東京五輪のセブンズ競技、男子は11位、明日からは女子

23日に東京五輪が開幕、開会式のドローンによるパフォーマンスには驚きました。ソフトボールやサッカーなど先行して始まった競技もありますが、28日を迎えた時点で日本の金メダル2桁とは快挙というか驚きばかりです。競技の出来不出来が話題になるのも五輪ならでは、無観客なのは残念ですが、思っていた以上に楽しんでいます。

そんな中、26日からは7人制ラグビーがスタート。今回は男子からスタートし、1日2試合の3日間で12か国が戦っています。男子の結果は11位でした。各試合のスコアは、
  予選プール1試合目 VS フィジー 19-24
  予選プール2試合目 VS イギリス 0-34
  予選プール1試合目 VS カナダ  12-36
  9-12位決定戦1回戦 VS ケニア  7-21
  11位決定戦 VS 韓国 31-19
初戦で日本に苦戦したフィジーはその後、違うチームかのように調子を上げていって、先ほど行われた決勝戦、NZを相手に最後はPGを決めて27-12で勝利し、連覇を果たしました。

昼過ぎには協会HPにヘッドコーチや選手からのコメントが掲載されました。

日本について27日の2試合は見れていませんが、得点差を見る限りは接戦というわけでもなさそうですね。リオ五輪4位の快挙から、メダルを目指した戦いは最後に韓国に勝っての11位。3試合のパフォーマンスを見た感想としては、Twitterにも呟きましたが、「こんなもんだったのかな」というものです。フィジー戦もトライ場面など良いパフォーマンスを見せながら、大事なところでミスから失点したり、最後のラインアウトのようにチャンスを失ったり。最終戦の韓国戦もパフォーマンス自体は凄く良かったような印象はないです。

もちろん選手、スタッフの頑張りには敬意しかないです。開催国としてこれまで何日も何年も厳しい練習を重ねて強化に励んできました。キャプテンを務めた松井選手の走りも素晴らしかった。それでも世界の強豪国との差は埋めることが出来ませんでした。五輪でもキックオフの不安定さはぬぐえず、得点力がない中、DFでしっかり抑える試合展開にできず。またTwitterのフォロワーの呟きの中に「男子も女子の太陽生命WSSのように国内シリーズ大会を」みたいな意見がありましたが、個人的にはそれは良い強化策とは別かなと思います。今の代表メンバーのほとんどが所属するチームの理解を得て、セブンズに専念してきました。セブンズの試合経験が足りない印象はなく、国内にはない強豪国とのタフな試合経験をいかに重ねて、慣れるかが大事ですね。例えば今から10年前、まだ勝てなかった頃の15人制日本代表(エディーさん就任よりも前)も似たような印象です。課題を次のパリ五輪にいかに繋げるかですね。

そして明日から始まる女子、男子以上に厳しい戦いが続くと予想しています。初日はリオ五輪金メダルの高いスキルを持つ豪州、次に個人のサイズ、スピードが驚異の米国、この強敵を相手に大量得点を奪うのは難しいでしょう。まずはキックオフの攻防で簡単に相手にボールを奪われないこと、そしてDFでいかに粘り強く守り、前後半合わせて4トライ以下に抑えたいです。メンバーが大きく若返り、代表での試合を見たことのない選手もいて、正直スタメン予想するのも難しいです。協会HPに発表された大会の最終スコッド、13名はこちらです。

五輪登録メンバー予想も大きく外しましたが、それでもあえて先発7人を予想してみました。tまずスコッド内でもセブンズ経験の多いライチェル海遥、堤ほの花、平野優芽は確定でしょう。残りFW2名は弘津、フィジカルに自信のある梶木でしょうか。ラクロス出身で話題の白子は長身でキックオフのキーマンになりそうなので、交代含め出番はありそうです。BKですが、前回のリオを経験している小出もセブンズ経験豊富ですし、デュアルキャプテンでランニングに優れた清水もいるのでこの2名がスタメンに入るかと思います。そのほかにリオ五輪を経験している山中や突破力のある黒木、一気の加速で外を走り抜ける原が控えています。

永田や大谷はゲームメーカー的なポジションになるのかな、黒木はFWに入るかもしれませんし、原は後半に出てきて疲れの見えてきたDFをかき回すような動きを見せてくれるかもしれません。いずれにせよ、初日のタフな2試合をどう戦うか。怪我人が出る可能性もありますし、今はスコッド13名全員でまずは予選プール3試合をしっかり戦い抜いて、何とか8強進出を果たしてほしいなと思います。もし1勝2敗になった場合、おそらくほかのプールの3位との得失点差で8位に入るかどうかが決まります。太陽生命WSSや男子の結果を見る限り、目安は‐15点くらいですかね。なので予選で例えば5トライ差で大敗するとかなり難しいです。

長い文章になってしまいましたが、自分たちはこういう戦い方をするんだ、というのが見ているほうに伝わる試合をしてほしいと願っています。頑張れサクラセブンズ!!

ラグビー関係の書籍2冊の感想

もともと本を読むことは好きなほうですが、買って手元において満足してしまうところもよくあります(苦笑) そんな私が先日、購入した2冊ですがもともと興味があったお二人だったので、あっという間に読み終えることが出来ました!その前に前回のオンラインコーチングの話題の続きで動画を紹介しておきます。

オンラインコーチングをする上でのポイントを10分少しでまとめた動画、コーチ側がどこにフォーカスするべきか、質を高めるやり方を知るのは大事ですね。お時間あるときに是非!

強化委員長の藤井雄一郎さん、トレーナーの佐藤義人さんの本は面白い

2冊とも読みやすい、日本代表の話題も多いのであっという間に読み終えました!

まずは左側、エディーJAPANの2015年W杯のときに選手の治療を任されたアスレチックトレーナーの佐藤義人さんの著書です、Aamazonでのリンクはこちら。きっかけはそもそも時間つぶしに書店で見かけてぱらぱらと立ち読みしましたが、これは面白そうだと購入しました。佐藤さんは日テレのニュースZERO、毎日放送の情熱大陸にも出演していましたね。ニュースZEROでは嵐の櫻井君を治療して、動作を改善して、桜井君が驚愕した映像が話題になりましたし、この本を読んで情熱大陸の録画を見直しました。

内容はストレッチの本ですが、ストレッチの紹介のページはそんなに多くなく、佐藤トレーナーの経歴や怪我、治療に対する考えを伝えるといった内容です。信じられないような驚く内容もありますが治療が成功して当初の予定より劇的に早く復帰した選手がいるのですから、素晴らしいですよね。ゴッドハンド、マジックハンドといわれる所以がわかりますし、これを読んでトレーナーを志す人も多いんじゃないかなと。あと私はこの本を読んでから、足の指と体の後ろ側の筋肉にもっと意識するようになりました。

もちろんストレッチの紹介もしないとなので、代表的な「壁ペタ背中反らし」のやり方がわかる動画を紹介しますね。

藤井さんの著書は昨年のW杯で活躍した日本代表の裏話といった内容です

楽天ブックスのリンクはこちら。著者の藤井雄一郎さんはラグビー日本代表の強化委員長として、W杯での日本代表のベスト8進出の活躍を導いた一人です。また代表HCのジェイミーさんともサニックスの選手の頃からの仲で、ジェイミーさんも藤井さんを凄く頼りにしていたのが伝わってくる話ばかりの内容でした。故に面白いです。何かを達成した理由が明かされるような、明るい話題の裏側のストーリーにとても興味のある私です。著書の中でも、スタッフを更迭した話も書かれていたり、藤井さんが日本代表のためにどう行動してきたのかが書かれていますね。

そもそもはW杯が終了した後、ジェイミーとの契約更新について書かれたネット記事を読んで、面白かったのを覚えています。探してみたらありました⇒「(前編)ジョセフHC再契約の裏側」。もちろんそんな裏側話だけでなく、ラグビー日本代表が何を大切にチーム作りを進めたか。流行語大賞にもなった【ONE TEAM】という言葉についても、改めて学びました。世間では流行語のように使われていますが、日本代表がどういう思いを込めて【ONE TEAM】というキーワードを掲げたかは、もっと多くの方に知って欲しいですね。

最近はラグビーの著書を読んでいなかったので、楽しく読ませてもらいました。4,5年前はエディーさんに関する本や2015年のW杯での代表チームについて書かれた本がたくさん出版されていて、私の部屋の本棚にもいくつかあります。今回の2冊を読んで、自分のパフォーマンスのアップと、次回のW杯に向けての楽しみを増やしていこうと思います!

日曜の試合観戦と男子セブンズ優勝

日曜は印西市の端にある順天堂大学で筑波大医学ラグビー部が練習試合をするということで応援に、そして深夜はウルグアイで行われたワールド7sチャレンジシリーズ大会、1回戦のジャマイカ戦、翌朝は決勝のウルグアイ戦を観戦しました。

筑波医学は順天堂大学相手に4トライを奪い、昨年12月のリベンジ

筑波も順天堂もお互い来年度に向けてのシーズンが始まったばかりの新チーム、リザーブが限られる中で主力選手が活躍した筑波が28-5で勝利

もともと23日は高校生のお手伝いをする予定でしたが、それが中止になったため、同じ千葉県内で行われている大学生の試合の応援に行ってきました。昨年12月に行われた医歯薬リーグの試合で、優勝の決まっていた筑波医学が入替戦を控えた順天堂にまさかの負け。順天堂は入替戦にも勝利して1部リーグに残留し、筑波医学にとっては2戦連続では負けられない試合。

試合前の練習を見ていると、順天堂はサイズのあるFWと素早いパスでアタックをリードするHBのいるチームで、どんな試合になるかと期待していました。風上の前半、開始まもなくロングキックを相手がキャッチミスしたスクラムから一気に攻め込んで先制トライ。その後は一進一退の攻防になり、エリア中盤でのボールの争奪戦。そして終盤にペナルティーからG前に攻め込まれるとノータイムでFWサイドをやられて7-5で前半終了。

ハーフタイムでのチームトークでも落ち着いていて、対策も考えられていたので、序盤の戦い方をしっかりミスなく戦えたら勝てるだろうなと思っていました。後半は前半以上にアタックで前に出る場面が目立ち、G前のラックから力でねじ込んだり、自陣からラインブレイクをしたり、3トライを積み重ねて、DFではノータイムにG前まで攻め込まれるも最後は何とかジャッカルを決めてボールを奪い返して終了。しっかり快勝しました。

新チームでも主力選手が前に出て相手DFを翻弄、上級生を中心に実力を見せつけました。経毛印写の主力に頼りすぎず、若手が更に成長してくると、期待は高まりますね。

終わってみれば快勝、勝因は主力選手の活躍ですね。ピンチとチャンス、攻守に重要な局面でジャッカルでボールを奪ったり、アタックではラインブレイクやトライを奪ってくれました。経験の浅い下級生たちが、経験を積んで全体へのコミュニケーション、接点でのスキルあるプレーが出来てくると、より良いチームになりますね。今年も伸び代のあるチームになりそうです。

Twitterでも紹介しましたが、ラグビーマガジンでも2ページにわたって紹介されています。

男子セブンズは白熱した決勝戦を勝ち、2シリーズの総合優勝

月曜朝8時過ぎに行われた決勝戦、ウルグアイを相手に全後半、延長戦5分戦って両チームともトライ無し、最後はDFで我慢を重ねた日本が走り勝ちキャプテンの松井選手がトライ

日本協会のHPにも結果が載っていましたが、予選プールで3戦全勝。2日目のトーナメントもジャマイカに32-0、チリに31-10、そして決勝戦のウルグアイに再延長戦の末、5-0と勝利しての優勝。前回は準決勝で日本に勝利したドイツがこのウルグアイの大会は1回戦でチリにまさかの負け、結局5位に終わり総合ポイントで上回った日本が優勝しました。もちろん喜ぶべきところですが、東京五輪に向けて世界の強豪国との差を考えると、この大会で当たり前に勝ちきれないのが現状ともいえますね。

朝起きて眠たい中で決勝戦を見ましたが、前半G前のチャンス(動画12:20過ぎ)では2パス目でノッコン。その後もラインアウトやキックオフでミスが目立ち、後半に自陣22mから松井選手が独走(21:00過ぎ)するも相手に足を払われて倒されてその後、藤田選手が反則を取られてしまうなど、ゲームの流れを作れない展開が続きました。それでもDFでシンビンが出て6人になっても、ラインブレイクを許さず、大崩れしなかったのが勝因ですね。大会を通じても6試合全てで相手を2トライ以下に抑えていました。

協会のHPでも20日に男子セブンズ代表の五輪までのスケジュールが発表されました3月にカナダ、5月にイングランドとフランスで行われるシリーズ大会に招待参加が決まり、ここで何とかベスト8以上に進みたいですね。今週末は米国カリフォルニアでシリーズ大会が行われますが、招待で参加するのは五輪アジア予選を勝ち抜いた韓国ですね⇒WorlRugbyの試合予定。日本はSDSで同時期に行われる国際大会に出場するようです。

最後に女子日本代表はセブンズ、フィフティーンそれぞれ熊谷、勝浦で合宿が行われています。次回はその辺の強化について少し触れられたらなと思います。

W杯はサモアから4トライを奪い快勝、国体女子セブンズは茨城が初優勝

昨日は東京スタジアムでイングランドとアルゼンチンの試合を観戦しましたが、隣のアミノバイタルフィールドのファンゾーンでは日本とサモアの試合が見れないということで、後半途中で移動しました。

結果は38-19で快勝、途中から4トライのBPは厳しいかと諦めていましたが、残り10分を切ってからの猛攻で2トライを奪った日本代表、強いですね。最後の1プレーにリスクを背負ってスクラムを選択したサモア代表も、過去の2試合から規律の面を修正、ブレイクダウンでプレッシャーをかけてきて日本のテンポを遅くしたり、反則を誘ったりして、苦しめました。

https://www.youtube.com/watch?v=YwPl6BLNE-Y
試合はPG合戦でもやもやしがちだった前半から、後半残り10分の攻防で一気に盛り上がって4トライを取って快勝。強いぜジェイミーJAPAN。

キックを多く蹴るゲームプランで負けない戦いを徹底した日本

この試合、前回のアイルランド戦と比べてSHからDFの後ろに蹴るプレーが目立ちました。具体的にはタッチライン際にいる相手のWTBを狙っていたと思います。おそらくサモアの選手が後ろのキックに対して戻りが遅いと分析して、そこでの再獲得を狙っていたかと思います。前半にキャッチした相手を捕まえて倒して出来たラックに素早く寄ってボールを再獲得した場面もありました。

後半に入ると、敵陣でのプレーが更に増えました。サモアは自陣でのアタックを見るとオプションがほとんどなかったですね。SHから1パスでのコンタクトを何回か重ねてからキック。日本はそれに対してしっかり準備して攻める、無理なアタックはせずに、苦しい状況であれば蹴り返す。そんな展開だったのでサモアは後半にトライを奪うまでG前でのチャンスはほぼなかったと思います。サモアは勝ちたいのにチャンスは作れなかったのが、正直な気持ちではなかったか、日本は負けない戦い方を実戦していたと感じました。

後は接戦に持ち込んだとしても最後にはサモア相手に走り勝てるイメージはあったと思います。リザーブに堀江選手、田中選手というキープレーヤーがいたのも大きかったでしょう。実際、後半途中で田中選手が入ってからはアタックで展開する場面が増えました。チームのプランにはまりましたね。

予選は13日のスコットランド戦で最終戦、そして悲願のベスト8進出をかけた戦いになります。トーナメントの進出条件についてはラグビーリパブリックの記事を貼り付けますね ⇒ どこよりも詳しい! シチュエーション別 日本代表決勝トーナメント進出の条件

3日に行われたゆめ国体の女子セブンズは茨城が初出場初優勝!

2日に観戦した島根県、三重県を相手に快勝した茨城女子、決勝では延長で優勝経験のある埼玉に勝利し、見事な戦いでした。

私は2日は現地で観戦していました。全12試合を見る限り、決勝は茨城と埼玉かなと思っていましたが、そのとおりになりました。茨城は登録メンバー全員がRKU龍ヶ崎GRACE、埼玉はアルカスクイーン熊谷と自衛隊体育学校(PTS)の2チームからの選抜チームでした。埼玉はリオ五輪の代表選手をはじめ、ほぼ日本代表もしくは日本選抜やユース代表などその下のカテゴリーを経験した選手で構成されていました。

そんな埼玉を相手に延長戦を制して優勝した茨城は予選の2試合を見ても、仕上がっていましたね。深いアタックラインでしっかり走りこんでボールを展開し、サポートもサボらず、国体での地元優勝を目指してトレーニングを重ねてきたのがわかりました。当たり前ですがミスがないチームは強い。その上でBKの内海選手、鹿尾選手らキープレーヤーが活躍していました。内海選手は優勝を決めるトライのほか、トライ後のキックの成功率も高く、MVP級の活躍でしたね。

13日は女子ラグビーの関東大会第2節も行われます。W杯も盛り上がっているので、女子ラグビーの選手たちも毎日ラグビーが見れて楽しいと思います。10月もEnjoy Rugbyで観戦に運営に頑張ります!

W杯の参加チームのピーキングを考える

前回のブログでは、ジェイミーJAPANのアイルランド戦に向けての準備について、「犠牲」という言葉をキーワードに書きました。時間なり、体力なりを目標達成のために費やす、 簡単に使えない言葉だなと。

タイトルに出てきた「ピーキング」という言葉。先日、お世話になっている平林泰三レフリーのお話を聞く機会があったときに出てきました。「アイルランドはおそらく決勝トーナメント進出を見据えて、ピーキングをそこに合わせてくるはず。ジェイミーJAPANは開幕戦のロシアも重要だったと思うが、ピーキングはこのアイルランド戦に持ってきたはず」という内容。

そして今朝、この記事を読んだときに色々と納得できました。⇒ 【清宮克幸】アイルランドに勝利する準備はできていた リンク先の文中から「 事実、この数カ月のあいだ、清宮は「ベスト8は達成できる」とメディアの前でも話し続けている。 」

格下の日本を相手に、対策という準備はなかったアイルランド

https://www.youtube.com/watch?v=eGC1nVslrPY
巧手に迷いのない素晴らしいプレーを見せた日本、途中から思い通りにいかずに攻め切れなかったアイルランド、準備の差がはっきり現れた試合でした

先日の平林レフリーの言葉を引用させてもらうと「じゃあNZ相手にも日本のときと同じプランで戦うのか」ということでした。アイルランドは4年前の南アフリカを破った日本代表のイメージはありましたし、警戒はそれなりにしていたでしょう。ただ「それなりに」です。おそらくはスコットランド相手にも圧倒した自慢のFWとフィジカルで、日本にも圧倒できると思っていたのではないか。しかし、そう思うようには進まなかったですね。

リンク先の清宮副会長の言葉には様々な理由が詰まっていました。「選手のコンディションが良すぎた」「試合経験を積まずに準備する」「できるところまで追い込みたい」「アイルランドというチームがこの数年間で出している傑出したパフォーマンスというのは、準備にこそ秘訣があった。」その上でアイルランドのキープレーヤー、10番セクストン選手の欠場や、夕方の蒸し暑さによる走り負け、などいくつかの要因が重なっての番狂わせ。

で最初に戻りますが、ピーキングをどこに持ってくるか。優勝を目指すチームであれば、それは決勝トーナメント、理想は決勝戦にベストパフォーマンスを持っていきたいと予選から考えてくるでしょう。しかしいわゆる格下の参加国は予選4試合でいかにして勝つか、どの相手に勝利を狙うかにピーキングを合わせているはずです。4年前の南アフリカ戦も大会初戦でコンディションはお互い万全でしたが、ピーキングは間違いなく違ったはずで、エディーJAPANはベスト8進出をめざし、予選の1戦1戦が勝負でした。

今大会の組合せを見ると大会序盤に決勝トーナメントを狙うもの同士の組合せが多かったと思います。例えば大会2日目のNZと南アフリカ、フランスとアルゼンチン、そして3日目のアイルランドとスコットランドですかね。だからここにまずはピーキングを合わせたはずです。そして2戦目はどうしても下がる。平日にも試合が組まれる予選の日程、高い強度、常にベストメンバーでベストゲームは出来ないのがW杯です。

その中で日本代表は毎試合ベストで戦いきるための厳しいトレーニング、鍛錬を重ねてきて迎えた母国開催のW杯。ロシアとの開幕戦も、アイルランド戦の先発メンバーと比べると3番具、4番トンプソン・ルーク、8番マフィらが先発から外れていました。本当のターゲットは2戦目のアイルランドだったはずです。

優勝を目指すNZは2日のカナダ戦で先発11名を入れ替え

初戦でライバル南アフリカに勝利したNZは、カナダ戦に先発11名を入れ替えて63-0の大勝

わかりやすくメンバーを大幅に入れ替えて、4トライのBPを奪って計算どおり勝ったのがNZ代表AllBlacksですね。バレット3兄弟全員がトライを奪うという話題つきでした。南ア戦でまずピーキングを迎えて、残りの予選は決勝トーナメントを見据えて、選手のコンディションや組合せを考慮して戦うはずです。

こうやってピーキングをキーワードに平林レフリーや清宮副会長の言葉を引用して振り返りましたが、今のジェイミーJAPANは間違いなく、過去最強の日本代表だといえます。予選全40試合も明日から後半戦です。我々ファンは日本代表が決勝トーナメントに進出するために、BP含めた勝ち点の計算をしがちですが、最終戦のスコットランド戦を終えたときに「そんな余計なこと考えなくても全勝して1位通過したんだな、強いぜジェイミーJAPAN」と言える様な活躍を期待せずにはいられません。

まずは次のサモア戦で4トライ以上奪っての勝利、勝ち点5を掴みとってもらいましょう。私は5日は注目のイングランドVSアルゼンチンを現地で観戦します!