFLでのプレーを考えていると思います。

今の日本のアタックではFLの2人は大外のWTBに近いポジショニングをするので、水谷選手がセブンズで見せる思いっきりの良いランは期待したくなります。一方で米国との2試合ではジャッカルに長けた長田キャプテン、LOも出来て高さのある川村選手の2人がFLで先発フル出場し、良いプレーを見せていました。またFLでは向來選手も活躍していて、21歳ですでに15キャップを獲得しています。FL、No8のポジションを務める選手が固まってきた中での、フレッシュな水谷選手の招集は刺激というか、ポジション争いを狙っているのかもしれませんね。

また得点力不足が課題になっている日本にとっては、スピードもフィジカルもある松田選手の招集は代表選手の中からも期待されていると思います。22歳で9キャップを持つ松田選手は2022年のW杯前はどのポジションで出場させるのがベストか考えるくらいすでに主力選手という扱いでした。今の日本代表のBK3で出場している今釘選手、松村選手、西村選手はみなキックスキルに長けていますが、ここに松田選手が加わることで松田選手を大外のWTBに固定し、ほかの2人がダブルFBみたいなポジションを取るのも面白いのかなと。また外側のCTBに入る可能性もありますね。

改めて今回の遠征メンバーの顔触れを見ると、キャップ数が20を超える選手が13名。大学の頃から日本代表に選ばれてテストマッチに出場している選手が着実に経験を重ねてきています。PEARLSの齊藤聖奈選手は最多キャップ44を持ち、この秋のテストマッチでも活躍すると、来年は日本の女子で初の50キャップの達成が見えてきますね。また年齢が一番下なのはWTB松村選手(19歳)で、大学生は向來選手、峯選手、弘津選手、松村選手の4名で年代のカテゴリーでいえば20歳の水谷選手も入ります。

https://twitter.com/WXVRugby/status/1830538677186859465

WXV2の開幕を前に14日土曜、日本時間21時から世界ランク9位のイタリア代表とのテストマッチが行われます。海外遠征は10月12日まで1か月を超える長期になりますが、遠征の中でレベルアップして強い日本女子を見せてほしいですね。頑張れサクラフィフティーン!!