W杯はサモアから4トライを奪い快勝、国体女子セブンズは茨城が初優勝

昨日は東京スタジアムでイングランドとアルゼンチンの試合を観戦しましたが、隣のアミノバイタルフィールドのファンゾーンでは日本とサモアの試合が見れないということで、後半途中で移動しました。

結果は38-19で快勝、途中から4トライのBPは厳しいかと諦めていましたが、残り10分を切ってからの猛攻で2トライを奪った日本代表、強いですね。最後の1プレーにリスクを背負ってスクラムを選択したサモア代表も、過去の2試合から規律の面を修正、ブレイクダウンでプレッシャーをかけてきて日本のテンポを遅くしたり、反則を誘ったりして、苦しめました。

https://www.youtube.com/watch?v=YwPl6BLNE-Y
試合はPG合戦でもやもやしがちだった前半から、後半残り10分の攻防で一気に盛り上がって4トライを取って快勝。強いぜジェイミーJAPAN。

キックを多く蹴るゲームプランで負けない戦いを徹底した日本

この試合、前回のアイルランド戦と比べてSHからDFの後ろに蹴るプレーが目立ちました。具体的にはタッチライン際にいる相手のWTBを狙っていたと思います。おそらくサモアの選手が後ろのキックに対して戻りが遅いと分析して、そこでの再獲得を狙っていたかと思います。前半にキャッチした相手を捕まえて倒して出来たラックに素早く寄ってボールを再獲得した場面もありました。

後半に入ると、敵陣でのプレーが更に増えました。サモアは自陣でのアタックを見るとオプションがほとんどなかったですね。SHから1パスでのコンタクトを何回か重ねてからキック。日本はそれに対してしっかり準備して攻める、無理なアタックはせずに、苦しい状況であれば蹴り返す。そんな展開だったのでサモアは後半にトライを奪うまでG前でのチャンスはほぼなかったと思います。サモアは勝ちたいのにチャンスは作れなかったのが、正直な気持ちではなかったか、日本は負けない戦い方を実戦していたと感じました。

後は接戦に持ち込んだとしても最後にはサモア相手に走り勝てるイメージはあったと思います。リザーブに堀江選手、田中選手というキープレーヤーがいたのも大きかったでしょう。実際、後半途中で田中選手が入ってからはアタックで展開する場面が増えました。チームのプランにはまりましたね。

予選は13日のスコットランド戦で最終戦、そして悲願のベスト8進出をかけた戦いになります。トーナメントの進出条件についてはラグビーリパブリックの記事を貼り付けますね ⇒ どこよりも詳しい! シチュエーション別 日本代表決勝トーナメント進出の条件

3日に行われたゆめ国体の女子セブンズは茨城が初出場初優勝!

2日に観戦した島根県、三重県を相手に快勝した茨城女子、決勝では延長で優勝経験のある埼玉に勝利し、見事な戦いでした。

私は2日は現地で観戦していました。全12試合を見る限り、決勝は茨城と埼玉かなと思っていましたが、そのとおりになりました。茨城は登録メンバー全員がRKU龍ヶ崎GRACE、埼玉はアルカスクイーン熊谷と自衛隊体育学校(PTS)の2チームからの選抜チームでした。埼玉はリオ五輪の代表選手をはじめ、ほぼ日本代表もしくは日本選抜やユース代表などその下のカテゴリーを経験した選手で構成されていました。

そんな埼玉を相手に延長戦を制して優勝した茨城は予選の2試合を見ても、仕上がっていましたね。深いアタックラインでしっかり走りこんでボールを展開し、サポートもサボらず、国体での地元優勝を目指してトレーニングを重ねてきたのがわかりました。当たり前ですがミスがないチームは強い。その上でBKの内海選手、鹿尾選手らキープレーヤーが活躍していました。内海選手は優勝を決めるトライのほか、トライ後のキックの成功率も高く、MVP級の活躍でしたね。

13日は女子ラグビーの関東大会第2節も行われます。W杯も盛り上がっているので、女子ラグビーの選手たちも毎日ラグビーが見れて楽しいと思います。10月もEnjoy Rugbyで観戦に運営に頑張ります!

ラグビーW杯が開幕、女子の関東大会も開幕

ブログ更新、2週間ぶりになります。今月まだ2回目だ...忙しいとなかなか時間作れないですね。

10日前は水戸で全国中学大会、太陽生命カップが行われたり、アジアセブンズが行われたり、医学ラグビーの試合を観戦したりとTwitterでつぶやいたり写真のせたりはしますが、ブログの更新は忘れてしまいがちですね。そうしているうちに20日からラグビーW杯が開幕しました!

緊張した開幕戦でロシアから4Tを奪い勝利

World RugbyのYoutubeチャンネルから開幕戦の23分強のハイライト

開幕戦はお世話になっている方のお店で大きなスクリーンで観戦していました。日本代表はロシアに先制トライを許した場面をはじめ、ミスが目立つ試合でした。試合後の選手のコメントを見ても今までに感じたことのない緊張感だった選手もいたようですね。それでもDFでは規律をしっかり保って、オプションの少ないロシアのアタックを止めて10失点に抑えました。

アタックでは松島選手のハットトリックが目立っていますが、事前にロシアのDFを分析して、外にチャンスがあると感じていたのでしょう。オフロードパスからチャンスを作って外の松島が走りきったのが2トライ、4トライ目は苦し紛れのキックを素早くカウンターして松島が触れられずにトライ。ロシアは他の強豪国と比べるとDFは連携はいまいちでしたが、初戦はとにかく4トライのBPを加えて勝ち点5を取ったことが大事ですね。

今日はウルグアイが釜石でフィジーに勝って見事な番狂わせ

今日25日に釜石で行われた試合はウルグアイが格上フィジーに3点差で勝利
World RugbyのYoutubeチャンネルにあった釜石の復興ストーリー、4分弱です

20日から25日までの6日間で10試合が行われましたが、スタジアムで観戦したのが2試合、それ以外にHUBやお店で後半途中から見たり、1試合丸まる見れたりで月曜にはもう観戦疲れ。私が一切見れなかったのは22日の花園で行われたイタリアとナミビアの試合、そして今日釜石で行われたウルグアイとフィジーの試合でした。さっきハイライト動画を紹介しましたが、まだ見ていません。それでもウルグアイの勝利には驚きました。

フィジーは7月に釜石で日本代表と試合もして、21日の札幌でのオーストラリア戦から中3日で疲れもあるとはいえ、ウルグアイとの力の差はあると感じていました。これまでの試合でもウルグアイに負けたことなかったですし、昨年11月の試合でも大勝していました。それが仕事の合間にスコアをチェックしたらウルグアイがリードしているのを見て、おおっとびっくりしました。4年前の日本と南アフリカの試合を思いださせてくれますね。現地で観戦した人は楽しんだでしょうね。

22日から女子の15人制の関東大会、OTOWAカップも開幕

今年は国体や秋に女子日本代表のヨーロッパ遠征が計画されているのもあり、開幕が9月になりました。 22日に日体大のラグビー場で開幕した、OTOWAカップ、関東ラグビーフットボール協会のFacebookでも大会初日の様子が紹介されています。

試合のレポートはまた別の機会にまとめようと思います。今回はMIP(Most Impressive Player)について、 今大会から試合毎に選出することになりました。代表者会議を行った際に参加チームの中から提案があり、即採用しました。試合で印象に残った活躍をした選手を実行委員会の中で相談、選出し、試合後に小さな賞状を渡す予定です。22日はRKUグレースの10番大塚選手、アルテミスターズの6番櫻井選手がMIPに選ばれました。ゆくゆくは何かプレゼントとか景品を渡せれば、より盛り上がると思います。

次回は来月13日に東芝のラグビー場で、この日は横浜で日本とスコットランドの予選プール最終戦が行われます。ラグビーで話題が尽きない秋になりそうです!

関東U18女子セブンズは関東学院六浦が優勝、國學院栃木が逆転勝利で2位

先週末に麗澤ラグビー場で行われた高校女子の大会、10月に熊谷で行われる全国大会の関東予選になります。2日間、運営のお手伝いで参加しました。

開会式、クラブチームや高校など9チームが参加、暑熱対策として土曜の夕方と日曜の午前に試合は行われました

天気に恵まれた2日間、4試合を無失点で優勝した関東学院六浦

台風が関東地方に迫ってくる中で行われた大会は少しぱらつく程度の雨はありながらも、試合に大きな影響はありませんでした。その中で予選2試合で共に50得点以上を奪い1位通過、2日目の1位リーグでも國學院栃木、BraveLouveを相手に共に4トライを奪い、DFでは全て無失点で文句なしの優勝でした。関東協会HPの大会結果へのリンクはこちら。

3月に府中で行われた関東大会ではサニックスワールドユースへの出場権をかけて3チームが戦い、関東学院六浦が2試合とも後半のラストプレーで逆転勝利という劇的な優勝を遂げました。あれから約半年、更に実力をつけた関東学院六浦の勝因はなんと言っても無失点の堅いDFでした。試合を見ていても選手同士が声を掛け合い、キャリアーを見るタックラーが孤立せずに内側のDFとコネクトしてプレッシャーをかけていました。

象徴的だったのは最終戦のBraveLouve、勝てば優勝が決まる試合で六浦は試合を通じてほとんど敵陣でプレーしました。KOレシーブから展開して攻め込もうとするルーヴに対してライン際でタックルして押し出したり、内側に返した選手に狙い済まして激しいタックルを決めていました。そこからボールを奪うと、アタックが上手にボールを繋いでトライ。前半で試合を決めたような戦いでした。後半はルーヴも裏へのキックを使うもそこからボールを奪って有効なアタックをする機会は作れず、ベストゲームと言っていいような内容でした。そんな六浦ラグビー部の優勝報告のブログはこちら監督の梅原先生を胴上げしている写真が素晴らしい。

全国出場権をかけた熱戦は、國學院栃木が後半2トライで逆転勝利

2日間の試合結果、最終戦は勝ったほうが2位となり全国大会への出場を決める中で、1年生が活躍した國學院栃木が大逆転で勝利

六浦に敗れた國學院栃木とBraveLouveの争い、得失点差でルーヴが2点上回る中、國學院栃木はルーヴに勝利するしかありませんでしたが、前半を終えてルーヴが7-0でリード、ハーフタイムでは吉岡先生の檄が飛んでいました。勝負の後半で活躍したのが、1年生の高橋夏未。女子のセブンズユースアカデミーにも選ばれているキープレーヤーでしたが、予選で傷んでしまい朝は足を引きずっていたので、試合出場は難しいと正直思っていました。

しかし激しい攻防の後半半ばに、自陣中央付近でラックからボールを貰うと、内側の僅かなスペースに仕掛けて裏に抜け出しそのままポスト下に60m独走のトライで同点に追いつきます。そして残り1分をきって敵陣22mに攻め込むと、外でタックルを堪えて繋ぐとコーナーに飛び込んだのはまたしても高橋夏未。勝負どころで活躍するスター性を感じさせるようなプレー、コベルコカップでも北海道・関東チームで活躍していましたね。

そして國學院栃木で忘れてはいけない選手が、サクラセブンズの松田凜日。この大会では登録から外れていましたが、日曜は応援に来ている姿を見ました。現在アジアシリーズを戦うサクラセブンズの合宿メンバーには選出されていないので、リハビリ中かもしれませんが、来月の全国大会で出場するのであれば、間違いなく大きな戦力になるはずです。期待大ですね!

サクラフィフティーンは秋の遠征に向けて合宿とメンバー発表

最後に短く、日本協会のHPで合宿と参加メンバーが発表されました7月のオーストラリア遠征メンバーに加えて、コベルコで活躍した高校生3名をはじめ、怪我をしていた一昨年のW杯の代表キャプテン齋藤聖奈も選ばれています。明日12日から16日まで勝浦の国際武道大学で行われます。こちらも期待していきましょう。頑張れ日本!

コベルコカップ女子の部を振り返る

まず前回のブログから2週間近く更新が滞ってしまいました。話題は色々とありましたが、落ち着いて書くような時間が作れずでした。今回は先日、菅平で行われたコベルコカップ2019を振り返ります。

今年は例年以上に暑かった菅平、女子のレベルも上がっていました

開会式では男女共に全国9ブロックから集まった高校生を前に、岩淵専務理事がお話をしていました。開会式後には中央のステージでスキマスイッチと高校生が共に歌うMVを撮影して盛り上がりました

女子の部を振り返るということで、まずは大会結果から。5地域の代表で日本一を争う決勝リーグ、中国ブロックの石見智翠館が4戦全勝で15人制になって初めての優勝を飾りました。関東ブロックは2勝1敗1分け、得失点差で九州ブロックを上回り2位、そして九州、近畿、東海という順位でした。4地域で争う育成リーグでは3地域が2勝1敗で並びましたが、得失点差で北海道・関東が1位に、2位四国、3位北信越、4位東北という順位になりました。各試合結果は日本協会のHPにありますのでチェック。

私は女子の試合はほとんど観戦することが出来ましたが、今年も全体のレベルは上がっていました。具体的にはキックも含め、ボールがより動くようになりました。3,4年前は全体が浅いラインで外までボールが回ることも少なく、キックもしっかり蹴れる選手があまりいなかった印象でした。今年はキックでエリアを取れるチーム、ATで深いラインからワイドに展開して外のスペースを有効に使うチームが増えました。育成リーグでも四国チームは良いアタックを見せていたと思います。一方でDFでボールを奪えるチームはまだ少ないですね。ジャッカルで絡む場面は増えましたが、素早いDFからFWの圧力で球を奪いにいく場面がもっと増えると、ゲームの強度も上がるかなと思います。

優勝した中国ブロック、石見智翠館のまとまりと強さは抜けていました

決勝リーグで優勝した中国ブロック。4試合で9トライを奪い60点を獲得、失点は僅か8点、九州との最終戦では前半の1PGのリードを守りきっての初優勝でした。先日のオーストラリア遠征で日本代表デビューした今釘小町選手を中心に、個々の強さとまとまりは他のチームを圧倒していました。試合を見ていた大会関係者から、石見智翠館の選手が大きく見えるという声も聞こえたほどです。関東ブロックとの試合では、キックオフ直後のラックで関東FWを押し返してターンオーバーを勝ち取るなど力強いFWに加えて、深いラインからワイドに展開して、ゲインを重ねて最後は外のWTBが狙い通りにトライを奪うなど本当に強いチームでした。

もちろん中国ブロックは石見智翠館単独で、他の地域は選抜チームという部分でのチームの完成度、まとまりの差は否めません。もしかしたらGWに行われたサニックスワールドユースを終えてからおよそ3ヶ月、コベルコカップ優勝という目標達成に向けて今まで以上に準備を重ねてきたかもしれません。その理由の1つは昨年まで春に太陽生命WSSが行われていたので、セブンズに取り組む時間ばかりで15人制への準備期間が足りなかったのだと思います。今年はチャレンジチームに選ばれる選手もいましたが、他のチームと比べて完成度は高かったと思います。来年は他の地域ももっと力を入れて取り組まないと勝つのは難しい、そう感じさせる戦いっぷりでした。

2位の関東ブロック、ハードなDFを強みに良い戦いを見せました

最終戦を前に。佐野の石井先生、関東学院六浦の梅原先生を中心に優勝を目指した関東ブロックは、昨年の3位を上回る2位。選手は試合を重ねる毎に、ハードなDFという強みを理解し、成長していきました。

そして私も帯同してサポートした関東ブロック、昨年までは高いキックスキルと判断力を兼ね備えた高木萌結が10番司令塔としてチームをリードしていました。FWの秋田若菜やBKの高橋沙羅、安尾琴乃など昨年も関東ブロックに選ばれた選手が軸になるものの、快速WTBや力強いFWなどずば抜けた選手はいない中で、優勝を目指してどう戦い抜くか。振り返ると試合を重ねる毎にわかりやすく成長することが出来た3日間でした。

関東ブロックの9番高橋沙羅は4戦フル出場、近畿との最終戦では3トライ全てに絡む大活躍を見せてブロック優秀選手に選ばれました。写真はせんしさんのTwitterから拝借。

私は主に試合前のウォームアップを担当、試合中はビデオ撮影をしていて試合中は選手に具体的なアドバイスはせず、見守っていました。初戦は昨年優勝の九州が相手、チームもまだ不安な要素が多く、試合前のアップでも選手間でのコミュニケーションが足りないというか、確認ばかりでまとまらないといった様子で、心配していました。結果は0-0のスコアレスドローでしたが、前半の慌てた時間帯にDFでハードタックルを連発し、ゲームの流れを徐々に引き寄せると、後半は10番松尾凜子のキックで敵陣に進み、最後の数分間は敵陣22m内で攻め続けました。もちろん勝てなかった悔しさはありますが、良いスタートは切れたと感じました。

次の中国戦、前半は相手のミスに助けられる場面もありながらも、自陣からのキックで敵陣に攻め込み、12番安尾琴乃が先制のトライ(その前の場面でノッコンがあったように見えましたが・・・)。しかし後半は開き直った中国が狙いすましたハードタックルから流れを掴むと2トライを奪われて逆転負け。しかしこの2試合の接戦の中で自分たちの強み、戦い方を理解したと思います。その後の2試合では3トライを奪い、快勝しました。

近畿との最終戦を終えて、応援してくれた保護者にチーム皆でお礼の挨拶、キャプテンの2番粂日向子、バイスの9番高橋沙羅を中心に良いチームになりました。もっと強くなれると感じた分は花園に向けて。

今年の関東ブロックは、チームでDFするという意識が今までよりも高かったと思います。それがはまる場面が多く見られ、自陣のキックから敵陣までエリアを大きく進めて、相手のミスを誘い、敵陣でアタックする、という場面が多かったと思います。その一方でG前まで攻め込むも、FWを絡めたオプションが少なく攻めあぐねる場面もありました。最終戦の近畿に奪われたトライは、G前で攻め続けるもトライを奪えず、BKに展開したところでミスから一気に切換えされてしまいました。この辺りは自分含め、コーチ陣が限られた時間の中で落とし込みきれなかった部分かもしれません。

もちろん関東ブロック以外でも、北海道チームに加わった関東の選手をはじめ、多くの原石が活躍していました。どの試合も選手の必死さ、ひたむきさがあり、決してつまらない試合などありませんでした。今後もラグビーを続けてほしいですね。

今年は11月に行われていた三地域対抗戦(全国選手権高校の部)が行われないらしく、花園の東西対抗戦に向けては秋にセレクション合宿が行われて、そこで代表選手を選ぶそうです。関東ブロックの選手たちには怪我に気をつけながらも、夏、秋と更に個々がレベルアップを重ねて、花園のフィールドで活躍して欲しいなと思います。

注目されたU17の部は関東ブロックが圧勝、8番桐蔭学園の佐藤選手の圧倒的な攻撃力など本当に強いチームでした。茗溪学園の亀山、勝矢もチームの一員として頑張っていました。

今回は簡単に振り返ることが出来ず、2週間あいていたのもあって、長くなりました。W杯開幕まで50日を切り、毎週2回は更新できるよう、色々とラグビー情報を探しながらやっていきます。

関東ブロック女子の集合写真、2年ぶりの帯同でしたがたくさん学ばせてもらいました。もっと自分の役割を果たして勝利に貢献できるような指導者を目指して頑張ります。

ユニバの金メダル獲得と太陽生命WSSの成果を考える

まずは前回のブログでも書いていたクボタと三菱重工の試合の観戦レポートがクボタのHPに掲載されていたので、リンクはこちら。

そして日曜深夜に行われたユニバーシアードで男女日本代表が共に金メダルを獲得、そして本日、日本協会から東京オリンピックに向けた「第1次オリンピックスコッド」と「トレーニングスコッド」の発表がありました。会見とスコッドのメンバーについてRugbyRepublicの記事はこちら

まずはユニバ、男女共にチームの完成度が他の国よりも高かった日本

昨年のアジア大会では果たせなかった男女同時優勝、大学生を中心とした若い世代が大活躍しての金メダルでした。写真は日本協会のTwitterから拝借

Youtubeに決勝のハイライトがアップされていますが、男子も女子もボールを動かし続けるアタックで相手のDFを翻弄、DFでもしっかり連携して守り、相手のミスを誘ったり、ジャッカルして反則を誘ったりしていました。個々の強さ、速さが勝負を決めるセブンズですが、そこにチームの戦略、戦術をしっかり落とし込んで、チーム一丸となって戦った日本は金メダルにふさわしいチームでした。

トライシーンを中心にしたハイライト男子決勝は5:30~、女子決勝は15:45~、共に自分たちのスタイルを貫いて快勝、金メダル獲得という素晴らしい結果を持って帰国しました
男女のスタッフも混じっての記念写真、男子の鈴木貴士HC(前列右端)は7年前にクボタスピアーズで通訳をする機会を頂いたときにお世話になり、今回がHCとして初の大会。本当に嬉しい優勝です!

セブンズの経験値が高かった日本、女子は太陽生命WSSが実践の場に

最終日の準決勝、決勝はLIVE中継があったので見てみましたが、日本は男女ともに相手よりもセブンズ慣れしていました。男女共にアタックで孤立する場面はほぼなくフォローがしっかりついて、倒れる前に繋いでラックにせずにボールを動かしていこうという意図が見ながらわかりました。男子は準決勝のロシア戦、自陣G前でのDFでもタックルミスはほとんどなく、相手のミスも誘って前半を我慢するとハーフタイムの時点でロシアの選手はバテバテ、後半は2トライを奪っての完封勝利。決勝の南アフリカ戦も相手にリードを許すことなく、南アの2トライは共にDFの裏のスペースにキックを蹴ってスピードのある選手がトライを奪ったものの、DFは崩されませんでした。

女子は春になってSDSの召集は何回かありましたが、チームの本格的な指導は6月に入ってから。北海道のピリカモシリ7sの前に合宿を行い、大会で実戦を積んで、チーム作りを進めてきました。最終日は準決勝でロシア相手に、決勝では予選ではノータイムからトライを奪って勝利したフランス相手に、共に5トライを奪う圧勝で、暑さ関係なし、文句なしの強さを見せました。

ユニバーシアードという学生カテゴリーでは、大学ラグビーがさかんな日本は世界のトップレベルかもしれません。男女共に中学や高校でユースアカデミーに選出された選手が多く選ばれていたと思います。男子だと東芝の桑山選手や関東学院大学の川崎選手ですかね。女子だとすでにトップのフル代表を経験している選手が半数以上でした。協会HPにある選手団の名簿はこちら

そんな中、女子に限って言えば2014年から始まった太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ、今年で6年目を迎えましたが、ここで実戦経験を積んだ選手が多くいますね。例えば原わか花、黒木理帆は石見智翠館高校のときから大学生、社会人を相手に必死に喰らいつくかのように戦っていました。堤ほの花、永田花菜、長田いろはも高校は九州ですが当時からチャレンジチームの一員として参戦し、活躍していました。そういった実戦での経験値は、ユニバーシアードという大会では他の国に比べて明らかにアドバンテージがあったでしょう。勝負どころをわかっているというか、太陽生命WSSで見せている普段の実力をしっかり出して勝つべくして勝ったという印象ですね。

女子は半数以上のメンバーがアジアシリーズやワールドシリーズに参加したことのあるメンバー、キャプテンを務めた平野夢芽は高1のころから太陽生命WSSに参戦、セブンズに特化したイメージですね

ユニバーシアードで金メダルを獲得したとはいえ、男女共に次のワールドセブンズシリーズにはコアチームとして参戦出来ない状況です。それでも今回、こうしてよい結果を出せたことは今までのセブンズ強化のシステムによるものが大きいです。個々がしっかり戦い、相手をしっかり分析し、自分たちのペースを掴めれば、どんな国にもしっかり勝てる。そんなことを再確認できたような大会でした。ワールドシリーズに向けては、個々が更に強く速くなることがまず前提でしょうね。強豪国に限らずどの国もメンバーをある程度固定して年間計画で強化を進めていると思います。

ユニバーシアードのように圧倒できないのが、世界の強豪国が集まるワールド7sシリーズです。そして来年の東京オリンピックに向けて、強化スケジュールも本日発表されましたが、どうチャレンジしていくか。期待していきましょう。

9日に帰国した代表選手団は早速、取材攻めにあったみたいです。女子キャプテンを務めた平野夢芽はまだ19歳、大役お疲れ様でした。写真は日本協会のTwitterから拝借。

個人的には女子は代表選手を中心としたSDSでチャレンジチームとして来年の太陽生命WSSに参戦、オリンピックに向けて国内の競合と競い合って(もちろん圧勝して)、準備していくのもありだとは思いますが・・・協会はどう強化するのか注目。

オーストラリアに遠征中のサクラフィフティーンは13日にテストマッチ初戦

5日金曜に日本を飛び立ったサクラ15は現地のチームと合同練習、写真は日本協会のTwitterより拝借。

最後になかなか情報は拾えませんが、15人制のサクラフィフティーンも13日の豪州とのテストマッチに向けて準備中です。選手が入れ替わってどんな先発メンバーになるのかわかりませんが、フィジカルに優れたオーストラリア相手に、どんな戦い方をして、どう挑むのか。注目しています。頑張れニッポン!頑張れサクラ!!